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第80話 源義経 落ち延びて?北国♪

 

  下の情をしる事はこれ虚無僧たりし故なり

               水野 勝成




 (‘・ω・) ン〜 定番の麦粥用に大麦な

 (´・ω・) 念の為に塩も買うか


 雑貨屋に立ち寄り各種食料を物色するマレ。

不本意な愛人業を終わらせた事で気持ち晴々と、

 へ?アルウル?(´・ω・`)しらんがな。

幼い少女の話を聴けば、食べる物が無い、母親は寝込んで動けない、食べる為に鳥を盗んだ。

 貧困と飢え、今日食べる物が無い事への恐怖、今日無いのなら明日(未来)も無くを男は身をもって識っている。

 大量の食料と共に訪れた少女の荒屋(あばらや)に足を踏み入れ安堵する。


 ああ 良かった 食べれば 明日へ繋げる


栄養失調で寝たきりの少女の母を前にして瞳潤むのを隠す様に買ってきた薪に火をつけた。


 (´;ω;`)煙が目に染みただけだを


麦粥が出来上がる迄果物をすり潰し果汁を得て水で薄めた物を母娘に飲ませる。

母娘の世話をし荒屋の隅で眠る。





|・`ω・´) 敵影ナ―――シ

(・∀・)ヒャッハァ〜


 男は自他共に認める悪党、源義経である。

翌朝、大胆にも愛馬DANGANと共にレキ王族専用狩場に訪れ食用野草と獲物を狩り薪用の枝を集める。


 レキ女王?王女? (´・ω・)、 ペッ!

 なんぼのもんジャイ! (`ω´)

 うひょーヽ(°∀°)/お宝ざくざくですやン!



「ども〜 これ、お裾分け」( ´∀`)

