表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【第4部】勇者参上!!~勇者マストダイ! 不適格勇者を直ちに排除せよ!!~  作者: Bonzaebon
第2章 勇者マストダイ!!【誕生、勇者2号! ……逃亡中だけど。】
95/101

第95話 じゃあ、2号ってことで!


「昨日の稽古の後は何か思い出せたか?」



 翌朝、みんなよりも早く目が覚めたので、周囲を散歩していたらフォー・ナイ……改めウィンダムが川辺で佇んでいる所を発見した。せっかくだから、昨日、体を動かした後に何か思い出したか確認してみることにした。こっちから積極的に聞いてやる方が思い出す切っ掛けが増えるのではと考えたからだ。



「いいや。特に何も思い出せなかったよ。」


「それは残念だ。じゃあ、今日も頑張るか。」


「ごめんよ。オイラの名前っぽいのを思い出した後はそれっきりなんだ。」



 あの戦いのあと、コイツは逃亡の途中で気を失った。あの強力すぎる技を使った反動だろうと俺たちは踏んでいる。ある程度、収容所から離れることが出来たところで目を覚ますに至った。その時の第一声が”ウィンダム・ストームメイカー”だったのだ。急に何を言い出すのかと思えば謎のワードだったのである。


 特にそういう地名があるとか、魔法があるというわけでもなかったので、本人の名前だろう、ということにしておいた。名前が”フォー・ナイン”なんて数字の羅列じゃ面白くないしな。なにかの番号みたいじゃ、それこそ囚人みたいじゃないかってことで、そう呼ぶことにしたのだった。



「まあ、あんまり焦らなくてもいいぞ。ゆっくり思い出してくれればいい。」


「う、うん。そうさせてもらうよ。」


「思い出すだけじゃなくて、憶えないといけないこともあるからな。」


「ああ。お面の先生から槍の使い方を教えてもらってるしな。忘れないようにしないといけない。」



 レンファさんというかヘイフゥに弟子入りするような形になった訳だが、あの人にとっては二人目の弟子ということになるのかな? いや、その前にも二人いたか? 大武会で知り合った暗殺者の娘が二人いたはずだ。あの二人は槍を使っていた訳ではないから直の弟子ではないのかもしれない。今は梁山泊に保護されて修行中だそうだが。



「オイラの事は思い出せないから話せないけど、代わりに君たちの事をもっと聞かせておくれよ。仲間の事を知っておきたい。」


「ああ、そうだな。まだ軽く紹介しただけだったな。改めて自己紹介する。俺は勇者ロアだ。」


「そういえばみんなそう呼んでるな。”ユウシャ”って。それって最初は名前かと思った。」


「ああ、”ユウシャ”さんね? 確かにそういう解釈も出来るな。でも違う。これは称号名だから名前ではない。」



 あまりにも他から勇者、勇者って呼ばれてるから勘違いしてしまっていたようだ。そういう概念なんて考えたことがなかった。もしかして勇者という概念がない、もしくは知らない地域からやって来たのかもしれない。俺だってそうだ。外国の事について書かれた文献でも読まない限りは知ることもなかっただろう。そんな俺でも”勇者”になることになったのだ。運命っていうのは不思議なものである。



「”勇者”っていうのは何をする人なんだ? なにか隊長とかみたいな役割の人なのかな?」


「うーん、簡単に言えば世界を救うためにみんなの先頭に立って戦う人の事、って感じかな?」


「世界のために? 凄いじゃないか! しかも先頭に立っているんなら”みんなの隊長”みたいなもんじゃないか!」


「隊長か? 確かに言われてみれば世界的な隊長と言えるのかもしれないな。今まで、そんな発想なかったわ。」



 世界を守るために戦うみんなの隊長……そう考えるとなんか気恥ずかしくなってきた。俺は隊長として戦っているような存在だったんだな、ということを改めて実感した。しかし……隊長という単語が出てくるあたり、この男はどこかで兵隊とか騎士団に所属していた可能性もあるんじゃないか? そういう単語が出てくるんなら十分あり得る話だろう。ガタイも良くて、武術の心得もあるみたいだし……、



「お前、もしかして、軍隊とかにいた経験でもあるんじゃないの? 隊長なんて単語がしれっと出てくるあたり、その可能性もあるんじゃないか?」


「軍隊……か? そうなんだろうか? 隊長って言葉も何気なく頭に浮かんできただけなんだ。何が切っ掛けで出てきたのか……わからないんだ。」


「ん、ああ、そうか。思い出せないんなら無理はしなくていい。もしかしたら、ってなんか思い浮かんだだけだから。」



 本人は自覚はないんだろうけど、”勇者”という単語に反応して飛び出てきた単語なのかもしれない。でも、隊長という単語自体はヘイゼルや処刑隊の連中がよく使っていた単語だ。アイツらの会話を聞いて憶えていただけなのかもしれんな。はは、結局正体については振り出しに戻ってしまった訳だ。とほほ……。



「まだ何も思い出せないけど……君みたいな人になりたいと思った。みんなから慕われてるみたいだし、オイラもいつかそういう男になりたい!」


「そうか……。結構大変だぞ。逃げ出したいって思うときもあるかもしれない。っていうか、今の俺は立派な逃亡犯だって事をおもいだしたよ!」


「ああ、そうだった。オイラもイツキたちも逃亡犯だった! それでもオイラは勇者を目指したい!」


「じゃあ、名乗るか? 勇者の称号を? じゃあ……お前は今日から”勇者2号”だ!」


「2号! オイラは今日から”勇者2号”だ!」



 なんかその場のノリで”2号”なんてのを勝手に作ってしまった。別に気にしなくてもいいか。何もないよりはなにか自負を持って行動した方が、プラスの成長をもたらす可能性がある。これから俺が”1号”、ウィンダムが”2号”って事で活動することにしよう! でもその前に”逃亡者1号・2号”だろと、方々から突っ込まれるかもしれんな……。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