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第84話 マレの野望 挫折 自縄自縛 


  やればできる ( ° д ゜) 良い言葉ですね




「狸族集落より全兵士の撤収が終了しました」

会議の場、ハクが報告を終えた。

本日の会議。

狸族新族長の紹介と挨拶、狸族の今後について。


「カラチ伍長、私の方から今日付けにて軍曹に任命する。任命式は、すまんが落ち着いたら後日行う。狸人新兵はカラチ軍曹に預ける。斥候、弩、ゲリラ戦術訓練の程よろしく頼む。」


マレの言葉にカラチは立ち上がり敬礼にて返した。

 狸人もまた猫人同様に小柄であった為、斥候兵としての運用がなされる。

会議、狸族の今後について大方の方針を皆と共有し最後に。


「戦わずして勝つ、此れ最良である。五分勝ち、すなわち引き分けで良しとせよ。勝利大勝圧勝は心に慢心宿る。皆気を引き締め今後も臨んでもらいたい。」


マレによる締めの言葉を終え会議場の皆に何か報告はと促され鬼族族長が挙手した。


「私事で恐縮ですが此の度身籠りました事、御報告します。」


ユウ族長の妊娠報告に会議場内が湧いた。

数年前迄は存亡の危機に在った各部族にとって子供が産まれるは祝事。

周囲から祝いの言葉をもらい補佐官が当面の鬼人族長の業務削減と出産育児の為養護院利用予定を報告する。

マレもまた当たり障りなく祝辞を述べた。


「報告遅れて、ごめん。マレとの赤ちゃん。」



      Σ( ° д °;) あッ 


「実はね、他の娘達もできたみたい。二人かな」



      ΣΣΣ( ° д ゜) あッあッあッ


会議場内、集まった皆から祝福の言葉を受ける詐欺師マレ。

四人の狼義兄弟もまた満面の笑みで祝いの言葉を口にした。



 やればできる ( ° д ゜) 良い言葉ですね

 

 避妊の大切さを _卜‾|○ 教えてくれる



 三児の父になる

仕事と異なり、私事は日々流されてきたマレ。

突然の事に激しく動揺した。

金無し職なし家族友達無し借り住まい。

無い無い尽くしの前世、今生にて全てが逆転していく事に不安を憶える。

 他者から祝福される自分に不安を憶える。

(稀人)の本性本心本質は余りにも卑屈自虐自罰繊細過ぎたのだ。

 動揺の余り詐欺師の仮面を被るのも忘れ周囲からの祝福の言葉に機械的にありがとうと繰り返すばかり。



「皆様、此処で冷静に成って頂きたい。」


鬼人族長補佐官の一人、狼少年が声を挙げる。

祝いに湧く皆の視線が集中した。


「鬼族は度重なるレキ国からの襲撃で疲弊しておりました。鬼人男子は僅か十名、連合体代表のマレ様を()()()()十一名でございます。」



  おい!?おまΣ( ° д °;)ナニいいヨット!! 


「しかし!しかしですッ!」


   いちいち(´ω ` ;)強調するなッ! 


「此れより!今より!我々は冬の時代は終わり春の時代を迎えるのですッ!良いですかッ!今後鬼人族女性から産まれる子供達の9.1%は連合体代表マレ様の実子です、いや、、、連合体の代表として十人に一人はマレ様の御子を授かれるよう皆で努力して行かねばなりません!」



  やめろおおお(´;Д;`)おおおおおお

    俺を コロス き かッ!

  アッ――――( ゜∀ 。)―――――


 そのまま補佐官各位と文官にて事前作成された出産育児に対する社会保障草案が提出され、会場内皆から万雷の拍手をもって可決となる


    (´;ω;`)うっうっうっ


男の苦悩を周囲皆が感動しておられる!と勘違いした。

   未だ 時代は 多子多幸


 暫し呆然とした詐欺師は重要な事に気付く。


「皆、ありがとう。ユウも他の二人も体を労ってくれ。」


しばし間を空け。


「しかしだッ! 此処に宣言する。たとえ私の実子であろうとも特別扱いはしない!今後の学業就業、公務に就けば昇進。縁故での有利不利は一切認め無いッ!全ては個人の力量次第。私の下、全ての者は機会の平等であると心得よ。」


連合体代表としての立場を一切崩さず。

一部族への忖度肩入れ利権特権を認めず。

部族間の軋轢、派閥争いを許さず。

男の宣言は鬼族以外の部族に対する保障。


    (´・ω・`)平等な

    (´・ω・`)ただし 俺は のぞく



 此の後、養護院に度々訪れる男。

 深夜、独り出産育児に関する情報をパソコンで 

 検索、資料を纏める男。

 天降二年 晩春

「次は、犬族か、、、」

 くたびれた男が独り呟いた。   




短話で申し訳ありませんがここで区切ります

            万記 m(_ _)m

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