夕暮茜 黄昏時

周囲、荒屋が疎らに立ち並ぶ家々を周り貧者に解体処理した塩漬け肉を配ってまわる。

最初は訝しみ警戒するも食うや食わずの貧者は差し出された塩漬け肉を眼の前にごくりと唾を飲み小さく頭を下げ無言で受け取る。

 礼の言葉一つ無い貧者を前にしても男は只、にこにこと笑むだけ。

 何人も貧しい女達が茜空の下笑みかける黒衣の男を見た。






 食うに困り生活立ち行かないならばロレ女王国を目指しなさい。

 ロレ国、ライン陛下ローレライ、ローレン両殿下の慈悲に縋りなさい。

 ロレ王族の皆様が良いように取り計らってくれるでしょう。



 四日目の朝

剥き出しの土間、簡素な木製寝台と机一つの荒屋。

机の上にはロレ国迄の道程を記した手描き地図とレキ銀貨十数枚。

幾分か回復した母親は寝台端に座り幾度も頭を下げる。

幼い娘が男の腰に抱きつくをそっと頭を撫で。

黒衣の男は背を向け朝の光の中にとけていく。


  手描き地図の裏書は客人恵比寿









  (´=ω=`) 悩ましいぜ


  ロロ村アル渓谷経由アル渓谷砦ルート


 ▷レキ国マキウス砦マルトゥスク国経由ロレ国


 ()()ルートに悩む事しばし。

皆に迷惑をかけまいと西、マキウス砦へと馬首を向けた。

 堂々と女王都ルーアンで宿を取り一泊しマキウス砦入りする。






「失礼します。通行書を拝見できますか。」

マキウス砦前関所に並ぶ列後方に混じる漆黒巨馬とマレに五人の兵士を引き連れた小綺麗な服装の将官らしき三十路女が物腰柔らかく穏やかに笑んだ。

並ぶ列も途中、誰何されるような時でもなし。

何かがあるとマレにも理解る。


 ( °ω° ;) ま ま ま まだ

   慌てる状況じゃない たぶん、、、


 笑顔で相対するマレと将官、周囲を五人の兵士が囲む中、外套内ポケットより紙製の通行書を取り出し手渡した。


 ('A`)クソッ レキ国 滅べ


マレは砦内の一室に軟禁されたのだった。







 マキウス砦 応接室。

柔らかく座り心地良い長椅子(ソファー)に深く腰掛け背を預ける。

壁際に飾られた調度品と眼の前豪奢な長机に今のところは客人待遇かと自身の立ち位置を確認し時間を持て余す。

二十分も待つと扉がノックされ先程の将校らしき女が茶を運ぶ女兵士と共に入室する。

茶を供し一礼し退出する兵士、将校は長椅子に腰を下ろし頭を下げ一礼のち自己紹介を始めた。

女の名はパプス・ルブール、マキウス砦の副官を拝命する。


「大変お手間を取らせ申し訳ございませんミナモト・ヨシツネ様。どうか、茶と共にお寛ぎ頂きお話しを聴いて頂きたい。」



「王女殿下よりミナモト様が関所に参られましたらお引き留めするよう仰せつかっております。」



「なんでも、愛人の可愛い我儘を笑い飛ばす器量に足りず怒らせた、迎えに行くので引き留めておいて欲しいと、お言葉を賜っております。」


終始柔和な笑みにて説明するパプス。

マレはティーカップ片手に相槌をうち聴き手にまわった。


 (´=ω=`) 隙をみて逃げるべきか迷うな


此処はレキ女王国の重要拠点、マキウス砦内部と応接室内、目に付く範囲の観察は終えていた。

今後の事も考え待つべきか逃走しレキ国との関わりを断つべき思案する。


「殿下が御到着なされるまで二日間程、砦に滞在して頂きたいのです。身の回りのお世話に従者もお付けいたします。ある程度の自由行動もお約束します。私も殿下の手前もあります。御協力願えませんでしょうか。」


頭を下げるパプス。

砦の副官とはいえ雇われ中間管理職、彼女の立場を思えばと僅かな情と今後の立ち廻りを考慮しマレは了承するのだった。


「パプス殿の御手を煩わせ申し訳ありません。暫く此方にご厄介になります。」


眼の前、下げられる黒髪頭にパプスは拍子抜けした。

王女を困らせる我儘な愛人と伝え聴けば身構えもするし機嫌を損ねぬよう注意も払う。

今、眼の前で長椅子の座る男は分別のつく大人と判断した。

 そして、パプスの心に男に対する興味が湧く。

茶を淹れなおし茶請けの焼き菓子を用意し個人的な時間と歓談する。


「お預かりしている弓ですが、あれ程の大弓は初めて見ました。もしかしますと、ミナモト様は異国のお生まれですか?」


「ええ、遠く遠く、東の海を越えて参りました。あの弓は故国独自の形状ですね。」


珍しい大弓、黒髪、黒瞳、肌の色、もしやと思い尋ねればであった。

パプスの瞳が輝く、自分の識らない異国、子供時代のときめきが再燃する。


「あの、あのッ、お国の名前とお話しなど聴かせて頂けませんか。」


パプスの懇願にマレは紅茶一口、咽を潤し茶飲み話程度にはと。


「国の名はZIPANG。海に囲まれた島国です。ん〜国土はレキ国の領土の五倍程でしょうか?四季がはっきりとしております――――――――」

春は桜の花が美しく、微睡み誘う季節です。

夏はしっとりと蒸し暑く、昼間は蝉の音、夜は蛙の鳴き声がよく、とてもよく聴こえます。

秋は枯れ草、紅葉、木々の色づきが風情あり、此の季節は何を食べても美味しいですね秋の味覚と呼称する程に。

秋の秋刀魚は特に脂ののりが良く絶品です。

冬は寒く地方によっては人の背丈を超える程に雪が積もります。

国土は山がちで平野部は少なく水が豊富です。

木々が生い茂り草の繁茂激しく放って置くとすぐに雑草に塗れますね。


男の話しに目を閉じ聴き入り想像する。

「とても、豊かな土地なのですね。」

瞼を開け答えたパプスにマレはニヤと笑んだ。


「実はですね、人が暮らすには、そこそこ厳しい環境なのです。」


「ほほう」


「人々はわずかな平野部に住み農耕がしたい。山々に蓄えられた水は急流となりすぐさま海へと流れていく。条件の良い土地は奪い合いとなり川は度々氾濫する。故に土地を守り、治水工事もせねばならない。―――――」

