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【第4部】勇者参上!!~勇者マストダイ! 不適格勇者を直ちに排除せよ!!~  作者: Bonzaebon
第1章 勇者マストダイ!! 【勇者なのに……〇〇されました。】
76/100

第76話 ”秘”奥義、炸裂!?


杭打ち(パイル・バンカー)に拳なんぞが敵うものか!!!」



 拳と杭の切っ先が衝突する! その瞬間に衝撃波が炸裂し、視界を妨げる程の激しい火花をもたらした! 端から見ていれば確実に負けるのは俺の方だと思うだろう。俺もそう思っていた。しかし、その予想を裏切るような事態が発生した!



(バッッキィィィィン!!!!)


杭打ち(パイル・バンカー)が負けただとぉ!?」



 杭はへし折れた! もちろん俺の義手も無傷とは言えない。痛みだけはしっかりと感じる。だけど、その痛みも無視して腕を更に前へと繰り出していく! 相手の義手を貫き粉砕しながら突き進み相手の顔へと到達した瞬間、拳が爆ぜた!



(バキャァァァッ!!!!)


「拳が砕けた!」


「まだだ! まだ終わらんぞ!!」



 ブレンダンは拳が砕けた隙を狙って左拳を振り上げていた。このままでは殴られてしまう、と思った俺は今の体勢から最短で繰り出せる攻撃を選択した。左腕を今から振りかぶっていては間に合わない! 義手も砕けて使い物にならない! じゃあ、攻撃に使うのは……頭だ!



「極端派”秘”奥義、”頭潔岩砕(ずけつがんさい)”!!!」


(ガコォッ!!!!)


「がはっ!!!」



 頭に凄まじい衝撃が加わり、視界と意識が一瞬ぼやけた。攻撃に頭を使った、頭突きで相手の頭を強打したのだ。そうなって当然だった。だが一か八か決死の攻撃を繰り出した甲斐はあった。ブレンダンの巨体は大きくよろめき、次第に姿勢を保てなくなり、その場に後ろ向きでぶっ倒れた。



(ドォォオン!!)


「ごはっ!!」


「隊長!?」



 ブレンダンが倒れると共に、離れた所で見ていたヘイゼルが駆け寄ってきた。彼女は急いで、回復魔法を使うための魔力集中させた。その気配を感じたのかブレンダンは少し上体を起こして俺の方を見た。よろよろと今にも力尽きそうな感じなのに……。



「ま、まだ続けるのか……?」


「あ、ああ、続ける……と言いたいところだが……、」


「隊長! もう止めてください!」


「心配するな……。もう、俺が戦っても勝てるとは言えないぜ……。」


「じゃ、じゃあ……?」



 傷付いた体で上体を起こしたため、俺は身構え、ヘイゼルが止めようとしたのを見て、ブレンダンは否定した。まだ起き上がれるが、戦う意思はないと言った。俺との戦いを諦めたというよりも、ヘイゼルの事を気遣ったのかもしれない。彼女の悲痛な声を聞いて、心配させまいとしたのかもしれない。



「お前の……勝ちでいいぜ。これ以上、この状態で戦っても往生際が悪くなるだけだ。剣も杭も義手も全部壊れちまったからな。」


「なんだよ……。俺に諦めるなとか散々煽っておいて、それかよ……。」


「フン! お前と違ってな、臆病風に吹かれたわけじゃないぜ。お前にはまだ、この後があるだろうが!」


「あっ!?」



 俺はその言葉でハッとなった。その通りだ。ここでは俺たちだけじゃなく、他にも仲間が敵と戦っているのだ。まだシャルルとオードリーという強敵が残っているのだ。それを今まで……忘れていた。ブレンダンとの戦いに没頭している内に周りのことを忘れてしまっていた。



「敢えて余力を残したままにしておいてやる。あとはなんとでもしろ。」


「散々俺の武器を破壊しておいて、そりゃないよ……。」



 頭はくらくらするが、なんとか五体満足ではある。体力的にも問題はない。でも武器が全部壊れてしまった。これじゃまともに戦えないかもしれない。再生するにしたって少し時間はかかるだろう。この後の方こそどうすればいいんだという感じだ。



「悉く俺の全てを破壊してくれたな。俺の完敗だ。もう悔いはないぜ。だがな……、」


「だが? 何……?」


「最後の一撃が頭突きかよ! 頭突きを決め技にする勇者なぞ、今まで聞いたことが無え!!」


「しょうがないだろ。あの瞬間、迷っている暇なんてなかったんだ。」


「だがな、それでいい! 男ってのはガムシャラな方がいい! 考えるよりも先に行動するのが一番なんだよ!」



 確かに勇者として、それはどうなのか、と思う。なにも武器がないからといって頭突きを最終兵器として使うのは格好がつかないな。もっとまともな勇者なら「頭突きしかやることがない」状況になるはずがないのだ。やっぱ、俺、勇者向いてないのかも……?



「というわけで、俺たちの戦いは終わりだ。俺はこれからしばらく寝る。起きたときにやられてたりしたら、絶対許さないから、な……。」


(ドサッ!!)


「た、隊長!?」



 俺から駄目押しの一撃を食らったというのに好き勝手言いたい放題してから、ようやく事切れた。なんてタフなヤツだ。急に倒れてしまったため、ヘイゼルがより必死になって回復魔法を使い始めた。この二人はしばらく放っておいても大丈夫そうだ。



「ホホホ! どうしましたの? 先程の威勢はどこへ行ってしまわれたのですか?」



 遠くを見てみればオードリーが圧倒しヘイフゥを追い詰めているようだ。あの人が膝を付かされる事態になるなんて、とんでもないことだ。よく見ればオードリーの……戦槌が大きくなっている……? 目の錯覚か? いや、それにしては様子が……?

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