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720時間の弾丸  作者: 一条一
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事後処理

襲撃が大かがりだった事を重くみたCIAは、車両の入れ替えを勧めてきた。最初は、表立って関与しているのを隠していたかったCIAだが、テロリストが外部に暗殺を委託していると分かると、慌てて協力的になった。「大臣」は、会議再開3日後に自分に対する脅威が排除され、これにいたく感激して「是非、私の専属ボディーガードになって欲しい」とまで言った。「池上」は、自分は他にも仕事が詰まっている為無理だが、「シェルパ達には自分から頼んでみる」と少し勿体付けた。実はシェルパ達は、今回のボディーガードの仕事が終わると、丁度契約切れとなる為、一旦故郷に帰るという。少しの休暇の後は特に予定が無いと「池上」は聞いていたので、この話しをシェルパ達に持っていったら、「是非」との返事だった。グルカ兵は薄給で有名であり、今回はシェルパ達は民間軍事会社の仕事だから、いくらか身入りが良いが、それでも「池上」に比べたら雲泥の差である。それを知っている「池上」は、給料の良い私設ボディーガードに彼等を勧めるつもりだった。「池上」は大臣に交渉して、今の4倍の報酬で話しをまとめて彼等に伝えた。グルカ兵達は諸手を挙げて喜び、「池上」に抱きつかんばかりに礼を言った。「ボディーガードの仕事は、ガードする人物との信頼関係が大切だよ。ワガママを聞いてやっていたら、守れるものも守れなくなるから、こちらの進言を聞いてもらえる関係を構築しなければならない」とシェルパ達に伝え、残りの会議期間を過ごした。しかし、CIAが用意したハンヴィーがトラブル続きで、大臣が「アメリカ車は壊れてばかりだな」とつぶやくと、「池上」が、「近々ハンヴィーのエンジンが、日本製に変わるらしいですよ」と言うと「あのアメリカも日本車の性能を認めるざる得ない所まできたか」と高笑いした。

会議期間も終わり、「池上」がレンジローバーをアメリカに送り返す手続きを済まし、使用した銃器も空軍へ返した。シェルパのリーダーは、「あのレンジローバーはアメリカに送り返すのですか?」と聞いてきたので、「あぁ、そうだよ。ガラスや装甲、足回りも50BMGで撃たれたけど、なんとか自走できるし、ここに置いて行くと、CIAが悪巧みしそうで…ね」とクイっとアゴを車に振った。シェルパがその先を見ると、スラックス姿の男が物欲しそうにレンジローバーを覗き込んでいた。「なるほど」とシェルパは笑い、ビールでも飲みましょうと「池上」を誘った。

「池上」は次の日、民間機でバクダットを飛び立ちアメリカに帰国した。

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