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【第4部】勇者参上!!~勇者マストダイ! 不適格勇者を直ちに排除せよ!!~  作者: Bonzaebon
第1章 勇者マストダイ!! 【勇者なのに……〇〇されました。】
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第84話 志半ばで倒れる訳にはいきませんのよ!


「むむむ! 無念ですわ! 身体を斬られるなんて!」



 今のは普通に破竹撃を放っただけで、八刃ではない。単純にブレンダンとの戦いで疲労していたから、全力の技が出せなかったのだ。せめて、相手のの無力化を、と思い戦闘不能な状況に追い込んだ。これですんなり降伏勧告を受け入れる相手ではないが、まだ戦っているシャルルを止める為にもそうしておきたかったのだ。



「大人しく降参してくれ! これ以上戦っても、アンタ達が不利になるだけだ!」


「馬鹿な事を! 貴方達に負けを認めるということは教団の負けを意味しますのよ! 教団の威信を賭けてでも貴方達を討ち滅ぼさないといけませんのよ!」


「立ち上がることも出来ないだろ……。」


「いいえ! 立ち上がれますわ! 志半ばで倒れる訳にはいきませんのよ!」



 バ・ゴーンは腕で上体を起こし、腰の辺りから突出させた棘を伸ばし始めた。これで何をするのかと思いきや……その棘で腰の部分を浮かせてゆっくりと起き上がり、最終的には立ち上がるところまで持っていった! なんと、棘を足の代わりにして起き上がってきたのだ! まるで虫とか足の多数ある生き物の様に細い棘を足にしているのである!



「棘でそんなことも出来るのかよ……。」


「本来想定した使用法ではありませんが、応用をすれば足の代わりにもなるということです! ワタクシの教義への情熱、正義の心を以てすれば不可能なことなど御座いませんのよ!」



 恐るべき執念だ。周囲にいるヘイフゥやクロガネ団の連中でさえドン引きするほどの事態に発展した。バ・ゴーンは棘の足でゆっくりと歩き、愛用の戦槌を拾いに行った。当たらないからという理由でほっぽり出していた武器を再び使う決意をしたのだろう。棘は足の代わりに使ってるしな。


 しかし、ここで疑問に思ったのは、戦槌が棘に反応しないのは何故なんだろう? アレも金属である以上は、棘の防御が誤作動を引き起こしそうなものだが……。



「なあ、一つ聞いていいか? その戦槌が棘に反応しないのは何でなんだ?」


「フフフ、これも工房(ファクトリー)職人(マイスター)《マイスター》の皆さんの技術の賜ですわ。|引き寄せの力(※磁力のこと)を|無効化する(※非磁性化)コーティング処理を施してあるのです。」


「なんだよ、そのミラクル技術は!? 工房(ファクトリー)の技術力やべーな!」


「むしろ、それを見破った貴方達の方がおかしいのですわ! 棘の秘密は貴方達の想像通り引き寄せの力を応用してますのよ。これを見破られたのは非常に悔しい思いですわ!」



 ああ、なるほど。特殊なコーティングをしてましたって事ね。しかしトンデモない技術である。金属の中には磁石に付かない物があるとは聞いたことがある。それを粉末にするとかしてくっつけてあるんだろうか? 後からそんな性質を持たせる事も出来るんだな。


 義手とかの製造技術といい、工房(ファクトリー)ってのは相当ヤバいテクノロジーを持っているんだな。明らかに魔法に対抗している様にも見えるんだが、どんな連中なんだろう? 気になるな……。



「オードリー! そろそろ仕上げにかかりますよ!」


「シャルル様! 申し訳ありません! ワタクシは失敗を犯してしまいました!」


「ブレンダンに続いて、あなたまでこうもやられてしまうとは……。ですが、切り札を使う分には問題ありません。」



 シャルルはどうやってタンブルを切り抜けたのかバ・ゴーンの元へとやってきた。遅れて、タンブルもやってきたが、かなり疲労しているように見える。棍棒の輝きも鈍くなっているし、何かしら弱体化工作でも食らってしまったのかもしれない。シャルルも多少、消耗している様なので、そろそろ撤退を考えているのは間違いなさそうだ。



「これで最後としますよ、皆さん。あなた方の必死の抵抗などに付き合っている時間なんてないんですよ。正直、泥仕合なんて勘弁願いたいので。」


「旗色がわるくなったから、逃げるかよ? 元勇者のクセに?」


「あなたも未熟な魔王ではありませんか? 青臭すぎて魔王の風格が足りていませんよ。それに私はあくまで”元”ですからね。今は勇者であろうとする必要はないんです。少しは大人な対応……大局的な物の考え方をする必要があるのですよ。いつまでも、夢物語を演じていては何時までも、世の中がよくなりませんからね。」



 シャルルはタンブルに対して青臭いという評価を下しているようだ。多分、タニシと年はあんまり変わらないみたいだから、年増な、あの男にはそう見えるんだろう。とはいえ……シャルルの発言は俺にとってはショックな話だ。


 勇者としての役割を担っていた人間とは思えないくらいに冷淡な考え方を持っていたからだ。あのカレルの師匠がこんな人だったなんて……。彼も何かしら師匠に疑念を抱き始めていたと言っていたから、複雑な思いをしていたに違いない。



「お任せ下さい、シャルル様! ワタクシがこの命に賭けてでも、ここにいる罪人達全てに裁きを下して見せますわ!!」


「ええ、任せましたよ、オードリー。あなたの正義を罪人達にぶつけて見せなさい。」



 何をするのかと思いきや、バ・ゴーンは手にした戦槌を掲げて見せただけだった。……だと思っていたら、異変が起きた! 戦槌が、戦槌の大きさが明らかに大きさを増していっているのだ! ドンドン膨れ上がり巨大化していっている! 最早、手で持つ武器の範疇を超え、本体が武器の付属品みたいなサイズ感までになり立場が逆転してしまった! これは大変な事になってきたぞ!

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