第19章 少女
アリーナ・ヴォルコワのほうから、彼にメッセージが届いた。
一緒に出かけようと誘ってきたのだ。
アレクセイは信じられなかった。
一気に気分が高まる。
一番いい服を選び、
長い時間、鏡の前に立った。
これは……ほとんどデートだ。
二人はショッピングモールで待ち合わせた。
「やあ」彼は笑顔で言った。
「こんにちは」彼女も答えた。
だが、何かがおかしい。
アリーナは……落ち込んでいるように見えた。
「ちょっと選ぶの、手伝ってくれる?」と彼女は言った。
二人は店を回り、
服を見て、
些細なことを話し合った。
だが、重たい空気は消えなかった。
アレクセイは耐えきれずに聞いた。
「何があったんだ?」
彼女はすぐには答えなかった。
しばらくしてから、ようやく小さな声で尋ねる。
「あなた、まだディーマと連絡取ってる?」
「ああ」アレクセイはうなずいた。「学校の頃からの友達だし、よく会ってる。」
彼女は視線を落とした。
「私たち……大げんかしちゃって。」
間。
「仲直りするの、手伝ってくれる?」
アレクセイは固まった。
頭の中に一瞬、考えがよぎる。
(これは俺の問題じゃない……)
そしてもう一つ。
(そのほうが楽だ……)
それでも彼は言った。
「仲直りしたいなら……自分たちで解決しないと。」
二人はまた歩き出した。
アレクセイの頭はすでに別のことでいっぱいだった。
彼女にいいところを見せたい。
魔法を見せて、
驚かせたい。
だがそのとき、彼女が言った。
「ディーマがダンジョンに行ってたの、知ってる?」
アレクセイは一瞬、言葉に詰まる。
「えっと……いや。」
彼女は彼を見た。
「私、見たの。建設現場で、ポータルから出てくるところ。」
アレクセイの心臓が跳ねた。
「それで……警察を呼んだの。」
沈黙。
「それで、けんかになった。」
彼女は手を強く握りしめた。
「私のせいで、彼はポータルを失った……」
アレクセイは眉をひそめた。
「どうして止めたかったんだ?」
彼女はすぐに答えた。
「危険だから!」
声が震える。
「あそこでは死ぬかもしれない。」
「大けがするかもしれない……」
「本当に、死んでしまうかもしれないの。」
アレクセイはじっと彼女を見た。
「でも君は、彼から大切なものを奪った」静かに言う。
「彼は……本気でやりたかったんだ。」
アリーナは唇を噛んだ。
「守りたかっただけなのに……」
間。
「手伝ってくれる?」
アレクセイは息を吐いた。
「……わかった。やってみる。」
少し考えてから続ける。
「でも方法がわからない。」
「ポータルはもう戻らないから。」




