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【第4部】勇者参上!!~勇者マストダイ! 不適格勇者を直ちに排除せよ!!~  作者: Bonzaebon
第3章 勇者マストダイ!!【聖都、燃ゆ。】
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第236話 あの新人、何なん?


「なあ、マイケル? アイツ、本当に大丈夫か?」


「副団長、本音を言うとですにぇ……ちょっと心配ですにゃ。あの子の良心を信用するしかないですにゃあ。」


「相手の良心任せかよ……。」



 最近入ったとかいう新人を見て俺は珍しく心配になった。下っ端に雑用を押し付けるのはどこの組織でもありがちな風習だが、あそこまで反抗的なヤツは初めて見た気がする。誰でも若いときは反抗的にもなったりするもんだが、それは心の内に留めておくことが大半のはずだ。そもそもなんでそんなヤツを加入させたのか気になるところだ。



「アイツの名前は?」


「テス・ココですにゃ。でも、本名かどうか怪しいですにゃよ。」


「まあ、そうだと見て間違いないだろう。正直ここにいるのはどこか脛に傷のあるヤツばかりだけどよ。とりあえずここに来た経緯を聞かせてもらえるか?」


「あの子は行き倒れてた所を団員が保護したのが始まりですにゃあ。その後、ずっと居着いて仕方なく入団扱いにしたんですにゃ。」


「行き倒れか……。」



 行き倒れが来るなんて話はたまにある話だ。でもしばらくしたら大体はひっそりと姿を消していなくなるもんだ。それが居着いて、団員扱いせざるを得なくなったわけだ。


 ここでは団員ならタダ飯を食えるわけだから、金の当てがなければ居着くという選択肢も悪くないだろう。それなら負い目を感じて素直に従うもんだが、あんなに反抗的とはな。ただただ図々しいだけなのか、大物になる素質があるのか、そのどっちかだろう。



「女の子で行き倒れ……家出とかしたんじゃない? あの子?」


「どうしてそう思う……って、その前にアイツは女なのか?」


「え? 女の子でしょ? ニオイでわかったんだけど?」


「確かに女の子ですにゃ。男扱いしたら、キレられた時に発覚しましたにゃあ。」


「マジかよ……。てっきり男だと思い込んでたぜ。」



 ここでいきなり性別を勘違いしていた事に気付いた。キョウナは匂いだけで判別出来たようだ。マイケルもそれが正解だと言っているので間違いないだろう。キョウナだけがわかったのは女の勘と言うヤツか? それはともかく、俺達コボルトの場合、種族によってはある程度成長するまで性差が現れにくいというのもあるしな。特に小柄な種族ほど顕著だとは思う。



「というか、家出の線も考えられるか? あの歳でこの街育ちなら何かしら手に職付けてるだろうしな。食い扶持ぐらい自分でなんとか出来てるって考えりゃあ、あり得る話かな。」


「見た感じ毛並みも良かったし、育ちがいいんじゃない? こういう所で育ったらあそこまではならないと思うよ。」


「それは間違いないですにゃ。この街には今までいなかった、余所者ってみんなも言ってますニャア。」


「家出の果ての行き倒れか。なんだかんだ反抗的でもココにすがるしかないってことは、そういうことなんだろうな。」



 どこかの良いとこのお嬢の可能性があるのか。家の意向に反発して、何の考えも無しに家を飛び出したとかそん感じか。ていうか、男ならよく聞く話だが、女でそんなケースをあまり聞いたことがない。


 あるとすれば良くて男と駆け落ちとかだろう。よっぽど親に決められた婚約者とくっつくのがイヤだったとか、厳しい教育に耐えられなかったとかそんなところだろうな。反抗的な態度からすると大分、気が強く行動力があると見える。


 だが、少々オツムの方はよろしくないな。行き倒れになってる次点でお察しくださいなレベルと言える。行動力はあるが感情に流されすぎている感はある。



「いいじゃないか。将来有望だね。気に入った。」


「リーダーとしてはその所管かよ。教育するヤツが一番のとばっちりを受けるんだぞ? 言うだけなら容易いが、フォローを忘れるなよ?」


「わかってるさ。最初からそのつもり。アイツをオレ達主力チームのメンバーに加える。」


「チームに加えるだと? お前、正気か?」


「にゃんと! 大抜擢ですにゃ! 新人が団長の側働きにぃ!」



 タンブルのヤツ、しばらく口出ししないと思っていたら、口を開いた途端とんでもないことを口走りやがった。しかも俺達主力のチームに加えるだと? あんな命令を聞かなそうなヤツを手元に置いて大丈夫か?


 それとも、ヤツを特攻使い捨てにするんじゃなかろうな? 厄介者を文字通り厄介払いするには打って付けだが、タンブルが人材を使い捨てる様な真似をするヤツじゃない。どういう心づもりなんだ?



「一度手元に置いて、素質を見てみる。なんとなくだけど、アイツ、結構、伸びると思うんだよね。」


「えらく買ってやがるな?」


「コレも”魔王の勘”ってヤツだよ。」


「そんなの聞いたことがねぇよ……。」


「ある意味当たりですにゃ。あの子、以外と怪力の持ち主なんですニャ。」


「マジかよ……。」



 タンブルがそう言うんなら……。”魔王の勘”とか今まで言ったことのない単語なんて持ち出しやがって。女の勘じゃあるまいし。だが、タンブルの直感は中々馬鹿には出来ない。今までも何度かそれに命を救われた事すらあったからだ。かといって、あの跳ねっ返りな娘を許容しきれるだろうか? タンブルは良くても、俺とはしょっちゅう揉め事になりそうだぜ……。

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