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第62話 マレの野望 革新 パワーアップキット(4)


 早朝、皆の為にと炭火熾し。


起きてきたサジ、初と柔道の稽古。

午前、子供達に勉強を教えるか作業小屋で作業。




午後。海浜町、厩舎前。

「プラノは人にモノを教えた事はあるか?」


「教えた事も教えられた事も無いですね。しごかれた事なら数えきれず。要はしごけば良いんですよね?」

まだ二十歳前の娘である。

人生経験不足だろうなと想像はしていた。

シゴキ、体罰。

マレは彼女の前で露骨に嫌そうな顔をしてやる。


「な?なんですか!?教えるなど造作もない事です。」


「プラノにイジメられて喜ぶドMヘブンズMAX状態な奴ばかりじゃないんだぞ?あと俺はプラノイジメて興奮、ドSヘブンズMAX!」


言葉の意味はよく理解らないがディスられていることは察したプラノ。


「一番目、説明する 二番目、実演してみせる 三番目、やらせてみせる 四番目、評価する。でな? 四番目、評価。人ってのは悪い部分に注目しがちになるんだわ。悪い部分を正す。必要な事だけど、相手の良い処も探す。時には良い部分を伸ばしていく事も考えなきゃ駄目。人にモノ教えるってのは奥深いの。」


両腕を後に組み静聴するプラノ。

マレは諭す様に説明していく。

教育時の安全確保、怪我時の対応。

礼儀礼節と上下関係。


「教えるってさ、生徒を育てるんだけど、教える側も教える事で理解が深まり学ぶんだよ。先生もまた生徒に育てられてくんだね。以上です。質問ありますか。」


「マレ様、自分が未熟でした。」



一通りの説明を終え、横の机でチーズ、ヨーグルトを婦人会の女性陣と試食するマクに声を掛ける


「ハァ、女性に囲まれ優雅な一時、マクさん羨ましス。」


「お前が い う な」(´=ω=`)(△△)

マクと婦人会の皆と笑いあう。

「マク、職場見学、手伝いの子供達向けに乗馬教室開きたい。先生は、プラノね。」

おっけ〜と軽い返事で了承するマク。

マレの言葉に動揺するプラノ。


「兵の教練ではないのですか!?」


「兵を教練するプラノの為の教練だな。子供達の安全を確保しつつ、乗馬に興味を持ってもらう。教えるって時間がかかる。教える人を育てるのは、もっと時間がかかる。焦るな。」


告げて後、手にしていた竹刀をプラノに押し付けるマレ。

くっそ生意気なガキはしばいて良いぞと言葉を添えて。


「そのうち、竹刀での剣術教室もやってもらうから。」

竹刀を握り締め、左手で物を確かめるプラノ。

変な棒だなと。

族長との話し合いがある、終わったら勝手に帰ってよしと伝え。


はぁ〜丸投げ丸投げ (´・ω・`) また一つ仕事減ったぜ。  

 オーバーワーク杉 (´=ω=`) ブラック杉






海浜町 五丁目 二番地区

公共施設建設予定地。

将来は役所、養護施設、中学校を建設予定の場所

現在は猫人、鬼人が公共施設で仮暮らしをする。


そのうちの一つ。会議場にて族長、族長秘書官、

書記官、軍関係の者、五十名程が集まった。


「はい、皆さん、お疲れさんで〜す。サクサクいきますよ〜。」


年末族長会議。

マレの軽い挨拶、生徒会、学級会感覚で会議は進む。

「ロレ国からの出張演劇公演会の日程が決まりました。述べ三日間。掲示板への告知、族長から皆への連絡。必ず一日は演劇を観るよう、お願いします。」


マレ連絡、狼族長ハマが手を挙げ質問する。

「演劇なるを見ると良い事が、あるのですか?」


「ハマ族長、質問ありがとう。人は食べる為に働き飯喰って寝る。それだけでは駄目だと思うのです。それでは普通の動物じゃないですか。私は皆さんに文化的な生活を提供したい。唄を歌う。楽器を演奏する。皆で踊る。皆で楽しい一時を共有する。娯楽が男女の秘め事だけなど、余りにも寂しい。」

時に男はストレートな物言いをした。

そして、此時、此の場所であった事が、災いした



鬼人族長ユウが挙手する。

話しの途中ではあったが質問、提案、反対を意見するのは良い事と彼女に発言を促した。

そう、此れが始まりであった。

マレは以降、いや、終生、会議の場で苦しみ、生涯に渡って苦しめられる事になる。

コロス (´ TωT `) キカ

まだ、この時、男は、思いもしていなかった。




「はい、ユウ族長、発言どぞー。」


「マレ殿()が、そうおっしゃるなら、そうなのでしょう。ですが先程の、男女の秘め事が鬼人族には圧倒的に足りておりません。」


「え?」 ぇ?(゜Д゜≡゜д゜)ぇ?


