第19話:「オタク男子、恋を推し活と勘違いする」
最近、アキラは妙な症状に悩んでいた。
ミレイを見ると、胸が落ち着かない。
ミレイに褒められると、一日中気分がいい。
ミレイからメッセージが来ると、スマホを丁寧に置いてから深呼吸する。
アキラは結論を出す。
(これは……推し活に近い)
白鳥ミレイ先輩は、尊敬できる。
見ていると元気になる。
応援したくなる。
距離が近いと心臓に悪い。
つまり、推し。
アキラはトオルに相談する。
「生徒会長を推しているのかもしれない」
トオルは即答する。
「それ恋だよ」
「違う。推しは崇めるもの。恋は付き合いたいと思うものだろ」
「じゃあ会長が他の男子と仲良くしてたら?」
アキラの頭に、烏丸とミレイが並ぶ姿が浮かぶ。
なぜか胸がもやっとする。
「……通信環境が悪くなる」
「それ嫉妬だよ」
「嫉妬は悪役令嬢がするものでは?」
「お前の恋愛知識、ジャンル偏りすぎ」
放課後、生徒会室でミレイと話す。
ミレイが言う。
「黒瀬くん、今日も来てくれて嬉しいわ」
アキラは心の中で爆発する。
(推しから嬉しい認定! これは供給過多!)
思わず口に出る。
「生徒会長は尊いです」
ミレイは固まる。
「とうとい……?」
リコが横から吹き出す。
アキラは慌てる。
「すみません。これは最大級の敬意で」
ミレイは真剣に受け止める。
「ありがとう。黒瀬くんも、私にとって……」
ミレイは途中で止まる。
アキラは息を止める。
「……とても大切な協力者よ」
アキラは少しだけ残念な気持ちになる。
(大切な協力者。なるほど。サポート枠)
でも、なぜ残念なのかはわからない。
◆オチ
帰宅後、アキラは検索する。
推しと恋の違い
検索結果を見て、静かにスマホを伏せる。
「まだ早い。これは高レベル情報だ」




