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【第4部】勇者参上!!~勇者マストダイ! 不適格勇者を直ちに排除せよ!!~  作者: Bonzaebon
第3章 勇者マストダイ!!【聖都、燃ゆ。】
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第231話 アレが……ない!?


「悪かった……。おいら、そんなに傷付くとは思ってなかったんだ。ゴメンよ。」


「もううええから、せっかく買った以上は大切に使えよ……。」



 ウィンダムの爆買いには正直驚かされた。こういう所でお金を使うのは正直正気の沙汰ではないが、コイツにはそういう知識とかが失われてしまっているのだろう。そういう知識とかがごっそりと抜け落ちているから、ある意味子供のような物の考え方になっているのかもしれない。見た目の推定年齢よりも下に感じてしまうのは気のせいではなかったのだ。



「こんなに買っちゃうなんて、いくら使ったんだろうね?」


「軽く全財産使っちゃうレベルなんじゃないでヤンスか?」



 キョウナとタニシの言葉を聞いてハッとなった。そういえば、ウィンダムはいくらくらい使ってしまったんだろう? それ以前に……金持ってたっけ? 収容所から脱出したときから金銭の類いは持ってなかったはず?


 持ち物と言えば、あの槍?みたいなヤツと服装くらいだ。服の中に入ってい……というか、あの槍はどこへ行った? あの長ハサミに気を取られていたが、代わりにアレがなくなってるじゃないか! 肌身離さず背負ってたくせに!



「お前、自分の武器はどこへやったんだ? いつも背中に背負ってたじゃないか?」


「え? アレ? 良いもの買ったんだし、なくてもいいじゃないか?」


「なくてもって……アレは貴重品なんじゃないのか? 他に一つとしてない一品物だろうが!」


「いやー、この三つを買うときに使っちゃった!」


「使っちゃった、ってお前……まさか!」


「お金なかったから、その珍しい物と交換してくれるんなら売ってあげるよ、ってお店の人が言ったもんだから……物々交換、ギブアンドテイクってヤツだよ!」


「馬鹿かーーーーっ!!!」



 ああ、やっちまいやがった! お金ないと思ったら、まさかの物々交換! ないならそういう判断になるか……。コイツに物を売ったヤツもあの槍に目を付けて狙った上での犯行かもしれんな。


 しかし、どうするんだ? アレがなくなるということはコイツの正体を探る手掛かりの一つを失った事に等しいし、あんな物騒な物が出回ったりするのは危険だ! 下手すりゃ、穂先の部分だけ分解して売り出されたりする可能性も……?



「ちょ、アレを取り返しに行くぞ! 返品だ!」


「えぇ? せっかく良いもの買ったのに!」


「良いものなわけあるか! お前のアレの方がよっぽど重要なんだよ! 買った場所まで案内しろ!」


「え? ああ、しょうがないなぁ……。」



 ウィンダムに案内させ、闇市の中を突き進んだ。返品してあの槍を返してもらわねばならない。あんなのこの辺で売られてるヤベー代物なんか目じゃないくらいのブツなのだ。


 別に高額で取引されたりとかなら問題ないが、アレを持っていたら確実に不幸が訪れる。異端審問会も厳重に保管していたほどなのだ。教団の連中が黙って見ているはずがない。持ち主を殺してでも没収しに来るに違いないのだ。しかも、この辺はテンプル騎士団の勢力圏だ。奴らが見逃すはずがない。



「あれ? おっかしいなぁ? 確か、この辺にいたと思うんだけど?」


「本当か? 間違いないのか? 違ってるんじゃないか? 何か目印になりそうなものは近くになかったのかよ?」


「目印? この高枝バサミと妖刀かな? でもそれが見当たらない……。」


「売ってる商品を目印にしてどうするんだよ! 近くの建物とか動かないものを目印にするもんだろ、こういうときは!」



 とにもかくにも見当たらない。長ハサミと食い意地丸が見当たらない以上はこの場には該当の店はない。とにかくないものはない。ウィンダムの記憶が見当違いなだけなのか、それとも店主が槍を手に入れた途端に店じまいして去ってしまったのか判断が出来ない。周りの人間に聞いても知らんぷりするだけだった。誰も彼もが我関せずといった感じだ。



「手遅れか……。」


「そんな、別に気にするようなことじゃないよ。武器はなんだっていいんだから……、」


「そういう問題か? お前にとって重要な物のはずなんだぞ?」


「大丈夫だよ! おいらはなんとかしてみせるさ!」


「俺はどうなっても知らんぞ……。」



 当人はほとんど気にしていない。しかし事態は深刻だ。放っておけば一大事件になりかねない。このスラム街を巻き込んだ大事になってしまうかもしれないのだ。早急に捜索を……と考え始めた所で、俺は自らに起きた異変に気が付いた。


 背負っていたはずの鞄がない! どこかに置いてきてしまったか? そんなはずはない。アレは肌身離さず持ち歩いていた。あの鞄の中には勇者の額冠が入っているというのに……、



「もしかして、スラれたのか?」


「どうしたんだい? 青ざめた顔をして?」


「お前を叱りつけていたクセに、俺は大切な物を盗まれてしまったみたいだ……。」


「なんだって? それじゃ、探さないと……、」


「誰に盗まれたかなんてわからないんだぞ? 何時盗まれたのかさえ気付かなかったっていうのに……。」



 多分、さっきだ。ウィンダムに案内させて人混みをかき分けて進んでいた時だろう。ありえるならその時くらいしかない。あの時に人々に接触している間に何者かがスッたのだろう。


 若しくは人混みをかき分けて進んでいる時に俺が鞄を落としたことに気付かず、誰かが拾って持ち去った可能性も……? ウィンダムの槍といい、額冠まで失ってしまうとは……大変な事になった!

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