67.『ライラックのワンピース』
『ライラックのワンピース』
小川雅子 作
ポプラ社 出版
こんにちは、今回紹介するのはこちら
小川雅子さんの『ライラックのワンピース』です。
あらすじ
サッカーが大好きな小学6年生の物語。
彼には誰にも言えない秘密があります。
それは、裁縫が大好きだということ。
男の子だからという周囲の価値観を気にして、自分の「好き」を隠して生きています。
ある日、リラちゃんという女の子から、お母さんとの大切な思い出が詰まったワンピースの修繕を頼まれたことをきっかけに、主人公は少しずつ自分らしさと向き合っていきます。
感想
この物語で特に心に残ったのは、「好きなものに男らしい、女らしいは関係ない」というメッセージです。
自分の好きなことを隠してしまう苦しさや、本当の自分を認めてもらえた時の喜びがとても丁寧に描かれていました。
また、裁縫は単なる趣味ではなく、人の思い出や大切な気持ちをつなぐものとして描かれています。
ワンピースを直す場面には温かさがあふれ、読んでいるこちらまで優しい気持ちになりました。
家族との絆や友達との関係、そして淡い初恋も物語に彩りを添えていて、最後まで爽やかな読後感を味わえます。
推しポイント
1.主人公が裁縫好きであることを隠していたこと
一番驚いたのは、主人公が「男の子だから裁縫が好きだと言えない」と思い込み、自分の好きなことを我慢していたことです。
好きなことを素直に話せないほど周囲の目を気にしている姿は切なく、性別による固定観念の強さを感じました。
2.リラちゃんが大切なワンピースをトモに託したこと
お母さんとの思い出が詰まった大切なワンピースを勇気を出してトモに預けた行動に驚きました。
それだけ主人公の腕前や人柄を信頼していたことが伝わり、とても温かい場面でした。
3.主人公が最後には自分の「好き」を受け入れたこと
周囲の目を気にしていた主人公が、少しずつ自分の気持ちに正直になっていく姿が印象的でした。
勇気を出して一歩踏み出すことで、自分らしく生きられるようになっていく成長に心を打たれました。
この作品を読んで「好きなことに男らしさや女らしさは関係ない」というメッセージが自然と伝わってきました。
主人公の成長を通して自分らしく生きることの大切さを改めて考えさせられる物語だったと思います。
こんな人におすすめ
1.自分らしさや「好き」を大切にする物語が好きな人
2.性別による固定観念について考えてみたい人
3.派手な展開よりも、登場人物の心の変化をじっくり味わいた
い人
逆に合わないかもしれない人
1.スリルやアクション中心の作品が好きな人
2.テンポの速い展開や刺激の強いストーリーを求める人
3.ファンタジー要素や非日常的な世界観を楽しみたい人
この作品は大きな事件が起こる物語ではありません。
しかし、「好きなものを好きと言える勇気」や「自分らしく生きること」を優しく描いた作品です。
読後には誰かの価値観ではなく、自分の気持ちを大切にしていいのだと、そっと背中を押してもらえる一冊だと感じました。
まとめ
サッカーが大好きな小学6年生の主人公には、裁縫が大好きという誰にも言えない秘密があります。
ある日、リラちゃんから思い出のワンピースの修繕を頼まれたことをきっかけに自分らしさと向き合っていく物語です。
「好きなことに男らしい・女らしいは関係ない」というメッセージが心に残りました。
裁縫を通して人との絆や思い出が描かれ、主人公が自分の「好き」を受け入れて成長していく姿に感動しました。
主人公が周囲の目を気にして裁縫好きであることを隠していたことや、リラちゃんが大切なワンピースを託した場面が印象的でした。
主人公が自分らしく生きる勇気を見つけていく姿も見どころです。
自分らしさや心の成長を描いた物語が好きな人におすすめです。
反対に、アクションやスリルのある展開を求める人にはあまり向かないかもしれません。
『ライラックのワンピース』は、自分の「好き」を大切にする勇気を優しく教えてくれる、心温まる一冊でした。




