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第65話 オレサマ カンゲキ!?  2

 

  中天に昇った太陽。


午前の部を終え休憩にはいる。

劇団には差し入れが届けられ、観客は客席で持ち寄った軽食を摂る。

 公演期間限定商品。

無料の麦茶 有料のアラ汁、おにぎりを求め客でごったがえす店内。



 モグモグ( ´ω`❨*)( ´ω`❨*)( ´ω`❨*)( ´ω`❨*)

店外、立食席にて塩むすびと麦茶を摂る虎人達。

「中々に刺激的な体験だった。」

おにぎり一個、二口で食し舞台感想を告げる若衆。

休憩時間、販売手伝いに来てくれたアイとサジ、更には初に任せハクと共に彼等と歓談する。


「ハル、若いよな。族長継いだのは最近か?」


問われ若き族長は指折り数える。


「族長になり三度目の冬を迎えた。」


大凡三年前、余りにも若すぎる族長就任、マレの微かな動揺を察しハルはニッと笑い。


「族長であった父が早くに亡くなった。有力な男衆も共に亡くなった。」


想い出すかの様にハルは視線を上げ冬の青空を仰ぎ見る。

共の若衆三人は口を引き結び沈黙する。


「偉大な父だった。共に亡くなった先代族長を支えた兄貴分も皆勇敢だった。俺も周りの支えあって、何とか族長をやらせてもらってる。」


狼人ハクは両目を閉じ腕を組み何やら物思いにふける

三年程前。多分そうなのであろう。彼、彼等の事情を察せたマレ。


「マレ殿」

「マレ、呼び捨てでいいぞ。ハル。」

ハルは一度頷きマレを真っ直ぐに見つめ。


「次も 敵は 来るか?」


「来るな、んーと、冬を二度越えた先にて、多くの人族が来る。準備に時間が掛かるようだ。」


ザワり若衆、族長は瞑目し。

「そうか、教えて頂き感謝する。」


虎人の胸に想い思い渦巻く。




客の波が引き始めた頃だった。

族長席へ戻るハクとハル、虎人。

午後の部、裸の城の公演が始まる頃合い。

縁屋に団長ヨシエが血相を変えて飛び込んできた


「たたたた、大変やでええええええ!」ヽ(`Д´)/

「え、あ、はい?」( ゜ д ゜)







「チヨちゃん、奴隷と王女様の客受け、すごかったね。緊張してきたよー。」


舞台袖から覗く観客席。

海浜町の2/3の町民が集っていた。

皆、次の演目に期待膨らませ香草茶を淹れ小匙一杯のメープルシロップと共に家族友人と喫茶しながら始まるのを待った。


「だだだ、ダイジョブ、うちらの げ、劇もおお受けやって なあ? あ〜ジュンちゃん、景気つけとこか?」


緊張MAXのチヨ。

彼女の背後には火鉢。火鉢の上に掛けられた鍋には湯が張られる。

鍋の湯に並ぶ銚子多数。

差し入れられた日本酒、熱燗。


「そうだね~一杯だけ」(*゜∀゜)


火鉢横、ちゃぶ台上のお猪口ではなく湯呑みを手に取る夫婦。


「か〜んまい!」( ´∀`)


「ぬるめがいい!」(´=ω=`)


豪快に飲むチヨ、ぬる燗に心落ち着くジュン。

「ささ、もう一杯。」

「おととと はい、チヨちゃんも一杯。」





     フム(・ω・`)

     う (´・ω・`) む

       (´・ω・)フム

    しらん(´・ω・`)がな

団長と共に駆けつけたマレ。

舞台横、控え空間。

床に転がる無数の銚子。

寒い冬、熱燗、あまりにも相性良すぎたのだろう

飲みやすさ、そして酔いのまわり早い熱燗。

へべれけ呑兵衛夫婦。

幸福な表情で寝入る若い夫婦。

両親の寝顔を覗く裸の城用衣装に着替えた娘サチコ


「どうしたらええ?」

「まずは〜そおっすね~姑息に、姑息に。」

「姑息に?」

「時間稼ぎ!お〜い臨時書記官、縁屋、閉めさせて、ケイとシウ呼んでくれ、マクが作ってる希少商品を持ってな。」




「あ〜困ったな〜」(/ω・\)チラッ

「困ったこまった」(ノ∀・)チラッ

「ほんまにな〜」(・`ω・´)ガン見

団員達が全く困った風も無くローレライ王女をチラチラと見た。


「あ〜若が子供の頃演じてくれたプリントも〜一度観たいなぁ〜」( ´∀`)


「そやな〜」ヽ(°∀°)/

「ええな〜」ヽ(°∀°)/

「姫様ぁ〜」ヽ(°∀°)/


「は!? コロッコおらんやろ。」



     ジー( ゜ д ゜)( ゜ д ゜)( ゜ д ゜)( ´∀`)

(´・ω・`)ン?


