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【第4部】勇者参上!!~勇者マストダイ! 不適格勇者を直ちに排除せよ!!~  作者: Bonzaebon
第2章 勇者マストダイ!!【誕生、勇者2号! ……逃亡中だけど。】
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第195話 ギブアンドテイク! コイツはその駄賃代わりさ!


「ここままでは全滅してしまう! 早くロアを助けねば!」


「倒しても、倒してもキリがないネ!」



 魔神スレイブ・ニィルによって敷かれた特殊な結界陣によって妾達は窮地に陥っていた。主力である勇者達であっても苦戦する有様だった。ここ状況を打開するには結界を破壊するしかない。それが出来るのはロアの”絶空八刃”のみ。空間その物さえ切り裂くあの奥義であれば打開できるが、魔神によって先手を打たれ勇者の動きが封じられてしまったのだ。こちらとしても助けに向かいたいが魔神の軍勢によって阻まれ、近付くことさえ出来ない状態にあった。



「プリちゃん達はどうなったアルか?」


「銀仮面の治療に向かったはずじゃが、一向に戻ってこん! 続いておる様なら、銀仮面も助かるまいて……、」



 プリメーラには銀貨面の治療の命を与えたが、それ以来音信不通となっている。この混乱の最中ではどうしようもないと言えるが、あの者達がいれば多少はこの状況を切り抜ける策は立てられるのだが……。効果は薄くとも破壊の術式を用いればこの軍勢を一時的に消すことは可能なはずなのである。スレイブがわざわざ戦闘不能にしたのはその予防だったのかもしれない。



「破壊!!」


(ズボッ!!!)


「おおっ! これは!」



 破壊の術式のかけ声とと共にスレイブの軍勢は一度にいくらかの数が消滅した。その先に見えたのは銀仮面ではなく……プリメーラだった。確かにその手には術式を発動させるためのボウガン型デバイスが握られている。もしや……奪い取ったのでは? とも考えたが、それは現実的な話ではない。何らかの交渉の結果であろう。



「えっ!? プリちゃん?」

「フッフッフ! 助けに来てやったぜ、リンシャン、アンド、クソババア!」


「一言余計じゃ! どうしたのじゃ? 銀仮面は?」


「へっへ! 直してやったんだぜ! コイツはその駄賃代わりさ!」


「交渉か……。そんなことをしろとは言っておらんぞ。」


「そんなの敵相手、ましてや〇〇臭のキツい女なんかをただで治療するわけがないじゃないっすかぁ~? ギブアンドテイク! 世の中、やっぱこれッスよ! そうじゃなきゃモチベーション上がんないんで!」


「どこまでも外道な娘(ゲスの極み乙女)じゃな……。」



 やれやれ……。無償で治療してやれと指示したつもりなのだが、有償で治療を行ったらしい。元より銀仮面の装備を欲していたのは知っていたが、あの術式デバイスにまで興味を持っていたとは……。しかも、破壊の術式まで使いこなしおるとはな。計算外の出来事が起きたが、これはかえって好都合かもしれない。ただの剣技だけではこの状況を脱するのは難しいであろうからな。



「破壊の術式……貴様まで使えるというのか! 迂闊だった!」


「ゲゲッ! なんか魔神が生えてきた! なんか〇〇ブリとかみたいやないかい!」


「プリちゃん、例え方……、」


「だが、そんなものは通用しない。いや、通用したとしても関係ない。私は何度でも蘇るさ! 永遠にな!!」


「ちくしょう! 出てくる度に破壊し続けてやるぅ!」



 破壊の術式は大きな戦力となり得るが絶対的ではない。奴の電影を消したところでそれは一瞬のことである。奴の本体を倒すか、結界を破壊せねばあの術を解除する方法はない。


 せめてロアを助け出す手立てとなれば良いのだが……いかんせん敵の再生が速すぎる。全部同じ力を持たせた分身に過ぎないというのに、常時発動できるのはあまりにも魔力が強大と言うほかない。どこかに起点となるような触媒を仕込んでいるはずなのだが……?



「アヴェリオン・バスターを喰らえ! 大破壊メガ・デストラクション!!」


(ズボァァァァァッ!!!!!!)



 かけ声とと共に巨光が放たれた。巨光に飲み込まれ数多くの軍勢が消し飛ばされた。と同時にその場にあった草木や地形までもが巻き込まれ完全に更地と化していた。威力は絶大だが威力が過剰すぎる。破壊してはいけない物まで同時に巻き込んでしまっているのだ。ここまでの犠牲を払っているというのに……スレイブの電影の軍勢は何事もなかったかのようにまたその姿を現すのだが。



「ええ!? 銀仮面の必殺兵器も効かないの? こんなの何しても倒せないじゃん!」


「結界を破壊せぬ限り無限に湧いて出てきおる! なんとかロアを助け出す必要があるのじゃ!」



 ランダムにあの術式を放って結界の触媒に偶然当たりさえすれば打開できるかもしれんが、スレイブはそう簡単にやらせてはくれない。銀仮面は既に軍勢に取り囲まれ、術式を使えない状況に追い込まれている。サーベルを用いた接近戦で対処するのが関の山のようだ。完全にこちらの狙いを潰しに来ているのだ。電影の一つ一つが全て奴自身だからこそ出来る芸当と言える。



「お前のような異形(イレギュラー)はこの俺が抹殺してみせる! エクスキューショナー1stの名にかけて!!」


「なんだ? 今度はあの小僧までもが捕らわれておるのか?」



 勇者2号を名乗るロアの新弟子の小僧がスレイブの電撃によって身柄を拘束されていた。しかし、様子がおかしい……? まるで別人のように人相が変わっているではないか! 彼の大人しくて純朴そうな青年であったはずだが、今は血を好む凶悪な戦士としての顔に変貌している! 口調も別人のようだ! これではまるで狂戦士(ベルセルク)ではないか……。

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