第209話 サプライズ過ぎるゲストが登場!?
「神殿騎士団か。彼らも良からぬ事を考えているようだが、他所にも驚異がいることに気を付けた方がいいだろうね?」
「なっ!?」
Mr.ピッグと会話していたら、横から割り込んで来たヤツがいた。声だけじゃない明らかに周囲が一段階暗くなったと錯覚するほどの闇の気配、邪悪な容姿! 突如、馬の頭をした大男が現れた! 祝賀会の空気が一変して、緊張したものとなっている。
魔族? いや、確実にそうだと言えるだろう。この気配は間違いなく魔族だ。しかも今まで相対してきた連中とは桁の違う闇の気の濃さだ。馬の頭であるということは馬の魔王の配下なのだろうか?
「なんか物騒な客がいるけど、アンタが招待したのか?」
「いいえ、滅相もない! こんな場違いな人を呼ぶはずがないじゃないですか!」
「私は招待状は貰ってないよ。だが、代わりに犯行予告は出させていただいたけどね? 飛び入り参加のゲスト枠、いうことにしておいてくれたまえ。」
「お前、魔王の手先か? こんなところによくもまあ堂々と!」
「手先? 失礼だなぁ、君ィ? 私がそんな下っ端に見えるのかい? これでも魔王の端くれなんだけどぉ?」
祝賀パーティーのサプライズ……だと思いたかった。しかし、俺の本能はそれを否定している。それだけじゃない。額冠からも震えるような形で俺へ警戒を促しているのだ。こんな事象が起きたのは魔王と戦った時ぐらいだ。その反応が示している通り、目の前にいる魔神の正体は間違いなく……、
「そやつは魔王じゃ! ギャロ・ペレキュレイデス当人じゃ!!」
「ありゃりゃ、私の名乗りが他の人にされちゃったじゃないか。せっかちな人だねぇ、竜の女王さんは。君の父上はもっと落ち着いていたというのに?」
「やっぱ、コイツが馬の魔王なのか、サヨちゃん?」
「その通り! 私が魔王軍四天王の一人、ギャロ・ペレキュレイデスだよ。いわゆる、四天王の中では最弱~、というポジションだけどね♡」
やはり額冠からの警告は間違いなかった。この魔神は馬の魔王だったのだ。サヨちゃんもコイツの事を名指しにしているので間違いない。確かに犯行予告を出してきていたが、ゴドルフィン達やスレイブの傀儡カラクリが本命と思っていた。本人がやって来るなんて誰に予測できただろうか? ここまでの流れを見るに、かなりおどけた性格をしているが、流石に調子に乗り過ぎているのではと思う。
「ここに来たってことは、俺らを一掃しに来たんだな?」
「いいえ。本物の掃除屋さんが同席しているのに滅相もない! こんな素敵なパーティーを台無しにするのは私の主義ではないからね? 見事私からの挑戦をはね除けて見せた君たちへ祝辞を述べに来たのさ。私の部下を可愛がってくれたようだし。」
「じゃあ、俺への仕返しか?」
「別に? そんなことしないよ? 確かにさぁ、スレイブちゃんがさぁ君たちに酷い目に遭わされたてってんで、私の所に泣きついてきたのは事実だけどね。そりゃもう、慰めるのが大変だったよ。帰った後で一晩一緒に過ごしてあげなといけなくなった。」
どこまでが本気でどこまでが冗談なのか判別がつかない。俺たちを襲撃してきたスレイブは流石に今回の敗北を本気で悔しがっているようだ。スレイブ当人じゃなくカラクリを遠隔操作するという形であったため、怪我などはしていないようだが、負けたことにショックを受けているのだろう。格下と侮ったのが敗因といえるので、逆恨みされても困るのだが。
「君達は思った以上にやるようだね。近々、私達も本腰を入れて立ち向かわないといけなくなったよ。」
「それは宣戦布告と受け取っていいのか?」
「それでもいいけど、君達がその前の試練を乗り越えれるかどうかにかかっているね。そこで終わりになったら、私達の出番は自動的になくなることだしね。」
「試練って何の事だ? まるでこの先、何が起こるかを知っているみたいだな?」
「試練とは……近々起こる大問題の事だよ。さっきそこの実業家と話していただろう? 半分はそれ。後の半分も……知りたいかい?」
さっき話していたこと……テンプル騎士団の事だとは思うが、話を聞かれていたと考えていいのだろうか? 現れる前にどこかに隠れて聞いていたのだろう。そんなことを想像しただけでもゾッとするが、今後俺たちを襲う危機について知っているという事実にも驚異を感じる。話している本人は関わるつもりはないようだが……?
「実はね、某魔王が近々大攻勢を仕掛ける計画をしているんだよ。もちろん私の事ではないよ。他の誰かさんだ。彼はね、君達に恨みを持っているからね。大切な部下、しかも紅一点ともいえる存在を失ったからね。その仕返しに現れると思うよ。軍団を率いてね。」
「誰の事だ? それに仲間の事を話して大丈夫? アンタの味方の事をリークしようっていうのか?」
今後降りかかる災難というのは魔王軍の大攻勢だと言いたいようだ。魔王のうちのいずれかが戦いを仕掛けてくると? 目の前にいるギャロの様に部下を倒されたことで俺に恨みを持っているヤツが? それらしい存在は消去法で考えるとあの魔王しかいなくなるが、どうだろう? それが本当ならギャロよりも格上の相手じゃないか……。