おばちゃん団員の熱い視線がマレに一斉に集中する。


「軟弱かつWILDやん」

「軟弱でナルシーやん(ナルシスト)」 

「俺様カッコいい自己主張、最高やん」

「ヒモぽくて、ええやん」

「クズぽくて、ええやん」

「全身黒ずくめがとくに駄目男臭プンプンでむせるやん」


“まっさにコロッコを演じる為に生まれた男やん”


     ニパッ(*´ω`*)(*´ω`*)(*´ω`*)(*´ω`*)

(´・ω・`)ナンデヤネン






 舞台の幕が上がる。

観客は待ってましたと拍手をおく、、、、る手を止めた。


「ケイで〜す!」ヽ(°∀°)/

「シウで〜す!」ヽ(°∀°)/


何が起こった?と舞台を注視する観客。


「海浜町、出張演劇公演!ロレ国、ローレライ商会、地場劇団員の皆様、御協力のもと!」

「縁屋恵比寿の提供でお贈りしております!」


「ハイ! じゃ!ジャ〜ン!」

「海浜産! お米酢ううう!」


「こちら縁屋恵比寿にて 小徳利にて一本三縁」

「え〜ケイぃぃ 三縁は高くなぁ〜い」


「なにをおっしゃいますか!? 奥様〜あ! 貴重、希少な、お・酢。」

「え〜それ〜酸っぱすぎだしい〜ぃ うゲェ〜」


「ハイ!? 何で直飲みするのよ!」

「え〜?」


客席、一部の者がプッと噴き出す。


「お酢! 刺し身に漬けて うんまぁ〜」

「お酢と魚醤を混ぜて焼肉、刺し身に漬けたら!?」


「それは、もう、恋い焦がれるほどに!」

「乙女顔で 食い気かYo!?恋に落ちるなYo!」


ツッコミ役シウがケイの後頭部を軽くはたいた瞬間。

どっと客席が沸いた。


「お酢と魚醤のWパンチ!きっと貴方も恋に落ちる。」

「落ちねーYo ケイだけだYo!」


「あ!? 縁札大量に持ってるイケメン彼氏募集〜〜ぅ中〜ぅ。」

「おい、サラッと募集するな! 希望高すぎだろッ! お花畑でキャッキャウフフの夢見るケイちゃんかYo!?」


適度に盛り上がりをみせる客席にケイとシウは安堵する。


「ハイ! 大事な告知もできましたし、お次の商品は〜。ケイ教えて!」


「そうそう、私の大事な大事な彼氏募集告知もできたし〜」

「ちょ!? お酢! お酢の商品告知! お前の婚活とか しるかあああああ!」


沸く観客、次のネタへ移る狼少女二人。


「じゃ!ジャジャァーン!! 酒粕ううう」(*゜∀゜)


「ペッ 日本酒の搾り滓で ぼたったくり乙」

        ( ゜д゜)、ペッ


「シウうううう! 言い方あああああ!」


シウの毒舌 狼狽えるケイ。

客席がまたも沸いた。





「お〜うけとる、うけとるで〜」


寝入る夫婦、毛布を掛けられた二人の横でヨシエさんが客席の状況を伺う。

場繋ぎ、即興CM漫才ネタを作成しケイ、シウにネタを披露させる男。

今、マレは団員に共通語の台本を読み上げてもらう。


「あーええな、地場演劇で市場の広報してもろうてローレライ商会でお金だせるやん。協賛金やな。」


一人の団員によるマレの為だけの駆け足朗読劇が終わった。


「いけるんか〜マレぇ〜」

「無理。」


「はぁ?どうすんや?今日は中止か?一日公演延長もええやろ。」

「それは無い。観客の気持ちが冷めるしな。」


「じゃぁ〜」

「大凡の流れだけ掴めてりゃいいんだよ。あとは即興、ローレ、フォローたのんだ。」


「はぁ〜毎度無茶いいよるで。マレの、そ〜いうとこは尊敬するで、ほんま あほ やろ。」


「若ぁ、それ誉め言葉ちゃうで〜」( ´∀`)ケラケラ



生演奏が始まる

前奏の始まりに

狼少女達が疲れた表情で舞台袖へ駆ける

舞台の幕は上がり

役者は揃った

観客の期待が万雷の拍手に変わる










整美された道など無い

 男が歩くはいつも荒野

  幾度小石に躓くも

   立ち上がりて進むが宿命さだめ

   男が背負う重荷は天命

   黒衣を纏いて北の大地を今日も征く



   次回 予告

        “裸の城”

  男の放つ 美臭に 女達は むせる

           

            作詞 メモ魔の書記官

          【客人公記より一部抜粋】

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