人々は厳しい環境の中で知恵を出し合い必死に生きます。

強く、逞しくあらねばならない。

幾度もの戦を経ていつしか島国は一つに纏まります。


「そして、皆で協力し貧しい国はいつしか豊かな国になりましたとさ。めでたし、めでたし。」


男の締め括りの言葉にパプスはクスリと笑った。


「寓話風なのですね。では此の寓話の教訓は?」


「人は力合わせれば苦難困難も乗り越えていける」


パプスは柔和な笑みを深め頷き一礼する。

部屋と御付きの者を用意させて頂きます自分は仕事へと告げ応接室を退出した。



マレは度々、兵士に見張られながら砦内を散策した。

重要拠点マキウス砦の石壁の厚み、地下室や兵士の宿泊待機部屋、資材保管庫等々、中に入る事は出来ずとも位置把握には一切支障ない程には自由を許されていた。

時折パプス副官から喫茶の誘いを受け彼女の話しを聴きZIPANGの話しを聴かせ教養人であると互いに認め合う関係を構築した。

有意義な時間を過ごしていた。








 レキ・アルウルはマキウス砦へと向かう王族専用馬車の中で三枚の紙を真剣に読み込んでいた。

〈愛人と気不味い時の接し方と周囲への対応〉

レキス・アーシス直筆の教本を熟読し、いざ戦場の心持ちで臨む。




「男心というのは難儀なものよのう。まあ、その我儘に応えてやるのも器量というものか。貴君にも迷惑をかけたな。」

砦の廊下、パプス副官に先導され進む王女殿下は周囲に侮られまいとアーシス直伝男遊びの出来る粋な王女を演じパプスは滅相もございませんと返す。

 扉の前でパプスがノックし一声、中から返る男の返事を聴き扉を開けた。


「ヨシツネ!迎えに来たぞ。許せ、帰り道欲しい物の一つ二つ買ってやろう。お前に似合う服や宝石などな。妾も狭量であった。次は多少の我儘も聞いてやる。」


 よし!(๑•̀ㅂ•́)و✧言い切った!


扉前にて一息に言葉を告げ満足気に笑む少女。

パプスから茶の誘いかと勘違いしたマレは少女を一目見て、


 (ノ∀・) ((; ´ д ` ))       ( ° 益 ゜)


   露骨に嫌そうな顔をした。


マレはチラと砦副官パプスを見れば有能な官吏は察し、御用の際にはお呼びくださいと一礼しその場を離れ、、、いや逃げた。

男の表情を前に余裕の笑みは崩れ落ち沈黙の時が流れる。


“はぁッ”


男の呆れ混じりの溜息に少女の肩がびくりと跳ねるを無視しマレは対面の長椅子を手で示し。


「殿下、お掛けになられては如何ですか。」


 ( 'ω ` ;) え えっと ここは

 〈常に近くで体に触れる〉 だったな?


 遊び人の従姉妹の指導書を思い出し対面では無く男の隣りに座ろうとするアーシスを丁寧さに冷たさを含む声がピシャリと拒絶する。


「殿下、此方の席でございます。」


 (´;ω;`)ああああしすううううう


 二人だけの空間、己が独りで対処できぬ状況に少女の胸は悲鳴を挙げ只俯き無言で対面の長椅子に座る。

向かい合う男女、男は前を向き無言で、女は俯き無言で、時だけが過ぎていく。



“はぁッ”「殿下、どの用なご用件でございます」


「む、迎えにきた」


「私はもう帰るのです長く自宅を空けました」


「う、うむ。では見送ろう、そのなんだ後一日位は余と過ごさぬか」


「私と殿下との関係は終わったものと理解しております」


「わ、私は寛容だ、愛人の多少の我儘など笑って許す」


 言ったぞ! アーシスこれで!ヨシ! (/ω・\)チラッ



「殿下」


「う、うむ」


「殿下は寛容であるべき時と相手を履き違えていらっしゃいます」


 あああああしすううううううう(´;ω;`)