「そこでですね、マレ殿にも御協力頂きたく。あ、秘書官、具体的に数字を、お願い。」


「は?」Σ(゜Д゜|||)


「ユウ族長より御指名ありましたので失礼致します。はい、現状、鬼人族の性交渉事情は大変厳しい状況です。マレ()が参加していただければ、()()()()()()()()()10%の増加率と成ります。そう、()()()見積もっても!です!」




 やめろ! その数字マジック!!

 卑怯だぞ!(´;ω;`)


 俺一人増えても、たいして変わんねーよッ!

 クソ! 全部教えたの俺だ _卜‾|○


 %も数字マジックも弁論術も、、、、

 全部教えてやったににいいいい(´;ω;`)


 ここに来てうらぐるかあああああああああああ

  本能寺が燃えるうううううううううううう

ああああああ僕の僕の

     平蜘蛛釜どこおおおおおおおおおおおお



「秘書官御苦労。えー10ぱーせんと?なるは、鬼人族にとっても()()()()()()()()?でありまして、マレ殿()()()()()()なのは()()()おりますが、鬼人族の()()()()()()()()()で御座います。是非御一考頂き、()()()()()()にも、()()()()()()、頂きたく、お願いもうしあげます。」




ユウ! その手に持つ竹簡カンペはなんだああああああああああああああああああああああ


秘書官が作成した答弁書だろ!(# ;Д;)

マトモに読めないユウに耳打ちすなッ!!!秘書官!!!


ああ、言ったさ、言ったよ

他種族族長であっても、お前等、秘書官が支えてやるんだぞ、、、ってな

    氏ねよ俺の馬鹿 _卜‾|○




「あ、あ、えー 只今の提案ですが、あーえーと私、子供沢山、おりますし、そう!家が狭いんです! 無理無理無理無理、駄目駄目駄目駄目。」


ザワ ザワザワ ザワ ザワザワザワザワザワ

会議場が一斉にザワついた。

何だ、何が、起こった

だが 理解る ユウ族長は やりて 敏腕 族長



ごるああああああああああああああああああああ

ユウに耳打ちすなあああ 秘書官ン!!!

過労死させるきかッ!! ( ´ཀ`) 



「秘書官すまないが、説明をお願いする。」

「はい、家が狭い、ご養子が多い、ローレライ商隊の訪問、多々あります。そこでですね、現在、大工研修中の鬼人に小さい小さな極小のマレ様の専用寝室家屋を建てさせてみてはいかがでしょうか。職人の良い練習と練度も測れます。また、幼い御養子の皆様の、お世話係の鬼人女性一人をだすのも良いかと。」


