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【第4部】勇者参上!!~勇者マストダイ! 不適格勇者を直ちに排除せよ!!~  作者: Bonzaebon
第1章 勇者マストダイ!! 【勇者なのに……〇〇されました。】
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第85話 巻き込まれるなんて、もっての外ですからね。


無限の正義インフィニット・ジャスティスの真価を見せてあげますわ!!」



 武器とは思えないほどのオーバーサイズになった戦槌は一振りで俺達を屠れそうな迫力を持っていた。アレを振り回されたりしたら、大変な事になる! 俺やヘイフゥ、タンブルはともかく、タニシ達クロガネ団の連中にも気を配らないといけない。なんとかアレを使わせないようにしなくては……。



「では、私はヘイゼルと共に離脱させてもらいます。後はお願いしますよ、オードリー。」


「ええ。命に代えても罪人を裁いてみせますわ!」


「待てよ、シャルル!」


「待ってなどいられませんよ。巻き込まれるなんて、もっての外ですからね。」



 シャルルはオードリーに俺達を押さえるよう指示した後、タンブルの制止を振り切り瞬間移動をしてヘイゼルの所へ行ってしまった。ブレンダンがまだ気を失っていると言うのに彼女の治療行為を中断させまでした。そして、中断させられた事に抗議する彼女の手を取り、さっさと転移の魔法で姿を消してしまった。どうやらブレンダンまでもが見捨てられてしまった様である。



「なんで、シャルルは出て行ったんだ?」


「当然、シャルル様やヘイゼルを巻き込まないためですわ。」


「巻き込むって何だよ?」


「貴方達はもれなく全て命を落とすことが確定しているからですよ!」



 不可解だった。シャルルはもしかしたら、これから振るわれる戦槌に巻き込まれないために待避したのかもしれない。しかし、それだけというのも何か引っ掛かる。それなら遠く離れるくらいで済むはずなのだ。ヘイゼルまでわざわざ連れて行くということは、この異空間で何か恐ろしい事が起きる前触れなのではないかと思った。



「さっさと潰れてしまえば、余分な心配などしなくても済みますのよ!」


(ゴウッ!!!!!)


「みんな伏せろぉ!!」



 戦槌は横薙ぎに振るわれた。これまでの流れなら自分だけに気を遣っていれば良かったが、今はそういうわけにはいかない。戦槌がデカすぎるせいで、周囲一帯全てが巻き込まれてしまうため、全員に回避行動を促さないと全滅してしまうからだ。と、思っていた矢先に戦槌の動きが途中で止まった。よく見れば戦槌の柄の部分を受け止めている黒い影がいたのだ。



「うおおおおっ!!!!」


「た、タンブル!?」


「おのれ、魔王! ワタクシの戦槌を受け止めるなんて!」


「行け、勇者! 今のうちに攻撃しろ!!」



 俺は言われるがままにバ・ゴーンの懐へと飛び込んでいった。迷っているヒマはない。タンブルが受け止めている間なら、少なくとも攻撃は来ないし、防御も疎かになっているはずだからだ。比較的短時間だったため、大技の溜めを作っているヒマもないのでシンプルな技、破竹撃で戦槌を持つ腕を切り飛ばした!



「うぎゃあああっ!!??」


(ズゥゥゥゥン!!!!!!!!)



 腕を切り落としたので、戦槌はそのまま地面に落下し、すさまじい地響きを引き起こした。大きくなっていたから、それなりの質量はあると推測は出来たが、想像以上だった。まるで建造物が崩れ落ちたときのような、いや、大きめの地震並みの揺れが発生したかのようだった。バ・ゴーンは腕を切り取られたダメージの痛みに悶え苦しんでいた。



「やった! このままオードリーを斬ってしまえ!!」


「ああ、わかってる!」


「うあああっ! 痛い、痛いぃぃっ!!」



 さっきは降参させる方向で動いていたが、この戦槌の恐ろしさを目の当たりにしてしまったため、考えを改めた方が良さそうだ。俺がそうしようとも、躊躇っていればタンブルが止めを刺してしまうのも時間の問題だからだ。彼なら恐らく躊躇いなくそういうことを実行するであろうと思ったからだ。迷っているヒマは……、



(ミシ、ミシッ!!!!!)


「なんだこの音は!?」


「見ろ! 地面にヒビが入っているぞ!」


「おほほ! 揃ってお馬鹿さんですわね! わざと斬らせた事に気付かないなんてね! はじめからこれを狙っていましたのよ、ワタクシは!!」



 まさか地割れを起こすために……? 最初見たときは地割れが起きた程度で済んでいたが、今は空間その物に微細なヒビが生じている! わざと切り落とさせることで、戦槌を地面に落として破壊するのが目的だったとは! 俺たちは嵌められたのか!



「こちらが正しいと熱心に念ずれば壊せないものはないのです! それがゴッドフリート・オブシディアン! そして、その力を増幅するのが無限の正義インフィニット・ジャスティスの力なのですわ!!」


「チイッ!? このままではこの空間が崩壊する!」


「早く脱出しないと……!?」


「決して逃がしませんわ! 特に勇者、貴方だけは!!」



 脱出するために”異空跋渉”を放とうとした瞬間、義手は数本の棘によって串刺しにされてしまった! その根本を見てみれば、オードリーの右腕、切り落とされた部分から棘を伸ばして攻撃してきたのだとわかった。これを抜かない限りは技を放てない!



「終わりですよ、勇者! 貴方は道ずれにして上げますわ! この状態では異空間移動の技は使えませんものね!」


「ちくしょう!!」



 タンブル達なら脱出する手段を持っているだろうし、ヘイフゥも俺と同じ技を使えるから心配はない。しかし、俺を助けに入ったりすれば……間に合わなくなるかもしれない! それならいっそのこと、俺がバ・ゴーンを押さえている間に脱出してもらうか……?

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