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【第4部】勇者参上!!~勇者マストダイ! 不適格勇者を直ちに排除せよ!!~  作者: Bonzaebon
第3章 勇者マストダイ!!【聖都、燃ゆ。】
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第233話 こんばんニャ!!


「ああ、それはここは基本的に夜行性な猫人が多いからね。基本の挨拶が”こんばんわ”になってる。」


「だから、”こんばんニャ”なのか……。」



 いきなりの”こんばんニャ”に困惑していたら、タンブルが教えてくれた。さすが、ここの首領様だな。今まで一グループのリーダーとしての姿しか見ていなかったから、彼の人望がよくわかる。


 何人かのメンバー達が集まってきているのだ。改めて見ても獣人ばっかりで猫ばっかりだ。そのせいで年齢層がわかりづらい。獣人はみんな人間よりも若く見えるし、仕草も年相応じゃない人もいるから余計にだ。



「で、このトラ猫がここの支部長だから。名前はドン・マイケル。」


「ワタシがドンマイケル! よろしこ、こんばんにゃ、ですにゃあ。」


「なんだかこの人が首領(ドン)みたいな紛らわしい名前だな……。」


「なんか、”ドンマイ”とか言ってる様にも聞こえるでヤンスな。」



 口調が砕けすぎてて、ギャング組織の幹部に見えない。こんなフレンドリーな感じのアウトローなんてこの世に存在したんだな? しかも、俺の知っている猫人の一人であるジェイと比べても何か別の人種とすら思えてくる。


 ジェイはどちらかと言うと猫ではなく豹に近かった。そのせいもあってか体格も大きいのだ。ここの猫人はタニシやキョウナと同じくらいの体格しかない。見た目も普通の猫に近い。獣人にも色々タイプがいるということか。



「で? マイケル、例のブツってのを見せてくれよ。」


「ハイですにゃ。コレが最近出回り始めたモノですにゃあ。」


「え? コレって、アレじゃないの?」



 まだ中に入って間もないというのにイツキはマイケルに用件を切り出した。俺は詳しいことを聞かされていないが、何やら厄介なブツがスラム街で出回り始めて問題になっているんだとか言ってたな?


 イツキの指示でマイケルが出してきたのは……例の怪しげな虹色液体の入った瓶である! 新作ゴッツンだという触れ込みで売られていた飲み物である。そして、俺を不幸の連続に引きずり込んだ切っ掛けでもある。コレが問題のブツなのか?



「うワッホ!? 何かゴッツンのパチモンみたいなのが出てきたでヤンス!」


「コレはゴッツン・ゴーの偽物、ヤル・ヤランですにゃあ。」


「何その名前? やるのか、やらないのかみたいな名前だな。」


「コレが出回り始めて、中毒・禁断症状に陥る人が続出しているんですニャ。」


「そんなヤバい成分でも入っているのか? 違法薬物とか〇薬みたいなのが?」


「本物のゴッツンでも飲み過ぎると禁断症状が出るでヤンス。向精神成分が入ってて眠気が吹っ飛んだり、気分がハイになるんでヤンスよ。」



 タニシも反応しているが一目で偽物と判定したようだ。謎に虹色をしていると思ったら、ヤッパリヤバい成分が含まれているらしい。コレが問題となっているとはな……。中毒や禁断症状ってのも納得がいく。


 実際に中毒者が買い求めようとしてるのを見てしまったからな。あの猫人が正にその被害者だったのだ。金をもっていなくても、盗んででも手に入れようとしていたぐらいだ。とんでもなくクセになる成分でも入っているに違いない。



「皆さんご存じのようですニャ?」


「ああ、知ってるともさ。ここに来る前にちょうど売買の光景を目にしちまったんだよ。コイツも一枚噛んじまったしな、勇者のクセに?」


「あれはしょうがないだろ……。ウッカリ目が合って支払いをなすりつけられたんだから!」


「だがよ、出所を調査する手掛かりを掴む事は出来た。勇者を囮にしてな。」


「わざとかよ! 利用するなよ。俺は大金を支払ったんだぞ?」


「情報料としちゃあ、安いもんだ。ここだともっとかかる可能性もある上に、ガセを掴まされる可能性だってある。それに比べりゃマシなもんだ。」


「売人と中毒者のニオイや面を憶えてるから、双方向から探りを入れることが出来る。どっちか片方だけだと煙に巻かれる可能性もあるし。役に立ったぞ、勇者。」


「ちくしょー!」



 イツキもタンブルも知っていたから俺を放置して様子を見ていたのか……。ちょうど俺がカモになっていたときには近くにいないと思っていたら、コッソリ見ていたということになる! 嵌められたのだ、俺は! 確かにクロガネ団の連中なら相手に怪しまれて逃げられるかもしれないから、手慣れていない俺を囮にしたということか……。



「まあ、コレの埋め合わせとして、鞄とあの槍の調査も団員に頼んでおいてやるからさ?」


「それは代わりとか埋め合わせに入るんですかね?」


「え? じゃあ他の返礼品にしとく? 現金は無理だからぱふぱふの割引チケットとかになるけど?」


「いや、そういうのは結構。なくし物調査で良いです……。はあ……。」



 ”覆水盆に返らず”とはこの事か……。流石に現金は戻ってこないよな。今頃、アレを売っていたオヤジは豪遊でもしてるに違いない。そう思うと……悔しいです! しかし返礼品で如何わしいチケットしか出てこないのは何故? 俺はそういうのイヤなんだからね? エルという人がいながらそういうことをするのは気が引けるし……。

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