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生徒会長はオタク男子を攻略できない  作者: naomikoryo


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第22話 「会長、黒瀬くんを照れさせすぎたかもしれない」

ミレイは悩んでいた。


昨日から黒瀬くんの様子がおかしい。


目を合わせてくれない。

話すと赤くなる。

書類を持つ手が震える。

しかも、時々こちらを見て、すぐに視線を逸らす。


ミレイはリコに相談する。


「私、黒瀬くんに何かしてしまったのかしら」


リコは即答する。


「しました」


「やっぱり?」


「はい。尊い返しです」


「尊い返しは、そんなに危険なの?」


「黒瀬くんには劇薬でしたね」


ミレイは青ざめる。


「薬だったの?」


「比喩です」


ミレイは、黒瀬くんを安心させようと決意する。

そこで放課後、彼にお茶を淹れる。


「黒瀬くん、今日はゆっくりしていって」


アキラは湯呑みを両手で受け取る。


「ありがとうございます。これは精神安定アイテムですね」


「ええ。精神安定アイテムよ」


リコが小声で言う。


「会長、また乗ってる」


ミレイはアキラを見つめる。

彼は相変わらずぎこちない。

けれど、頑張って平静を保とうとしているのがわかる。


その不器用さが、なんだか可愛い。


ミレイは思わず言う。


「黒瀬くんは、素直ね」


アキラの手が止まる。


「素直……ですか」


「ええ。とても」


アキラは湯呑みを机に置き、深呼吸する。


「追撃が来ました」


「追撃?」


「いえ、大丈夫です。まだ立てます」


ミレイは慌てる。


「立たなくていいわ。座っていて」


リコが笑いをこらえる。


「会長、今日も攻撃力高いです」


ミレイは自分では普通に褒めているつもりだった。

けれど黒瀬くんがこれほど反応するなら、言葉を選ばなければならない。


そう思った矢先、アキラが小さく言う。


「でも、嬉しいです」


その一言で、今度はミレイが黙ってしまう。


胸の奥に、ふわっと温かいものが広がる。


(私も、嬉しい)


けれど、それをそのまま言うのは恥ずかしくて、ミレイは湯呑みを見つめるしかなかった。



◆オチ


その日の生徒会日誌。


黒瀬くんは、褒めると固まる。


追記。


でも、嬉しそう。


リコが読んで言う。


「会長、観察対象に恋してますよ」


ミレイは真剣に返す。


「観察ではなく、見守りよ」

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