第10章 決断
彼らはダンジョンの出口へ向かっていた。
すでに戦闘時の緊張感はなく、ゆっくりと歩いていた。
最初に沈黙を破ったのはドミトリーだった。
「俺には……奴らがかなり弱くなったように感じる」
ニキータは反論せずにうなずいた。
「そうだな。奴らが変わったわけじゃない。俺たちが経験を積んだんだ」
彼は短く付け加えた。
「それに、やっぱりゴブリンは人間より弱い」
マキシムは肩を動かしながら息を吐いた。
「この鎧、暑いな……」
「もうすぐ出る」ドミトリーは落ち着いて言った。「少し休もう。それから店に行って、何か冷たいものを買おう」
「そうだなぁ……」ダニルが伸ばすように答えた。
彼らはすでに外へ出ていた。
そしてその瞬間、彼らは彼女を見た。
アリナ・ヴォルコワ。
彼女はポータルの入口の前に立っていた。
腕を組み。
とても不満そうな表情で。
「やっぱり……あなたたち、入ったんだ」彼女は鋭い声で言った。
ドミトリーは足を止めた。
「どうしてここにいる?」
「あなたたちを探していたの」彼女は答えた。「基地であなたたちの服を見たから」
彼女の視線は、鎧、剣、戦闘の跡へと向かった。
「本当に行ったのね……」
間。
「そして戦った」
「そうだ」ドミトリーは静かに答えた。
「でも、誰にも言わないでくれ」マキシムが付け加えた。
アリナはすぐに顔を上げた。
「嫌」
「危険すぎる」
ドミトリーは一歩近づいた。
「待て。あそこには、俺たちが対処できないものなんてない」
「関係ない」彼女は答えた。「私は、あなたがそこで死ぬかもしれないことが怖いの」
そして彼らが何か言う前に――
彼女はスマートフォンを取り出した。
「警察に連絡する」
一秒の沈黙。
その瞬間、空気が大きく変わった。
マキシムはダニルと視線を交わした。
ニキータは眉をひそめた。
ドミトリーはポータルの方を見た。
理解はすぐに訪れた。
もし今ここに軍が来れば――ポータルは閉じられる。
そして、この場所は消える。
彼らの訓練。
彼らの成長。
そして、この世界を理解するためのチャンスも。
ドミトリーは息を吐いた。
「なら……」彼は落ち着いた声で言った。
彼は仲間たちを見た。
「行くぞ」
間。
「自分たちで」
仲間たちの視線が交わった。
そして疲労はまるで消えたかのようだった。
マキシムは剣の柄を強く握った。
「そうだな」
ニキータは短くうなずいた。
「自分たちで閉じる」
ダニルは笑った。
「本当のボスがどれほどのものか見てやる」
そして彼らは走り出した。
戻るために。
ダンジョンの奥へ。
中心へ。
その先に待つものへ。
戻る途中、ゴブリンたちはもう障害ではなかった。
暗い通路から現れても、もはや問題ではない。
短い動き。
正確な攻撃。
無駄のない動き。
グループはほとんど速度を落とすことなく進んだ。
全員が理解していた。
時間がない。
そしてついに到着した。
ボスの部屋。
初日から話していた、あの場所。
広い石造りの空間。
他の部屋よりも高く、暗いダンジョンの大広間。
空気はここでは濃かった。
重かった。
まるで空間そのものが変化しているようだった。
中央には存在がいた。
ボス。
通常のゴブリンのほぼ2倍の大きさ。
皮膚はより暗く、硬い。
長い間ダンジョンの中で生き続けた存在のように、筋肉はより発達していた。
手には、骨と金属で作られた巨大な武器を持っている。
しかし、すぐには襲いかかってこなかった。
ただ見ていた。
「こいつか」ドミトリーは静かに言った。
マキシムは少し息を吐いた。
「まあ……小さい奴らとは違うな」
「でも、不可能な相手ってわけでもない」ニキータが付け加えた。
ボスが先に動いた。
突然。
攻撃の威力は、通常のゴブリンより明らかに高かった。
最初の一撃はドミトリーへ向かった――彼は横へ避けたが、空気の圧力を感じた。
「重いな」彼は短く言った。
戦闘が始まった。
しかし、混乱した戦いではなかった。
グループはすでに1つの存在のように動いていた。
マキシムは側面へ回り、注意を引く。
ダニルは素早く攻撃し、反応を見る。
ニキータは防御を崩せる瞬間を探す。
ドミトリーは中央を維持する。
ボスは速くはなかった。
しかし、強かった。
その一撃一撃が、位置変更を強制する。
その動きのすべてが、ゴブリンとの戦いで作ったリズムを崩してくる。
しかし、奴は1人だった。
そして、それは重要だった。
ボスはマキシムを上から叩き潰そうとした。
しかし、その瞬間、ダニルが横から入り、ボスの体勢を崩させた。
ドミトリーはその隙を利用し、無防備な場所へ攻撃を入れた。
致命傷ではない。
だが、バランスを崩すには十分だった。
ボスは咆哮した。
さらに強く。
さらに怒りを込めて。
鎧へ攻撃を叩き込む。
しかし、それは耐えた。
最後の戦いは短かった。
ボスは力で押し切ろうとした。
しかし、すでにグループは奴に自由な空間を与えなかった。
ニキータが正確に隙を捉えた。
ドミトリーが連続攻撃を終わらせる。
マキシムが逃げ道を塞ぐ。
そしてボスは倒れた。
「思ったより簡単だったな……」ダニルは息を吐いた。
「簡単でもなかったけどな」マキシムが付け加えた。
ドミトリーはボスの死体を見た。
ボスがいた場所には、ただ1つの球体だけが残っていた。
緑色。
均一な光。
ポータルと同じ色合いで輝いている。
彼らはその周囲に立ち尽くした。
数秒間、誰も話さなかった。
全員が意味を理解していた。
彼らはすでにルールを知っている。
ボスの核を取れば――ダンジョンは閉じる。
ドミトリーはゆっくりと息を吐いた。
「選択肢はない」
彼は最初にかがんだ。
他の者たちは互いに顔を見合わせた。
そして1人ずつ、全員で球体に触れた。
それは戦利品としてではなかった。
共通のものとして。
ただの物ではなく。
1つの証のように。
その瞬間、すべてが変わった。
空気が震えた。
石の壁が形を失い始める。
ダンジョンは崩壊しているのではなかった。
消えていた。
停止させられたシステムのように。
急激な変化。
そして彼らは再び建設現場に立っていた。
未完成の建物。
コンクリート。
鉄。
現実の世界。
しかし、静寂は長く続かなかった。
外から声が聞こえた。
足音。
ライト。
「警察だ!全員その場から動くな!」
ドミトリーは勢いよく振り向いた。
「くそ……」
マキシムはすでに動いていた。
「急げ!」
「球体を隠せ!剣もだ!」
ダニルは周囲を見回しながら慌てた。
ニキータは素早く装備の一部を外した。
アレクセイは、まだすべてを理解しきれないまま、彼らを見ていた。
そして、ただ1つだけ理解していた。
彼らはたった今、ボスを倒した。
ダンジョンを閉じた。
そして、その証拠を手の中に持ったまま立っている。
その外では、すでに警察が来ていた。




