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【第4部】勇者参上!!~勇者マストダイ! 不適格勇者を直ちに排除せよ!!~  作者: Bonzaebon
第3章 勇者マストダイ!!【聖都、燃ゆ。】
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第232話 大切なアレを盗まれました……。


「あぁ? 荷物を盗まれただと?」



 俺は荷物が盗まれた事に気付き、一旦、みんなの所へと戻った。トラブル発生を正直に話して事態の解決策を相談することにした。いや、正直、相談したとしても解決出来るとは限らない。


 とはいえある程度、ここの土地勘があり、協力者がいると言うクロガネ団の力を借りる以外に考えられなかった。勇者が物を取られるなんて情けない話だが、頼るしかない。



「人混みの中で落としてしまったか、スラれたのかのどっちかだと思う。周りを見てもどこにも見当たらなかった……。」


「なにやってんだ、お前らは……。」


「ゴメンよ、おいら達が迷惑をかけてしまって……。」


「フン! 迷惑にはなってねぇ。お前らが間抜けなだけだ。俺らクロガネ団は何も失ってない。」


「というより、早く目的地に行こうぜ。クロガネ団ウッデン支部に。」


「そうだね! そうしようよ! きっと勇者さん達は疲れてるだけだから。」



 盗まれた事を話しても彼らは特に気にしていない様子だった。イツキの言うように彼らには実害は出ていないのだから。キョウナも言っている様に旅とか前の戦いで疲れているからミスをしたのかもしれない。


 それよりも先に目的地へ到達しようとタンブルも進言している。あくまで今はタンブルがリーダーなのだ。俺とウィンダムは正規メンバーじゃなく、ただの居候でしかない。彼らの目的を優先させるのは尤もである。


 とりあえず今は気持ちを落ち着かせて彼らについて行くことにする。しばらく歩いて闇市を抜け、スラム街の市街地特有の入り組んだ道なき道をひたすら歩いて行った先に廃墟が立ち並び、蔦が生い茂ったエリアに到達。少し近付くと古い教会の様な建物が現れた。



「ここだ。」


「こんな所に? お前らの拠点が?」


「皮肉が効いてていいだろ? 廃教会に魔王一味のアジトがあるんだからな。」



 こういう場所では宗教もクソもないのだろうか? 教団本拠地に近い、このスラム街の中で使用されずうち捨てられた教会があるとは驚きだった。というか、この場所自体も何か異様な雰囲気がしている。周りに全然人気がないのだ。見張りとかクロガネ団の関係者が表にいてもおかしくないのに……。何か特殊な事情でもあるんだろうか?



「人がいねえ事を不思議がってる様だな?」


「おわっ!? お前、人の心が読めるのかよ?」


「お前の顔に書いてあんだよ。心なんて読めるか、ボケ! お前のようなアホの心なんて読みたくもねーよ! アホが移る!」


「イツキ君、何もそこまで言わなくてもええやねん!」


「バーカ。勇者のシンボルを盗まれる程の馬鹿なんだから仕方ないだろ。」


「うーっ!」


「これはね、私が魔術で結界を張ってるからなんだよ。建物に蔦がいっぱい絡みついてるでしょ? アレで見えなくする様にしてるの。」



 キョウナの魔法が作用しているらしい。途中まで教会が見えずにいきなり現れたように見えたのは結界のせいだったとは。植物と一体化させたようにしてしまえば、何もないと錯覚してしまうのだろう。


 そりゃ人が寄りつかないはずだ。見張りも立ってないのは他にも魔法で見張ってたりするからなのかもしれない。セキュリティ自体は見た目以上にしっかりしているのだろう。



「さあ入るぞ。」


「どこから……って、うわぁ!? 蔦の所をすり抜けた!?」


「これは結界が作っている幻影だ。実体はない。ただのカムフラージュだ。」



 蔦とか瓦礫とかで入り口が塞がっていたからどこから入るのかと思いきや、イツキは蔦の生えている所を突っ切って見せた。何事もなくすり抜けたので、それには実体がないのだと理解出来た。クロガネ団に続いて入り口から入っていくと、誰も人がいない。表から見た印象とは違い、瓦礫が散乱している訳でもなく、普通に綺麗にされていた。でも、人はいない。



「留守……とかじゃないよね?」


「違う。まだ、中に入ってもいない。ここはダミーのスペースだ。幻影や結界を見破って入った連中を騙すためのな。」


「まだ、騙しがあるのかよ……。」


「当たり前だ。アジトの入り口がそう簡単に見つかってどうする? セキュリティがばがばじゃ話にならねえんだよ。」


「クロガネは鉄火の如く。」


「いきなり、何だ……って、何か壁が動き出した!」


「入るための合い言葉だ。憶えておけよ。」



 イツキが意味ありげな言葉を言ったと思ったら、仕掛けが作動して入り口が現れた。どうやら合い言葉のようだ。これがわからない限りは入れない様になっているのだろう。今度こそアジトに入れるわけだが、ちょっと緊張するな。クロガネ団の性質上、アウトロー達が屯しているはずなのだ。チンピラじみた人がいっぱいいるに違いない!



「タンブルだ。久しぶりにウッデンに来たぞ。」


「おお! 首領のお出ましにゃ! こんばんニャ!!」


「こんばん……にゃあ?」



 顔に傷がいくつもあるマッチョなごろつきでも出てくるのかと思ったら、猫人に出迎えられた。ああ、でも、まあ、ありえるか? 基本獣人達で構成された組織だもんな。猫がいてもおかしくないか? 犬人もちらほらいる様だが猫人が多いような……? しかし、「こんばんにゃ」とは? こんばんわ、って事? まだ外は昼間だぞ?

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