“コンコンコン”「御茶をお持ちしました」


茶を供し直ぐ様に退出した従者、マレは茶に手をつけるもアーシスは俯き沈黙するのみであった。

マレの心の中に、


 何故、俺が此処まで言わねばならんのだ


湧き上がる怒りを抑え、是非も無しと話しを続ける。



「殿下は、あの時、私を斬って捨てれば良かったのです。王族の体面を守る、どの様な法であろうが法を守る為に“此の傾城傾国が”と愛人を斬って周囲の皆に知らしめる。此れ苛烈でございます」


男の言葉は余りにも、少女は思わず顔を挙げ愛人の真意を計ろうとするも理解できず。


「そもそもで御座います。あの時、あの場所、鳥を盗んだ子供と近衛を前にです“稚児にも此の狩場の良さがわかるか 気分良い 持って帰るがよい” と笑って告げれば場は丸く治まったでしょう。此れ寛容で御座います。器大きもの、大人(たいじん)、此れ徳高き為政者で御座います」



男の説法を前にし王女殿下は長椅子の上で身を小さくし俯くばかりであった。

今の今迄、彼女に諫言する大人は皆無。

此処まで言葉尽くし行動に出る者は時折会う此の奇妙な愛人だけであろう。

此の室内に居るのは十代の物識らぬ少女でありながら次代の女王。


「殿下、私に対し文句罵倒の言葉は御座いますか。お聞き致します」


「い、いえ、ありません」


フッ、と吐息しマレは眼の前の茶を飲み干した。


「王族たる者、国を支える者には寛容を、国傾けようとする者には苛烈を。時と相手をお間違えなさるな。」



  ( 'ω ` ;)よ〜し よ〜し よ〜し

   それっぽく纏めて 此処で!

     撤退|・`ω・´)だッ!



 黒衣の男は長椅子を立ち深く一礼を


「殿下 どうか御健やかに 失礼します」


 背を向け扉に向かって足を踏み出す一歩二歩、



  ('A`)クッ マタカ

 マレははいごにまわりこまれてしまった

 にげられない

 ▷たたかう

  ぼうぎょ

  にげる

  ( 'ω ` ;) 運 運なのか

      それとも素早さが足りんのか?

  ( °д° |||)バックアタックからの

  クリティカル アッ―( ゜∀ 。)―



「いま いま 逃したら もう 二度と 会えないのであろう いくな」


十代少女の涙声

ありのまま そのままの アルウル


「気に入らないところは治す 行かないで」


背後、男の外套を掴み声を震わせて

黒衣の男は どう応えるべきか暫し逡巡し



「下の情をしる事はこれ虚無僧たりし故なり」


男から突如でた言葉

少女は理解できず只掴んだ外套を離さぬよう


「昔の方の言葉です、、、そうですね、君主の子として産まれ、一時乞食同然の生活を経て君主となりました。若き頃は酷い乱暴者でしたが不思議な事に君主にあっては名君でした。曰く、”平民の気持ちが理解るのは自分も心貧しい者だ 為政者とは理解し越えて行かなければならない“」



「王侯貴族とは、そう在るべきなのでしょう。庇護すべき民を小汚いと言える貴方が、私は、嫌いです。」


拒絶の言葉、アルウルは黒衣の背に顔を押し付け声を挙げて泣いた。


「ご、ごべんな さい」


「まだ十七歳 此れから生き方も変えられます。パプス殿にお願いし一泊していきます。明日の朝までは甘えてもいいですよ。貴方はまだまだ若い。」


向き直り泣きじゃくる少女をそっと抱きしめる。

未だ恋の熱病を患う少女。

優柔不断に先延ばす胸中複雑で行き着く先はどちらかの破滅を男だけは知っている。



  

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