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【第4部】勇者参上!!~勇者マストダイ! 不適格勇者を直ちに排除せよ!!~  作者: Bonzaebon
第3章 勇者マストダイ!!【聖都、燃ゆ。】
235/239

第235話 肝試しツアーかな……?


「わひゃぁーーーっ!? なんか骸骨まみれでヤンすぅ~!?」


「コレ何? 悪魔の館とかそういうのか?」



 どこに連れて行かれるのかと思ったら、骸骨まみれの謎の場所に到達してしまった! まさか、こんな所で寝泊まりしろと? こんな所で寝てしまったらウッカリ永眠、ここの住人の仲間入り……になりかねないのでは? え? というか、ここではある意味”馬小屋”ポジションとして扱われているとでも? さすがにこれはないんじゃあ……?



「むむっ!? これはもしや、噂に聞く”カタコンベ”というものでは?」


「知っているのか、ウィンダム?」


「これは古代のお墓で、土葬するために都市の近郊で安価かつ安全な場所として選ばれたのが始まり! それがこの地下墓地の正体なんだ!」


「なんでそんなこと知ってるん? 記憶喪失なのに?」


「なんだか勝手に頭に浮かんできたんだ! うっ! 頭が!!」


「なんでそこで頭痛が発生するんだよ……。」



 ただの恐怖の館的なオカルト趣味とかではなく古代の墓所であるようだ。俺もウィンダムの解説を聞いて少し思い出した。ファルやエルが話していた事を思い出したのだ。この国では地下にトンネルを掘って墓にしていた風習があったと。しかも、それが都市の地下にあるもんで、たまにアンデッドが上まで出てきて騒動に発展するケースが昔からあるという。そんなところで寝泊まりを……しろと?



「おそろシッコ! 安全な所でお泊まりから一転して肝試しになってしまったでヤンしゅう!!」


「も、漏らすなよ? まだ、何も出てきてないんだからな?」


「もう漏れそうでヤンしゅ!」


「漏らす前にそこで立ちションしておくんだ!」



 お客さん扱いされてたはずが、なぜだか肝試しに強制参加させられるという事態に……。というかあの新人は俺らをまともに案内するつもりなんてなかったんじゃないか?


 今は姿すら見えない。下に降りていったのは間違いないはずなんだが……? 不思議に思っている間に、タニシは立ちションをし始めるのだった。骸骨が置かれた所へ目がけてやろうとしている。罰が当たっても知らんぞ?



「シッコ、シッコ、おそろしーっこ!」


「楽しそうだね?」


「ビビりまくってたクセに、大丈夫か?」


「だいじょうびでヤンしゅよ! 幽霊が出ても、タニシスプラッシュを喰らわせてやるでヤンしゅう!!」


「それはただ引っかけるだけなんじゃ?」


「た、タニシ、後ろーっ!!」



 その時異変が起きた! タニシが顔だけこちらに振り向かした状態で用を足していたら、タニシの前方にある骸骨置き場で何かが動いたのだ! いや何かっていっても白いものなんだから骸骨以外にあり得ない! 徐々に人の骨格が組み上がり、そのままタニシの前に立ちはだかった。そんなことが起きているのにヘラヘラしながらタニシはこっちを向いたままになっている!



「後ろ、後ろ! タニシ、早く前を見ろ!」


「んもぉ~! アニキったら! あっしを脅かそうとしても無駄でヤンしゅよ! 何が来てもタニシすぷ……ぎょわーーーっ!!!」


「言わんこっちゃない!!」



 タニシは前に向き直った途端に後ろへぶっ倒れた。股間丸出しのまま……。突然現れた骸骨に仰天して倒れる羽目になったのだ。それを合図に目覚めたのか周囲で一斉に何かが立ち上がるような気配がしたと思ったら、骸骨の軍団に取り囲まれていた。ダメだ。完全に怒らせちゃったんじゃない? タニシが骸骨にションベン引っかけたから……。



「うわあああっ!? ど、ど、ど、どうしよう!?」


「落ち着け! これくらい倒すなり、逃げるなりすれば切り抜けられる!」


「しょんなこと言ったってぇ! アニキ、たしゅけてぇ!!」


「うわらば! こ、こ、こ、こういうときは高枝バサミだ!」



 異常事態にタニシだけに留まらず、ウィンダムまで恐慌を来してしまった。タニシは股間丸出しで仰向けに倒れたままジタバタしているし、ウィンダムは自分なりに何とかしようとしているが、効果が低そうな例の長バサミで対抗しようとしていた! 木の枝じゃないんだから、骨が切れるワケないだろ! しょうがない。逃げるのは無理だから戦うしかない!



「霽月八刃!!」


(バッギャアアアッ!!!!)



 義手から剣を抜き放ち奥義で骸骨軍団を一閃した。見えざる刃が通り抜けた瞬間から骸骨達は糸が切れた操り人形みたいにバラバラと床に散らばる結果になった。そう、あえてここは骸骨も損壊しないように骸骨を操っている闇の気だけを断ち切ったのだ。襲ってきたとはいえ、ここの骸骨は元々古代の一般市民ばかりのはず。死者を冒涜するのは気が引けたからだ。



「チッ! 使えねー奴らだな!」


「あっ! 待て! どこへ行く?」



 舌打ちが聞こえてきたと思って振り向いたら、例の新人が先の通路にいた。口ぶりからすると、ヤッパリ、ワザとのようだな? 俺達をからかうつもりでここへ案内したのだろう。とりあえず捕まえない事には収拾が付かない。追いかけたいが、まずは混乱している二人を落ち着かせないといけない。やれやれだな……。


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