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【第4部】勇者参上!!~勇者マストダイ! 不適格勇者を直ちに排除せよ!!~  作者: Bonzaebon
第2章 勇者マストダイ!!【誕生、勇者2号! ……逃亡中だけど。】
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第203話 一人でシジミちゃん70人分のパワー!!(やばたにえん)


「景気づけに俺を倒そうって言うのか? 止めとけ。そんなことをして何の意味がある?」


「俺はお前に勝たないといけないんだよ! 一度舐められたからには、やり返さねえと気が済まないんだよ!」



 トニヤは俺にただ勝つだけではモヤモヤが晴れないと言いたいのだろう。レースに勝ったとしても、俺以外のその他大勢も含めてそれを全部ひっくるめた中で勝ったとしか言えないと考えているのか? この手で倒さないと満足が得られないところまで来てしまっているのか……。俺と戦いたいってだけなら別にいつでも相手になってやってもいいんだが……、



「どうして今じゃないといけないんだ? 理由を聞かせてくれないか?」


「ハッ! 決まってるじゃないか! 今お前は弱っている、消耗してもいる。おまけに足手まといもいるしな。」


「ああ、そう……。」


「前にも言ったよな? お前には真正面から挑んでも勝てない。あのインチキ臭い技の数々で相手を翻弄するからな!」



 前に……? ああ、あれか? 学院で無人島サバイバルをやったときの事か。あの時は……レインボー先生と戦った後の事だったな? イヤ違う七光りな事以外取り柄のない先生とはやり合ったが、その後にアンネ先生と死闘を繰り広げ、消耗した所を襲ってきたのがコイツだったと思う。しかも隙を突いて後ろから羽交い締め。そこから自爆覚悟の落雷連打を浴びせられたっけな。



「またやるのか、あの時と同じ事を?」


「当たり前だ! 今度は絶対に負けん! そこだけは違うと言うことを忘れるな!」


「あのさあ? 私もいるのに勝手に物事を進めないでくれる?」


「他人は黙ってな!」


「なるほど。巻き込み上等ってワケね?」



 有無を言わさず、無関係なシジミちゃんの意見すら聞かずにトニヤは攻撃を始めた。連続して電撃を放ってくる! 右に左に動いて躱すが、たまに電撃が枝分かれして変則的な動きを見せたりするので回避にかなり神経を使う。しかも、背中にはシジミちゃんがいるので、おも……ではなく被弾しないように気を付けないといけないので更に大変だ。



「ちょ! シジミちゃん、降りてもらえると助かるんだけどな?」


「断る!!」


「えぇえ!? どうして? 危ないよ? 雷に打たれるよ?」


「いいえ! 絶対に当たらないから! ”私”だから大丈夫!!」


「えぇ……。」


「また、姉ちゃんの悪いクセが始まったでヤンスよぉ!」



 どういうこと? 降りるように促したんだが、丁重にお断りされてしまった! なんで? 俺から離れないと危険が及ぶというのにどういうつもりなのか? 下手すりゃ命も危ない。


 俺は一撃食らったくらいでは死なないが、戦闘経験のなさそうなシジミちゃんでは話が違う。ちょっとしたことでも致命傷になりかねないというのに……。これを見たタニシの口ぶりからすると、いつものことではあるらしいが場をわきまえてほしいなぁ。こんな状況ではそう思わざるを得ない。



「ハッハッハ! モテる男は辛いねぇ! 離ればなれになりたくないんだとよ!」


「別にモテてるからってワケじゃないだろ……。」


「失礼ねえ。私、別に勇者さんが好みのタイプってワケじゃないのよ? どちらかと言うとアナタの方がいいわ。一番見た目が好みなのはイツキ君なのは間違いけど。」


「ハッ! メス犬なんかに好かれても嬉しかねぇよ!!」


「は? 今何つった? 何つったよ?」


「もっかい言ってやろうか? メス犬だよ、メ・ス・い・ぬ!!」


「ああーっ!? シジミ姉ちゃんに一番言ってはいけないことを言ってしまったでヤンすぅ!!!」


「……メス犬? だれが……メス犬ですって?」



 何か今、背中越しに物凄い殺気を感じた。トニヤの不用意な罵りによって眠れる獅子を呼び覚ましてしまったのではないだろうか? タニシもその事について言及している。シジミちゃんに対してのNGワードであったようだ。


 即ち、怒りを買ってしまう事を意味しているのだろう。俺も歴代トップクラスの殺気を感じたので相当な怒りを感じているのではないだろうか? ある意味、殺気だけなら鬼(※秦黒龍)に匹敵する……。



「立場わかってんのか? メス犬ごときがブチ切れたところで何が出来るってんだよ! 雑魚は大人しく勇者と黒焦げになっちまいな!」


「アナタの方こそ立場をわきまえた方がいいわよ? ノウザンウェルの女番長(スケバン)と呼ばれたこの私を怒らせた事を後悔させてあげるわ!!」


「あぁーーっ!? 終わった! ノウザンウェルの狂犬が降臨してしまったでヤンス! この世の終わりでヤンしゅう!!」


「ハッ! メス犬ごときに何が……ぶへぁ!!??」


(ドッゴォッ!!!!)


「オガワ流制裁術その一! 爆裂ドロップキック!!」



 油断して罵り続けるトニヤに制裁の一撃が加えられた! まるで閃光のような一撃でトニヤを吹っ飛ばしたのだった。両足を揃えた姿勢で己の全体重を乗せたキックをお見舞いする……それが爆裂ドロップキックという技の全貌であった。さっきタニシをいびるのに使っていた脅しの口上だと思われていたが……なんと本当に技が再現されてしまったのである! 運命や、如何に?(主にトニヤの方)

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