「まて、まてm」


「御賛同頂ける族長、会場の皆様、御起立をお願いします。」


男の動揺こもる制止の声は掻き消された。

喋り続け、会議場皆を促し、仕込みの鬼人女性に、早々に起立させ、更に拍手迄させる。


会議場。

マレを除く全ての者が起立した。

会議場、マレを除く全ての者が拍手した。

万雷の拍手。

鳴り止まぬ拍手。

止まらぬ鬼人族長への賞賛。

採決規則を定めていなかった男の落ち度。

黒衣の男を除く会議場皆の賛同が決となった。

男を丸め込む必要は無い。

会場の黒衣の男以外の全てを騙せばよい。

将を射るならば馬を射よ。

兵は詭道、拙く神速、会場もまた言論の戦場。

なんの準備もなく騙される方が愚か。

何も知らず此の場所に立つのは愚将。



(´;ω;`) あ、あの野郎 グスン






 鬼人女性の権利一つを勝ち取ったユウ族長。

隣の席に座るハマとチョコが小声でユウを賞賛するも。

「いえ、困っていたら秘書官が相談に乗ってくれたんです。全て秘書官任せでした。」

日々、睡眠時間五時間のマレは、ぐったりとし机に伏した。

そのまま流れで会議は一時中断、皆が休憩の喫茶に入るのだった。






 喫茶休憩に気力充分な会議参加者達。

一人、涙目で起立するマレ。


「次の議題、私からの重要案件です。」


淡々と感情無く話す男。

各書記、秘書官、補佐官にはメモを取り全ての人に告知するよう指示をだす。


「段階的に配給量を減らし、近い将来、現在の配給制度を廃止します。」


男の宣言に会場はザワつく。

此の日一番のザワつきであった。

族長達も挙手し何か言おうとするも男は、これを手で制す。


「来月、新年度から配給を減らし、今年度末に、皆さんの手元にある紙を配ります。此方は給与、給料、給金として毎月1回、一ヶ月分の労働報酬として支払います。」


皆が自分の机に上に置かれた紙片に視線を落とし手に触れる。


「今、皆さんの前にある和紙は進呈します。」


話しを区切った時であった。

気持ちはやる猫人族長の一人が挙手する。


「はい、カラチ君何かな?」

「こんな和紙では、ご飯は食べれません。」


「はい、では、その紙を破ける人はいるかな?」


男の質問に室内、何人かの者が紙片を破く。

室内に挙がる紙を裂く音。


「はい、今ハマ族長が破かれたのは、百縁、百縁札紙幣ですね。最高額の百縁紙幣は大麦100KGまたは塩100KGと交換を予定しています。」


“ひぃぃぃ”

高位役職者程高額紙幣を渡していた。

ハマ族長同様に五十縁紙幣、交換券を破いた鬼人女性(ユウ族長)が悲鳴を挙げた。

壱縁、五縁、()縁紙幣を破いた者がとても残念そうな表情になる。

カラチ族長団代表も五十縁紙幣を手に硬直する。


「ふむ、成る程、そういう事でしたか。」


ハマ族長は二つに破いた浮世絵壱百縁紙幣を見下ろし下顎毛を撫で呟いた。

そこに一切の動揺はない。


「此方を縁札、年初より試験運用します。また、此の五丁目に縁札にて交換可能な店を開きます。交換所、縁札を物に、物を縁札を交換する店です。」


一度言葉を止め会場を見回し皆の反応、説明への理解度を観察する。

黒衣の男の発言を遮ろうとする者は皆無。


「一日働いて拾縁札一枚得られる用にと現行は考えています。伍長、文官は一日十一縁、軍曹、秘書官で十三縁、族長十五縁、私も族長と同額から始めます。」


言葉止め周囲を観察後。


「縁札と物の交換率は変動します。数が足りなく必要な物は多くの縁札を必要とし、数が多く皆も欲しがらない物は少量の縁札と交換となります。時には物と縁札の交換比率を会議での問題提起として扱われる事もあるでしょう。族長、秘書官、補佐官は今後必要になりそうな規則を思いついたら記録しまとめ草案を起草してください。縁札交換所の名前は“縁屋 恵比寿”」



  三拍の間が置かれた




  “我 客人 恵比寿が ここに宣言す”


我 此処に 紙幣制度を 始める也


我 危惧する 紙幣 貨幣制度 


此れ 大いなる福 大いなる禍 あり


我が子よ よく聴け 金が全てに成るなかれ


金の為に 人騙し 金の為に 人より奪う


金の為に 人を殺める


金を使いて 人の心に 魔が 宿る


心の魔 育ち 御しきれず


此れ 魔が差す 也


己を律せよ 心の魔を御せ


真 大事なもの 眼にみえず


眼にみえぬ 人と人の えにし 忘れるなかれ


我 全ての 我が子の さち願い


此処に 紙幣の単位 えん を定める


我が子よ 公の為に 税を 納めよ


公は 我が子を 保護せよ


公は個の為に 個は公の為に ある也


此れ 権利 と 義務 也


我が子よ 皆に 平等の 権利を 与える


我が子よ 公の為に 己の権利を守る為に


義務を 果たせ


我に従う者は 起立せよ


我に反意ある者は 此処を去れ


天降元年 十二月 二十八日

         太陽ノ昇ル連合国 正史

         編纂改訂天降102年3,1




男は詐欺師。

演説の奇才。

戦勝の熱狂。

未来への希望。

熱い(想い)を素早く(騙す)つ。




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