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【第4部】勇者参上!!~勇者マストダイ! 不適格勇者を直ちに排除せよ!!~  作者: Bonzaebon
第1章 勇者マストダイ!! 【勇者なのに……〇〇されました。】
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第65話 外野は黙ってな!


「憶えているか? 次に戦う時はお前の奥義を破ると宣言したことを。」


「ああ、確かに言ってたな。挑戦を受けたことと同じくらいに憶えていたぞ。」



 そういえばそんなことを言っていたような気がする。奥義と言っても”勇者の三大奥義”のことではないだろう。アレは古くからこの国の人々に知れ渡っている技なので対策自体はいくらでも講じられていたはずだからだ。


 ブレンダンはそんなありきたりな事を宣言してまでやるような男ではない。だったら何をするか? 俺の奥義、即ち”八刃”を破る事を宣言したと解釈している。



「俺は必ず宣言を果たし、お前を倒してみせる。」


「ハハ、何を言いますか! 狂戦士の兜(バーサーク・ヘルム)に身を委ねていれば、そんなこと容易に実現できたんですよ? 勘違いにも程がありますよ、ブレンダン?」



 シャルルは兜無しでブレンダンに勝ち目はないと言っている。あんな物を用意してまで操り人形にしていたんだから、アレ自体が不要な物だと思いたくないんだろう。でも、それは思い違いだ。ブレンダンという男の本質を読み違えているようだ。


 シャルルはアイツのことをただの脳筋ファイターと思い込んでいる。本人の頭が良いから大したことのないように見えるんだろうけど、俺からしたら十分に知的な戦い方をする男だと思っている。あの兜を使えば色々ポテンシャルが向上するのかもしれないが、肝心の知性やテクニックの部分が生かされなくなるのでかえって弱体化していたと思う。



「うるせえ。外野は黙ってな! テメエのようなインテリ野郎の出る幕じゃねえんだよ! 男同士の戦いに口を挟んだり、手を出したりしたら、テメエの命がないと思え!」


「しくじり勇者はオレが黙らせとくから、アンタ達はゆっくり楽しんでなよ。容赦なくすり潰しとくから。」


「弱体化を受けた魔王等に負ける私ではありませんよ!」



 シャルルが余計な口出しをするのを防ぐためにタンブルが動き出した。俺やブレンダンの横を通り過ぎてじりじりとシャルルに迫っていった。しかしタンブルは大丈夫なんだろうか? 見るからに弱っている様に見えるのだ。


 他の所で見たときのように溢れ出すようなオーラには陰りが出ているし、何しろあの棍棒から立ち上る力も弱まっている。心なしか、あの棍棒が一回り小さく見える。見れば何か付着しているではないか。陰りの原因はアレかもしれない。



「余計な邪魔は入ったが、さっさと始めるぞ!」


「ああ!」



 タンブルの事が少し心配だが、そう簡単には負けないだろう。魔王を信じなくてどうするんだ? 一人の人間に負けることなんてないはずだしな。俺は心を切り替えてブレンダンとの戦いに専念することにした。猛然と立ち向かってくるブレンダンと戦うなら他事を気にしているヒマはない!



「オラぁっ!!」


「くっ!」



 物凄いスピードの打ち込みが次々と襲ってくる! パワーとスピード、両方とも規格外の攻撃が俺を粉砕しようと圧倒的なプレッシャーを纏って降りかかってくるのだ! 勢い自体はさっきよりも控えめになっているが、その分、技巧が凄い。理性を失った力任せだけの攻撃とは違い。的確に俺の逃げ場を失くす勢いで放たれてくる。しかも手にしているのは俺の体よりも大きな剣で遜色なく行っているのだ。これがブレンダン、審問会の”断頭台”を名乗る男の真骨頂だ!



「俺の本気の攻撃についてくるとは、お前も大したヤツよ!」


「大したって、ついていけなかったら、アンタの挑戦なんか受けたりしない!」


「そのチビな外見で何秒も生き残れる時点で普通じゃないんだよ、お前は!」



 ブレンダンは見た目が典型的なパワータイプで動きが鈍重だと勘違いされがちだ。それが当てはまるのはコイツの部下のカボチャ兜くらいなもので、実際は違う。筋力が凄い人間はスピードも桁違いなんだ。その筋力が爆発的な瞬発力や反応に対応できるだけの能力を授けているのである。だから色んな意味で高次元な戦い方ができるのだ。



「さあ、あの技を使いたくなったろう? 使わねえと俺が倒せないってのが段々わかってきただろうよ!」


「藁にもすがりたい気分だけど、技の準備をする暇がないんだよ!」



 そう、いつでも気軽に放てる技でもない。それも奥義の段階がなればなるほど、多大な集中力や精神力が必要になってくる。しかも準備だけでもない。放ったあとの隙も大きい。あれはほぼ一撃必殺な事を前提にしている技なのだ。あの技で決められないということは、敗けや死を意味しているのだ。



「だったら、その機会を与えてやろうか?」


「なっ……と、と!? 急に止めるなよ!」


「お前の奥義、”八刃”で来い! 宣言通り、きっちり返してやるぜ!」


「むうっ!」



 ブレンダンは嵐のような連撃を中断した。あれだけ激しかった攻勢をいきなり止めたのだ。俺が奥義を出す暇すらないというのを真に受けたのか、意外な行動を見ることとなった。これは誘いに乗るべきかどうか? やるにしても手痛い反撃を覚悟しておかないといけない。潰されるとは夢にも思っていないが、コイツが言うんだから用心しておいた方がいいだろう……。

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