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【第4部】勇者参上!!~勇者マストダイ! 不適格勇者を直ちに排除せよ!!~  作者: Bonzaebon
第2章 勇者マストダイ!!【誕生、勇者2号! ……逃亡中だけど。】
200/240

第200話 後は……走るしかないな。自分の足で。


「もう良いだろう。彼のことは不問にしておくのだな。」


「でも……、」


「今は何をすべきかを考えろ。今まで何をしていたのかを思い出せ。」



 今は……ウィンダムばかりに気を取られていたが、魔神との戦いを繰り広げていた事を忘れていた。いや、それも違う! それももう終わった。それまではレースを繰り広げていた事を忘れているではないか! 早いとこゴールまで向かわねば……って、何に乗るんだ? これまでの激戦で肝心のカラクリ達が全壊してしまっているじゃないか。



「あのさ……、これでどうやってレースを続けるんだ?」


「走りたくないでヤンしゅう! 汗水垂らして働きたくないでヤンしゅよう!!」


「俺ら自身が走る、って冗談だろ?」


「ルール上はカラクリが壊れたりしてもレース続行してもいいんだからね?」



 ゴールまで後どれくらいなのか見当が付かないが、失格とかリタイヤ扱いにはなっていないらしい。あんなレースとは無関係の大乱闘が発生したとしてもレース自体はまだ終わっていないらしい。ルール上はまだ続行可能らしい。カラクリがなくても自分で走ったらセーフ、なんてルールがあるらしい。誰だよ、そんなルール考えたヤツは! 最早カラクリ関係なくなってるじゃないか!



「やってられるか! そんなん身体能力だけで勝負が決まってるようなもんじゃないか! 特にグレート! お前だけ下半身カラクリじゃないか!!」


「うむ、そうだな。私が一番有利だな。」


「アンタが優勝確定じゃないか!」



 周りを見てたら、一人だけカラクリが無事なヤツがいたことを思い出した。いや、厳密には壊れているかもしれないが無事なんだ! 何を言っているのかわからないかもしれないが、事実なんだ! いや待てよ、無事とも違うかな、壊れているが無事なんだ。自分でも何を考えているのかわからなくなってきたぜ! まあとにかく要するにグレートは壊れている事にしておこう!



「残念だが……私は棄権(リタイヤ)させてもらおう!」


「な、なんだと!?」


「え? 止めちゃうの、師匠?」


「残念だが、そうさせてもらう。勝つとわかっている勝負ほど詰まらない物はない。目的も達成したのだから、私はただ立ち去るのみだ。」


「えぇーっ!? 勝ったら、その格好いいのをもらえると思ったのに!!」


「プリちゃん……。人の物を何でも欲しがるのは良くないアルよ……。」



 そういう問題か? 何というかプリメーラのヤツは、あの人馬形態に憧れを抱いているらしい。下半身がウマになったからどうだって言うんだ? 馬娘になってどうするんだ。しかも勝ったら、もらえる? 意味がわからない。どうしてもらえると思ったのか。最近の若い子の考えることはよう分からんわ。と言うよりヤツだけがおかしいのかもしれんが。



「良いじゃないか。それならそれで自分たちの足で決着を付けるまでだ!」


「何言ってんの、イツキ! 怪我してるでしょ!」


「お前らに任せてられねえからだろ!」


「若者よ、無理をするものではない。お前はしっかりと休むのだ。」


「何だよテメエ? よそ者は引っ込んでな!」


「ああ、もう! 無鉄砲な奴じゃのう! プリメーラ、この男の怪我を治してやれ!」


「えぇーっ? なんかケモいんですけど?」



 そういえばイツキの奴、スレイブに刺されて怪我してたんだっけな? 今までそれを黙ってたのか? やせ我慢にも程がある。そのまま走ってレースに参加したら確実に死ぬだろう。


 前々から感じていたがやっぱ無理し過ぎなところが気になるな。前も自ら刑務所に潜り込んでた事だし。ここでまた回復役にかり出されるプリメーラ。あまりにも器用な為にサヨちゃんにこき使われてるな。そら反感もたれるだろ。



「おっ? 意外とケモくない? どこかのエロ犬みたいなニオイしない!」


「あぁ? 何言ってんだお前?」


「ああっ、あっしがディスられてるでヤンス! イツキ君がプリメちゃんに気に入られてるでヤンしゅう! ジェラシーでヤンス!!」


「日頃の行いが良くないからモテないんだよ、アンタは。」



 なんかプリメーラに気に入られているイツキ。やっぱ獣人であってもイケメンなことに変わりないのだろう。タニシとまるで扱いが違う。まるでゴミみたいに扱われているのにこの差は何なのか? タニシが色々セクハラを繰り返したからこそこんな差が出てしまったのかも。実の姉にも追い打ちをしっかり決められている。



「ここで提案したいのだが、各チーム代表一人が走るというのはどうかね? 怪我人もいることだしな。」


「良いぜ! 俺が走ってやる! 掃除屋の運命は俺が決める!!」


「俺もはし……、」


「はいはーい! イツキは怪我してるので、この俺、キノが走ります!」


「ギョリバン、アンタが走りな。アンタ、ヒーローなんだろ?」


「えぇーっ!? あっしがぁ? いやでヤンしゅよう!」



 なんかグレートの一声で決められてしまったが、みんな乗り気のようだ。怪我人とかがいるし、大体みんな消耗してる。動けるだけの気力がある奴が走るのが一番だろう。やせ我慢する奴は当然除外だ。で? 俺らのチームは誰が走るの? なんか、シジミちゃんが目で「お前が走れ!」的なプレッシャーを出してるんだけど、俺がやらないとダメ?

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