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第12章 最初の炎

アレクセイはよく眠れなかった。


眠りは途切れ途切れで、重かった。


そして再び――ダンジョン。


石の通路。


足音の響き。


そしてゴブリン。


今回は数が多かった。


1体ずつではなく、群れで向かってくる。


速い。


止まらない。


アレクセイは後退しようとした。


しかし、空間そのものが縮んでいるように感じた。


「いや……」彼は夢の中で息を漏らした。


そして最初のゴブリンが近づきすぎた瞬間――


彼の内側にある何かが反応した。


本能的に。


突然。


手のひらに光が灯った。


炎の球体が前へ飛び出した。


そして暗闇へと直撃した。


彼は勢いよく目を覚ました。


一瞬、脳がその状況を受け入れられなかった。


「何……?」


そして次の瞬間、炎が揺れた。


閃光。


球体が手から飛び出し、部屋の壁へ向かって飛んだ。


炎が一瞬で燃え上がった。


アレクセイは飛び起きた。


「くそ!」


本能的に、彼はキッチンに置いてあった消火器を掴んだ。


泡が壁へ噴射される。


炎は消え始めた。


数秒後、火は完全に消えた。


静寂。


アレクセイは部屋の中央に立ち、荒い息をしていた。


壁に残った黒い焦げ跡を見る。


そして自分の手を見る。


「これは……ありえない……」


彼はゆっくりと指を握った。


夢ではない。


幻でもない。


彼は本当に、たった今魔法を使った。


アレクセイは長い間、自分に何が起きているのか理解できなかった。


自分の部屋に座り、壁の焦げ跡を見ながら、何度もその瞬間を思い返した。


炎。


手。


閃光。


夢のはずがない。


しかし、現実だとも頭では理解できなかった。


彼は理由を探そうとした。


疲労かもしれない。


ストレスかもしれない。


ダンジョンで見たものによる幻覚かもしれない。


それでも、心の奥には1つの感覚が残っていた。


これは本物だった。


彼は1つ理解した。


隠すことはできない。


しかし、誰に話せばいい?


両親? 無理だ。


信じてくれない。


兄弟? それも無理だ。


危険すぎる。


奇妙すぎる。


残されたのは、ただ1人。


ドミトリー。


アレクセイは廃棄された建設現場へ向かった。


あの場所だ。


彼はドミトリーに連絡し、彼は来た。


ドミトリーは……どこか機嫌が良さそうだった。


まるで何かがうまく終わったばかりのように。


「ポータルは?」アレクセイはすぐに聞いた。


ドミトリーは彼を見た。


「俺たちが閉じた」


「どうして?」


そしてドミトリーは、起きたことを短く説明した。


戦いについて。


ボスについて。


球体について。


ダンジョンの閉鎖について。


アレクセイは黙って聞いていた。


そして息を吐いた。


「だからこそ、俺は来た」


ドミトリーはすぐに警戒した。


「ポータルを見つけたのか?」


「違う」アレクセイはすぐに答えた。「そうじゃない」


間。


彼は唾を飲み込んだ。


「俺の……手に炎が出た」


沈黙。


ドミトリーは瞬きをした。


「何?」


「冗談じゃない」アレクセイは言った。「今日の夜。夢の中で……そして起きた後も」


彼は顔を上げた。


「説明できない。でも、俺は炎の球を作った」


ドミトリーは数秒間黙った。


そして静かに言った。


「夢だったんだ」


「違う」アレクセイは強く答えた。「部屋に火をつけた」


沈黙が重くなった。


ドミトリーは彼をより注意深く見た。


「ニュースには何もない」彼は言った。「魔法を使える人間なんて誰もいない」


アレクセイは拳を握った。


「そもそも、彼らはまだポータルで何が起きているのか理解していない。でも、俺は関係していると思う」


ドミトリーは考え込んだ。


もう妄想には聞こえなかった。


「分かった」ついに彼は言った。「なら確認しよう」


彼らは建設現場の開けた場所へ出た。


空いた空間。


コンクリート。


鉄。


近くに人はいない。


「もう一度やってみろ」ドミトリーは言った。


アレクセイは目を閉じた。


集中する。


何もない。


何も起きない。


「できない……」アレクセイは言った。


ドミトリーは一歩下がった。


そして突然、前へ動いた――まるで攻撃するかのように。


本能が即座に反応した。


アレクセイは驚いた。


その瞬間――


彼の手に再び炎が灯った。


炎の球が前へ飛び出した。


それはドミトリーの横の空間に当たり、さらに先へ進み、徐々に消えていった。


2人は動きを止めた。


これで明らかになった。


夢ではない。


偶然でもない。


アレクセイは本当に魔法を手に入れた。


ドミトリーは数秒間、黙って彼を見ていた。


その目には疑いではなく、別のものがあった。


驚きと分析が混ざった感情。


「これは……不可能だ」ついに彼は小さく言った。


そしてすぐに続けた。


「でも、お前はやった」


アレクセイは息を吐いた。


「あなたたちにも似たようなことはあった?」


ドミトリーは考えた。


「俺たちは長い間ダンジョンにいた」


彼は横を見た。


「そして、そうだ……ゴブリンは弱くなった」


間。


「でも、それだけでは魔法は説明できない」


彼は再びアレクセイを見た。


「2週間で、俺たちがそこまで変化するはずがない」


ニキータが口を挟んだ。


「つまり、原因は訓練だけじゃない」


マキシムもうなずいた。


「人間そのものが変化している可能性がある」


アレクセイは顔を上げた。


「なら、あなたも試してみて」


ドミトリーは反論しなかった。


一歩前へ出て、集中する。


アレクセイの動きを真似するように手を動かした。


何も起きない。


空っぽ。


もう一度。


やはり何もない。


「俺にはできないな」彼は落ち着いて言った。


「魔法はない」


アレクセイは眉をひそめた。


「じゃあ、もう一度試す」


彼は手を上げた。


集中する。


そして再び炎が現れた。


しかし、今回は違った。


呪文を維持する時間が長くなるほど、炎は弱くなっていった。


球体は揺れる。


輝きを失う。


まるで内部の何かが「消耗」しているように。


「これは……消耗している」アレクセイは言った。


彼は手を下ろした。


「まるで資源があるみたいだ」


「マナ、か」ドミトリーは静かに言った。


彼は少し間を置き、コンクリートの板の端に座った。


「そして、それは尽きる」


その瞬間、彼は突然剣を握った。


「もしそうなら……」


彼は空中へ数回、素早く斬撃を放った。


1回。


2回。


3回。


そして4回目の動きで――


刃が燃え上がった。


短い炎の軌跡が斬撃から飛び出し、空気を切り裂いた。


2人は固まった。


ドミトリーは息を吐いた。


「つまり……お前だけじゃない」


アレクセイは顔を上げた。


「魔法は……本当に存在する」


ドミトリーはゆっくりとうなずいた。


「そのようだな」

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