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生徒会長はオタク男子を攻略できない  作者: naomikoryo


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134/150

第134話 「会長、烏丸くんの本音に少し驚く」

昼休み、リコが面白そうに報告してきた。


「会長、烏丸先輩と黒瀬くんが中庭で密会してます」


ミレイはペンを止めた。


「密会?」


「言い方を変えれば、友情イベントです」


「友情イベント……」


気にならないと言えば嘘になる。


烏丸くんは、黒瀬くんをライバル視している。


だから二人で話していると聞くと、少し心配だった。


喧嘩になっていないだろうか。


黒瀬くんは相手の挑発を挑発と認識しないことが多いので、烏丸くんが一人で空回りしていないだろうか。


そう考えてしまう。


リコは笑う。


「会長、心配する方向が独特ですね」


「そうかしら」


「普通は好きな人と恋敵が話してたら焦ります」


「焦っていないわ」


「じゃあ何ですか」


「黒瀬くんが烏丸くんの言葉を正しく受け取れるか心配」


リコは少し黙ってから言った。


「会長、黒瀬くんの保護者になってますよ」


放課後、黒瀬くんが生徒会室に来た。


ミレイはすぐに聞く。


「昼休み、烏丸くんと話していたの?」


「はい。フレンド審査について」


「フレンド審査?」


黒瀬くんは真剣に説明してくれた。


烏丸くんは、夏休み中に何度か自分たちを見かけていたこと。

それは偶然だと言いつつ、少し行き先を予測していたこと。

花火大会の日、二人が楽しそうだったのを見て、少し置いていかれた気がしたこと。

そして、黒瀬くんのことも少し気にしているらしいこと。


ミレイは驚いた。


烏丸くんが、そんなふうに感じていたとは思わなかった。


「烏丸くん、寂しかったのかしら」


黒瀬くんは考える。


「おそらく、拗ね状態です」


「拗ね状態」


「はい。好感度が下がったわけではなく、かまってほしい状態です」


リコが横で吹き出した。


「黒瀬くん、分析が妙に的確」


ミレイは少し笑った。


「でも、烏丸くんが黒瀬くんを気に入っているなら、よかったわ」


黒瀬くんは驚いた顔をした。


「よかったんですか?」


「ええ。黒瀬くんの周りに、少しずついろんな人が増えているのは嬉しいもの」


本心だった。


最初の黒瀬くんは、どこか一人で完結しているように見えた。


でも今は違う。


トオルくん。

ユナさん。

リコ。

烏丸くん。


そして、自分。


黒瀬くんの世界が少しずつ広がっている。


その中に自分もいることが、嬉しかった。


黒瀬くんは少し照れたように言う。


「ミレイ先輩がそう言うなら、烏丸先輩のフレンド本登録も検討します」


リコが言う。


「黒瀬くん、上からですね」


ミレイは笑った。



◆オチ


その日の生徒会日誌。


烏丸くん、黒瀬くんと友人関係になりたい可能性あり。本人は否定しそう。


追記。


黒瀬くんの世界が広がっている気がする。嬉しい。


リコが読んで言った。


「会長、母性と恋が混ざってきてません?」


ミレイは真剣に考えた。


「どちらも大事に思う気持ちではあるわね」


リコは天井を見上げた。


「この人、天然で深いこと言う」

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