7話
ギルドで換金を終えてそのまま訓練場へ向かう。
これからは採集を終えたら毎日ここで素振りをすることにしよう。
あとキナ爺の話を聞いて思ったのだが、投擲というのもかなり大切そうだ。今はスローイングナイフなどは持っていないが、持っていれば非常時などに役立つかもしれない。
今日のところは素振りだけにとどめて帰りにナイフを買って、明日から練習しよう。
_____ふうっ
今日の訓練を終えて、途中で雑貨屋で中古のスローイングナイフを三本とナイフを携帯するためのベルトを買った。
宿に戻って、体内の魔力を操作する訓練を行う。これからは採集→戦闘訓練→魔力操作訓練というのをルーティーンとしていこう。
__________
朝起きていつも通りキナ爺と森へ向かう。今日もリンサの採集だ。
道中、何か大きなものを引きずったような痕跡を見つける。
「キナ爺、これは何?」
「引きずった跡以外にも足跡が見える。この足跡はゴブリンだろうな。引きずった跡で消されていてわかりづらいが4か5はいるな。これなら昨日見つけたゴブリンの足跡の主と一緒の奴だろうなあ。そして何を引きずったかは、この大きさからすると人間だろうなあ・・・・・・」
「昨日の、男の人・・・・・・」
「まあ、おそらくなあ・・・・・・運が悪かったな」
「・・・・・・・・・・・・」
昨日はあんなに威勢よくキナ爺に突っかかっていたあの男が、おそらくもう生きてはいない。五感などがリアルに再現されていて、死さえもリアルにほど近いこのゲーム。だからこそ新しい人生を歩めると思ってこのゲームを始めたんだ。
死さえもリアル、このゲームを始めるときには覚悟を決めていたつもりだった。だが、昨日まで生きていた人間の本物の死の痕跡を初めて見て、ただ遊び感覚でやっていいものではないと再認識させられてしまった。
ゴブリンにあの男が殺されたのだとすると、男が持っていた剣がゴブリンにわたってしまったと考えられる。もしそうだとしたら通常よりも危険な装備をゴブリンが持っているということになる。
危険を考えて今日は引き返すことにした。
__________
一日暇になったが、訓練場で訓練を行う。
この世界で生きていくには強くならなくてはいけない。
素振りを腕の限界まで行って、休憩がてら魔力操作を行う。休憩が終わればナイフを藁の束の的に投げて投擲の練習をする。
その繰り返しでひたすら、訓練をする。
そうしていると誰かが後ろから声をかけてきた。
ーアリスタの街についてー
アリスタの街は一つの国家のもとにある都市ではなく、一つの都市国家になります。もともとは西のホス山脈と南の大森林に囲まれた国家のもとにありましたが、いまはそれぞれの都市が分裂して都市国家を築いています。
今はアリスタ領として、アリスタ領主が街の中心にある屋敷で政務を執り行い治めています。




