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【第4部】勇者参上!!~勇者マストダイ! 不適格勇者を直ちに排除せよ!!~  作者: Bonzaebon
第1章 勇者マストダイ!! 【勇者なのに……〇〇されました。】
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第73話 脱出不能!? 断頭台スペシャル!!


「うわあああっ!!!」


「四発!! 今度は更にあと二回は打ち上げてやるぞ!!」



 俺の体を捻るように打ち上げながら、計四回のセットを食らってしまった。しかもまだ続けるつもりらしい。回転を加えれば加えるほど、相手の脱出を困難なものに出来るからだろう。前のは妨害を受けて失敗したのだから、二回目は念入りに準備をして技を炸裂させるつもりなのだろう。



「うおおっ! サセナイ! コロサセナイ!!」


「来やがったな! 今回も!」



 4回目の打ち上げを食らって空高く飛ばされてしまった俺は、下の方でブレンダンに急速接近するフォー・ナインの姿を目撃した。その事を予測していたのか、ブレンダンは迎え撃ちヤツをなんなく弾き飛ばしてしまった!


 思った通り、この男には二度も同じ手は通じない。恐らく念入りに俺を打ち上げたのは、片手間でも十分に邪魔者を対処できるようにするためだと思う。そしてまた、俺の落下と共に五回目の打ち上げを行うのだった。



「フォー・ナイーン!!」


「五発! 無駄だぜ! お前の仲間が再び邪魔に来るまでの間にお前の首は落ちる! もう地獄への入場カウントダウンは始まってるんだよぉ!!」



 宣言通りなら次の打ち上げが最後だ。今度こそ本当に死ぬ! それまでになんとか脱出したいが……いい加減もう目が回ってきた。打ち上げられる度に加えられる回転の強烈さに目を回すのを防げない! これが脱出を困難にするための行為だということが身に染みてよくわかった。ただ力任せに相手をお手玉状態にしているわけではないのだ。



「六発! さあ最後だ! これからお前の首を落としに掛かるぜ!!」



 打ち上げて頂点を過ぎてから、再び落下に入るタイミングで相手の首へ刃を当てに来る。その段階まで技が進行してしまうと本当に脱出の機会は完全になくなるのだ。それが分かっていても体は自由に動かせなかった。目が回ってどちらの方向を向いているのかさえわからなくなってきた。その間に冷たい感触が俺の首に触れた。



「最終段階だ! 断頭台スペシャルNo.1……、」



 気付けばもう、技の名前を言う段階になっていた。このまま技の宣言と共に俺は命を落とすのだ……。でも、以外とさっきよりは意識がハッキリしているような気がする。刃が当てられ固定された事で回転が止まったからか……? かといって、ここからどうやって切り抜けるのか、全く思い浮かばない……、



(ズドォン!!!!!!)


「な、何ィ!?」



 地面に落ちた衝撃? この謎の衝撃と共に俺の首もとに刃が押し当てられ、鋭い痛みを感じた。これが……首を斬られた時の痛み? 首を斬られた時は、その瞬間に命を落とすと考えられていたため、却って痛みを与えずに処刑することが出来る、と昔から言われていたが、実際は痛いじゃないか! と誰に対して抗議しているんだと思っている内に地面に背中が叩きつけられる激しい痛みを感じることとなった!



「ぐへぇ!!??」



 決して勇者が上げるとは思えないような悲鳴が自らの口から発せられた。しかしそんなことを気にしている余裕はなかった。とにかく、痛い! 背中が! 腕が! 足が! 受け身を取ることすら出来ずに地面に叩きつけられたため無防備にダメージを負ってしまったのだ。さっき感じた首筋の痛みなんて吹っ飛ぶくらいに……って首はまだ俺の体から離れていない?



「一度のみならず、二度までも! やってくれたな!!」



 俺とは少し離れた場所でブレンダンが激昂している。俺に止めを刺せていたはずなのに失敗した? なぜ? またしても、フォー・ナインが妨害したのか……と思いきや、ヤツはもっと離れたところで倒れている。何が起きたんだろう、あの瞬間に……?



「先に落とすべきは首じゃなく、その義手だった! その義手にまんまとやられた!」


「ぎ、義手……?」



 俺の右手、義手の方を見てみれば……伸びきった状態で固まっていた。これは、謎の伸縮機構を利用して繰り出されるパンチが使用された後に見られるものだ。かといって、俺自身は使用した自覚はない。でも、落下した瞬間に感じた謎の衝撃の正体はこれの仕業だとすれば納得がいく……。



「それが落下の瞬間に……爆ぜやがったんだ! その義手のパンチで落下の勢いを相殺しやがったんだよ!!」


(ビシッ……バキバキッ!!)


「な!? 俺の剣が!?」



 状況的に俺の義手が無意識的にパンチを繰り出して、難を逃れたと解釈した方がいいようだ。ブレンダンもそう言っているのだから間違いないだろう。そして今、ヤツの剣が急に音を立てて砕け散った。落下の衝撃に耐えられなかったのだろうか? いや、違う。あの時、俺の技を返した時にヤツの剣にもダメージを負わせていたんだ!



「俺の剣だって壊れたんだ。強度とか大きさ、重さで負けていたのだとしても、その剣でも俺の技には耐えられなかったようだな……。」


「クソッ! あんな柔な剣で俺の処刑具を!!」



 なんとか俺はヤツの処刑技から逃れることは出来た。お互い手持ちの武器がなくなっておあいこな状況に持っていくことが出来た。しかし、まだ相手の方が優位にある。なぜなら、あの義手は殺意の固まりとも言える代物だからだ。

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