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【第4部】勇者参上!!~勇者マストダイ! 不適格勇者を直ちに排除せよ!!~  作者: Bonzaebon
第2章 勇者マストダイ!!【誕生、勇者2号! ……逃亡中だけど。】
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第197話 スクリーマー、って何よ?


「抹殺だと? 調子に載るなよ!!」



 俺が身動きを取れなくされているうちにアイツは変わってしまった。目付き顔つきが変貌し、別人になってしまったような錯覚すら感じる謎の変化。オードリーを足止めした時と同じだ! あの時も急に意味不明な言葉を連呼しながら見たこともない戦法で戦い始めた。今回は相手の魔法を吸収するなんて芸当を披露している。これがヤツの失われた記憶? 本来の人格なんだろうか?



「電撃が効かぬとも、我が槍の前には手も足も出まい!」


「その自慢の槍がどこまで通用するか試してみるか? 無駄に終わると思うがな。」



 スレイブは魔法が通用しないところを見て、ウィンダムに槍で挑み始めた。恐ろしく鋭い突きから始まり、なぎ払いを組み合わせた怒涛の連続攻撃を浴びせている……いるはずだが……攻撃は全てすり抜けてしまっている! ウィンダムは一歩も動いていないのに一つも攻撃が当たっていないのだ!



「馬鹿な! 完全に動きを捉えているというのに、まるで手応えを感じないのは何故だ!」


「捉えている? いいや、違うな。お前は何一つとして俺の動きに着いてこれていない。」


「そんなことは……!?」


「気付いたか? これは俺の残した残像だ。回避パターンNo.3、幻影の陽炎(ファントム・ヘイズ)だ。お前の攻撃は既に解析済み。何をしたところで全ては俺の手の内にある。」


「小癪なぁっ!!」



 まただ。あの時と同じだ。オードリーの攻撃をかわした時も同様の技で無効化していた。確かに足元だけわずかに動いているのが見える。目に見えないほどのフットワークで全部回避しているんだ。しかも攻撃を全部見切ったとも言っているが……遭遇してからのわずかな時間にそんなことが出来たんだろうか?



「おのれえっ! 当たりさえすれば、貴様なんかーっ!!」


「では、当ててみればどうかな?」


「舐めるなぁっ!!」


(ズウンッ!!)



 スレイブはウィンダムの挑発に乗り、今まででもっとも早い動きで必殺の突きを繰り出した。……刺さった。槍は見事にウィンダムの腹部に命中し、勝負は決まったかのように見えた……。しかし、すぐさま異変が生じ、槍はシュウシュウと音を立てて、槍の外観を保てなくなっていった。もとの雷電の魔力へと変化していき、徐々にウィンダムの武器に吸収されていっているではないか!



「なっ!? 馬鹿な!? 槍の実体化が解除され、しかも吸収されていっているだと!!」


「お前の槍は魔術で作られているんだろう? だったらこの流れは避けられなかったのだ。エネルギーである以上はこのスクリーマーの前では無力! 解除され吸収される定めなのだ!」


「ううっ!? ま、魔力が! 私の魔力が吸収されるぅーっ!!」



 槍だけじゃない、スレイブの体その物でさえも吸収され始めた。全ては電影で生み出された分身であったためか、それさえも雷電の姿に戻っていき、姿は跡形もなく消え去ってしまった! この異常事態にスレイブは軍勢をウィンダムの元へ集結させ、一斉攻撃をかけ始めた。これではウィンダムも一溜まりもないのではと思われたが、徐々にスレイブの電影は数を減らしていった。恐らく吸収されていっているのだ……。



「なんだ? この異常事態は……?」


「なんだよ? アンタでさえもこの有り様に驚くって言うのかよ?」


「この様な戦いぶりは今まで見たことがない。ここまで魔神を手玉に取るような人間など今までいなかった。」



 軍勢が一斉にウィンダムを攻撃し始めたため、周囲は手薄になっていた。今まで必死に交戦していたグレートでさえも戦いの手を止める事態にまで発展している。それほどまでに魔神は我を失っていると言える。全身全霊を賭けて挑まないと倒せないと判断せざるを得ないほどに、ウィンダムの力は驚異的なのだ。



「うあああっ!? 私の軍勢が!? どうしてだ! 磐石の状勢のはずが、どうしてこんな人間風情に!!」


「相手が悪かったな。俺はお前たち魔族にとっての天敵だ。この世に存在する異形の者共を排除するために俺は生み出されたのだ。それが……異形狩りイレギュラー・ハンター、エクスキューショナー1stなんだ!」



 まただ。謎の肩書きをウィンダムは口にした。聞いたことがない。アイツ自身、記憶を徐々に取り戻してはいるが、そんな話なんて一度も出てこなかった。昔、軍隊か何かの戦闘集団に所属していたことまではわかってきたが、その詳細、役職等は思い出せないのだそうだ。


 詳細な事項について思い出そうとすると、決まって頭痛が生じ、それ以上は思い出せない様になっていた。でも今はどうだ? この状態にならないと出てこない記憶とでも言うんだろうか? ますます存在が謎めいて来たぞ……。



「ま、まさか……全て電影が吸収されてしまうとは……。」


「終わりだな。お前の最後の時がやって来た。処刑の時間だ。ファイナル・エクスキュージョン、スタンバイ!」



 スレイブの電影は全て消え去ってしまった。残されたのは、元のカラクリが一体だけ。これで全て振り出しに戻った。ウィンダムはスレイブに制裁を加えるべく、最後の一撃の準備に取り掛かり始めたのだ。あの時とは違い、エネルギーを溜めるような動作はしていない。これまでの間にスレイブから吸収した魔力を利用するというのだろうか?

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