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【第4部】勇者参上!!~勇者マストダイ! 不適格勇者を直ちに排除せよ!!~  作者: Bonzaebon
第2章 勇者マストダイ!!【誕生、勇者2号! ……逃亡中だけど。】
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第188話 オモチャを馬鹿にしましたね?


「数は増えたが所詮は烏合の衆。瞬く間に蹴散らしてやろう!」


「ギョリバン、敵が来るよ! 迎撃するんだ!」


「ブラジャー!! ポチッとな!!」



 スレイブはこちらの手勢が増えてきたのを見て掃討に乗り出した。迎え撃つのは巨大猫のカラクリだ。そのままスレイブに向かっていくのかと思いきや、背中を見せて背中に背負った箱形容器の中から小型サイズのカラクリ猫共がワラワラと出現してきた。どこから湧いてきたのかと思えば、あのような場所に格納していたとは!



「有象無象から有象の無象か! こんなオモチャで私を止められると思うなよ!」


「こんなオモチャに止められないと思うなよ?」


「しまいにはオモチャのチャチャチャになってしまうでヤンスよぉ?」


「二人とも訳のわからない事ばっかり言ってる!」



 ドワーフ娘とワン公の奇言に錬金術師の娘は辟易しているようだ。その間にカラクリ猫は次々とスレイブに纏わり付くようにして周囲を取り囲んだ。スレイブは取り付いてきた次第、力尽くで投げ飛ばしたり蹴飛ばしたりしているが、猫達は何度も何度も繰り返しやって来るので業を煮やしている様子だ。あのカラクリは小さい割にスレイブに負けない力を持っているようだ。そのスレイブからしてカラクリの体なのだが……。



「ええい! 鬱陶しい! 有象無象の分際で!!」


「オモチャを馬鹿にしましたね? 大人のオモチャの神髄、見せてヤンよ! それ、大人モード発動! ポチッとな!!」


「その立派なアナタの槍を磨いてあげましょうか? 女性に対して言うのもアレですが……?」


「それとも、逆にギョリバン親分の槍を磨いてくれるのかな?」


「槍など磨かなくとも、貴様らなど容易に貫けるわ!! それに、犬人は槍など持っておらんだろうが!!」


「男という者は誰でも皆、心に槍をもっているものなのです……。」


「我々を親分ともども貫く……アッー!?」



 カラクリ猫は健闘しているようだが、やり取りの意味が意味不明であった。槍? 磨く? 貫く? しかし、あのワン公の考えていることなのだ。きっとおぞましい意味合いなのであろう。それら全てが隠語として考えれば意味がわかるようになっていると……おっと、いかん、いかん! 思わず意味を考察してしまうところだったわい!



「ええい! 邪魔だ! チェイン・ライトニング!!」


(バリバリ!! バチバチバチ!!!!!!)


「あわわわ! シビシビぃ!!」


「大人のオモチャたる我々が激しい電マの餌食にぃ!!」



 何やら意味不明な事を言っているが、カラクリ猫達はスレイブが放った一筋の雷電により感電し徐々に黒焦げになっていった。チェイン・ライトニング、一筋の雷電……たったそれだけで周囲の敵をまとめて黒焦げにしてしまうほどの効果がある。


 例え一発であっても、周囲にいるだけで雷電は全体に行き渡る。味方まで巻き込みかねない魔術だが、敵に囲まれたときには効果てきめんだ。まとめて敵を打ち倒すには適した魔術といえる。多数の手勢が仇となってしまったか……。



「食らえ、星雲弾ネビュラ・ストーム・スペシャル!!」


(シュポン!!)


「星雲♪ それは、君が見た光♪ 皆さん、ご一緒にどうぞ!」


「ハッ! そんな礫ごときが私に通用するものか!!」


「幸せの~♪ 星の~雲~♪」


(バァァァァァン!!!!)


「……せ・い・う・ん♪」



 思わぬ所から援護射撃が入った。犬の魔王一味がスリングによって礫を発射したのだ。これもまた奇怪な台詞や歌を伴っていたため、大した攻撃ではないと思われたが……スレイブに到達する直前で礫ははじけ飛んだ。


 ただの目眩ましと思われたが、一気に火が燃え広がり大爆発を引き起こしたのだ! 残っていた雷電の火花が礫の破片に引火したのかもしれん。これを狙っていたとは! やるではないか!



「ぐあああっ!!」


「アレは粉塵爆発を狙ったのか。イツキの仲間もやるじゃないか?」


「これはちょっとした錬金術の知識の応用じゃない。あの人達の中に錬金術師がいるの?」


「アアァーーッ!!! 猫さん達も綺麗に吹っ飛ばされたでヤンしゅう!!」


「爆発の威力が高まったんだから良いじゃないか。奴らは犠牲になったのだ……。アマバム……。」



 あの一撃が意外な効果をもたらした。礫の破片で引火させる目的だったのかもしれぬが、周囲にいたカラクリ猫達の残骸を巻き込み大爆発を引き起こしたのだ。通常、上級魔族には炎や雷等の精霊魔術は効かぬが、自然発生した現象など魔力が関わっていない力ならばある程度の効果は見込める。あの様子ではスレイブといえどひとたまりもあるまい。爆煙が激しい故、様子が確認できぬがどうであろうな?



「……おのれ! ゆ、る、さ、ん!!!!」


「うわぁ!? 生きてた!!」


「誰もフラグを消さないからだよぉ!!」



 爆煙の中からスレイブは姿を現した。体は煤けているものの、五体満足な所を見るとダメージはあまり受けていないのかもしれない。ただ間違いなく怒りを買ったのは紛れもない事実であるから、これからの逆襲には警戒しないといけない。こちらの実力を軽視し遊んだ結果ではあるが、これまでの気休めの様な攻撃は通用するまい……。

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