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【第4部】勇者参上!!~勇者マストダイ! 不適格勇者を直ちに排除せよ!!~  作者: Bonzaebon
第2章 勇者マストダイ!!【誕生、勇者2号! ……逃亡中だけど。】
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第219話 だって、男の夢じゃん、ロマンじゃん?


「だぁかぁらぁ~、アナタたちの力が必要なんです!」


「悪いけど、ご希望に答えられそうにないよ……。」



 プリちゃんは自分の夢(?)を実現するためにハカセさんと錬金術師さんの説得を続けていた。もうなんだか歌姫勇者として活躍するという理想はどこへ行ってしまったのかと思えるくらい、奇妙な願望を吐露するだけの場になってしまっている様な気がする。もう誰も話の内容について行けず、私ですらただただ彼女の独演を聞き流すことしか出来なかった。



「そぉんなこと言わずに……手を貸してくれたらどうや?」


「ごめんね。私たちはそこまでなんでも出来る訳じゃないんだよ。」


「まあ、あたしたちには無理だけど……身近な人が……手伝ってくれるんじゃないかな? 特にあなたの後ろにいる人とか……?」


「うしろぉ~? そんなヤツ、背後霊以外に誰がいますねん……!?」



 とうとう恐れていた人物が姿を現した! ゆっくりゆっくりと間合いを詰めていつの間にかプリちゃんの後ろに立っていた。そして……世にも恐ろしい鬼神の様な形相と気配を漂わせてプリちゃんを睨んでいる! これはもう逃げられない。


 プリちゃんの命運は決まってしまったも同然。これから怒涛の叱責が始まるのかと思うと、震えが止まらなかった……。プリちゃんもひきつった顔をしながら恐る恐る振り向いて相手と向き合ったけれど、生まれたてのお馬さんみたいに足がガクガクしてる……。



「ほう? 仲間が欲しいとな? 妾が手を貸してしんぜよう。」


「い、いや、結構ですよ? 間に合ってるんで!」


「そなたの願望を叶えてやれると思うのじゃが、断るのかぇ?」


「いやあ、なんというか、アナタを加えると平均年齢がグ~ンと上がっちゃうんでご遠慮願いたいんですよ……? おバアちゃん戦隊になってしまうんで……?」



 ああっ!? なんだか周囲の温度が急上昇したような……。まるで厨房で鍋を何個か煮たたせているみたいな熱気が……。丁度、梁山泊のお昼時の厨房の様子にとても似ている。これから全部の鍋から吹き零れて大惨事になってしまいそうな雰囲気! これじゃ摘まみ食い出来るような空気ではなくなっちゃったヨ!



「誰がお婆ちゃんじゃ?」


「え? ここにいるじゃ……ないですか?」


「ほう、ほう?」


「アンタしかいねえよ! このロリ・ババア!!」


(ドンッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!)



 その時、空気が破裂したみたいな衝撃波が発生した! プリちゃんが禁断の言葉を発してしまったせいで、サヨ先生の怒りが頂点に達してしまったのだと思う。熱を帯びた魔力の波動が成した現象だ。前にも一回見た。あまりも我が儘放題のプリちゃんに対して大きなカミナリが落ちてしまった時の事! あの時のサヨ先生の恐ろしさは地獄の閻魔大王様みたいだった……。



「ひぃえええええええっ!!!???」


「そなたは言ってはならぬ事を言ってしまったようじゃのう。まだ、立場というものがわかっておらぬようじゃ。」


「立場くらい存じておりまする! わたしゃ、ただのペーペーのペーの分際にございまするぅ!」


「その立場で節操もない勧誘などしおってからに! そなたの様な輩には10年、20年早いわ!!」


「でもね、可愛い子を見るとどうしようもないんですよ? ついつい手が伸びてしまうのが人情ってもんでして……、」


「そのたの様な人間が人情など語るな! このうつけモンが!!」



 ああ、本格的に地獄の説教タイムが始まってしまったよ……。そして、よせば良いのにプリちゃん怒涛の言い訳ラッシュも始まってしまった。これじゃ噴火した火山に油の入った甕を投げ込むようなもの。そうすれば三日三晩経っても一分も消える気配のない炎の海の出来上がり! 地獄の火炎は延々と燃え続けるのは目に見えている……。



「だあってぇ! やりたいんだもぉん!! 男の夢じゃん、ロマンじゃん?」


「何を申すか! そなたはれっきとした小娘風情であろうが! 女々しい言い訳を垂れるだけの戯けの分際で!!」


「どうかお代官様、機嫌を治しておくんなまし……。コレはお詫びの印に御座います。どうぞご贔屓に……。」


「なんじゃ? なにか蠢いて……って、これはカース・マルツゥではないか! ええい、こんなもので機嫌取りなど百年早いわ!!」



 サヨ先生の怒りが治まる気配が全くないのでプリちゃんは食べ物を差し出した。食べ物が動いていると言っているので、多分あのウジ虫入りチーズだと思う。私はプリちゃんにそれを使ってドッキリさせられたから知ってる……。サヨ先生は拒否するのかと思いきや普通にペロリと完食してしまった。さすが世界一の食通を名乗っているだけの事はあるよ。それでも機嫌は一分も治ってない……。



「まあまあ、賢者さん、こんなところで機嫌を悪くしても、楽しいパーティーも楽しくなくなってしまいますよ。」


「うぬ? そなたはタニシの姉じゃったな?」



 白っぽくてふわふわした毛の犬の人が来たと思ったら、炒飯の人とチームを組んでいた人だった。揉めているプリちゃんたちを見て、仲裁しに来たのかな? でも、度胸あるな? 怒ったサヨ先生に近寄るのは火山の火口に近付くのと同じくらい危険なのに……。どうするつもりなんだろう?

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