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第61話 マレの野望 革新 パワーアップキット(3)


朝からマレ主導、アイ補助にて原油精製作業他

を行っていると作業小屋前から声がかかる。


「マレぇぇ! 火縄銃の試射するぞおお!」


マレは、ああ、約束してた!とアイに火を止めるよう指示をだす。

 作業片付け、試射準備で数十分後。




「マ、マレ?」

何故にこんな離れた距離で ( °д ゜(△△)|||)


固定した火縄銃、三十歩の距離にて紐を握り締めるタン。

紐の先では火縄銃の引き金と紐を結ぶマレ。

そして火縄に火を点けると“ダッシュ”で逃げた。

              ≡ヽ(;`Д´)/ニゲロ

紐を握るタン、見守るアイと鍛冶場の鉄砲職人達の処まで逃げ帰り。


「よっしゃぁあああタン紐を引けええええ」


勇ましく号令が下った。


狼が紐を引く。

紐の先で引き金が引かれた。

火縄が火皿に落ちる。

口火薬が小爆発した。


内部の火薬へと引火し爆裂音が轟いた。


離れたマレの自宅から音に驚き子供達が慌てて出てくる。


「ふぅ〜暴発しなかったかぁ〜」


無事な試験第一射を終えた事に安堵するマレ。

峡谷で火薬の爆発を一度は見たタンと職人狼もやはり火薬の爆発音と上がる白煙に肝を冷やした。

アイと現場に遅れやって来た子供達には何が何やらであったろう。

暫く、ボケっと立ち尽くしていたタンがハッと横の鍛冶場職人に顔を向け。


「火縄銃の確認にいくぞ!」


駆け出す狼人、その後をのんびり歩き確認に向かうマレ。

子供達も後から近付いていく。


「タン、ど〜よ」


「ン、多分、強度に問題は無いはず。」


試射後の火縄銃を舐めるように観察し、火縄銃全てを撫で回す職人とタン。

その後一射、紐を持ち三十メートル離れて。

その後、筒の清掃作業。

アイと子供達は遠ざけ、三射目にしてタンは火縄銃を握り締めた。

斜め横に立つマレと職人達。


握る重量に心臓の鼓動は早く、呼吸は荒く。

だから幾度も深呼吸を繰り返す。


握る火縄銃、狼の瞳は照門から照星を経て十歩先の木の幹を見つめる。


木の幹には傷、先の試射二発によって放たれた鉛玉がめり込む。


先駆者。

此の世界で最初に銃を撃った者に成れる事に心震える。


すう〜〜〜〜〜

はあーーーーーーーーーーーー


ゆっくり吐息し

柔らかく引き金を引いた


砲声 白煙 見えない


「お? 当たった 当たった。」


友の声が聴こえた。


狙いは、ずれ、それでも幹の端を削りとる様に鉛玉は命中した。

火薬尽き当分撃つことも無いだろう。


すうううう

はあああーーーーーーー


胸いっぱいに吸い込み。

大きく吐いた。

今もドキドキする。


「お〜し、第一段階クリア、次に進むぞ。」


「へ? 次?」






 初めて入る狼人の職人三人は忙しなく周囲を見回す。

客人恵比寿の神域と鬼族は恐れ畏怖する場所。

マレの自宅内、限られた者しか足を踏み入れられない場所。


「おー座れ座れ。」


勝手知ったるのタンがさっさと炬燵に脚を入れ三人の狼を促す。

アイが香草茶にメイプルシロップを添えて供するのをタンが笑顔で礼を告げ。

「あ〜マレん来るのも数ヶ月振りか。」


「そやな〜あの一戦以来忙しい過ぎた。子供も増えたしな〜家狭めえし。おー皆茶飲みながら今後火縄銃の改良話しするぞ。」


“改良” そう火縄銃はまだ発展途上と。

タンは胸躍らせる。

それは新たな技術を求める事に貪欲な三人の職人も同様。


「さて、んじゃ火縄銃の性能を上げる、どうしたら良いと思う、改良点と効果を考えて言ってくれ。」


「火薬の量を増やし威力を上げます。」

「ふんふん」


「追加で筒の長さを長くすれば飛距離、命中が上がります。」

「ふんふん現行の火縄銃だと飛距離百五十歩くらいが有効射程だしな。」


大凡百五十メートル、短い短すぎると唸る職人達。彼等の表情に、あくまで()()()()を強調する。


「じゃ筒を長くして火薬量を増やす。起こり得る問題点は何かな?」


三人は顔を見合わせ暫し考えるが、その前にタンが啜っていた茶、湯呑みを置き。


「安全第一 品質第二 生産第三。お前等思い出せ〜、今日のマレのビビリ姿ぁ〜。」


「ちょw おまww」(*゜∀゜)


友の毒舌に笑いだすマレ。

思い出したのか三人も笑いだす。


そうだ、そうだな、造る自分達もだが、使い手の安全の確保も重要だと気付かされる三人。


「そうですね暴発が怖い、火薬を増やせば尚更。」

「強度を上げる必要がでます。重くなる?」

「長くしても同じく。使い手に不便をしいます」


安全性と取り回し、使い勝手を犠牲にした提案であったと気付かされる。


「いや、発想自体間違って無いのよ。将来、ちょーデカい火縄銃モドキ造るしな。バラして現地組み立てや馬に引かせる様なでけー奴。大筒だな」


男は彼等の意見を否定せず、更にその先を語る。

三人とタンは、おおと感嘆するのだった。


「何でもよ〜現行品を大きくか小さくして、不便さ変わらず性能上げるか、使い勝手良くして性能を損なわない方法を考える訳よ。または極端にニッチを突き詰めるという手もある。めんどくせぇ〜けど性能さいこおおおお! とか? 極小火縄銃、有効射程三十歩とかよ。ただこれは今求めて無い。今は汎用性能重視。」


ふんふんと頷く三人、ただマクだけは、


「マレ、ぶっちゃけ、分からん。前から考えてはいたけど、全く思いつかん。」


胸のうちを吐露する友、隣でニマニマするマレ。

しょ~がね〜な〜と前置きし。


「着眼点を変えるんだわ。今、火縄銃の改良ばかり話してるだろ? 玉を工夫してみろよ。」


“お?おお!!”

正に天啓と思案しだす四人。


十五分後

“ぐぬぬぬぬ”

“ギギギギギ”

“あああああ”

“ハァ”    ( ´Д`)=3

唸る三人、吐息するマク。

茶を飲み眺めるマレ。


「マレ? 魔法の箱で自分だけ答え識ってるんだろ?ずるいぞ。」(´=ω=`)  Σ(゜Д゜)Σ(゜Д゜)Σ(゜Д゜)


眼を細め抗議するマクとマクの言葉に驚く職人三人だった。

しょ~がねぇな〜とパソコンの電源をいれ、立ち上がる時間前に説明を始める。


「火縄銃ってよ、ボンと筒内で弾けても玉と筒の間から圧力がスカスカ抜けてく訳よ。」


和紙一枚、落書きにて説明する。

ふむふむと頷く四人。


「で、ある時、ミニエーさんて人が、ピコーン閃いた、じゃじゃ〜ン ミニエー弾ンンン!!!」


( ゜ д ゜( ゜ д ゜( ゜ д ゜( ゜ д ゜|||) マジカ天才ダロ


和紙に書き込まれる落書き。

団栗ドングリ形の鉛玉。

底側、内には空洞、外には凸凹。

空洞に異物をはめ込み爆発の圧力で異物が押し込まれ柔らかい鉛玉下部が押し広げるられ筒内部へと密着する。

密着し内部の圧力は鉛玉が前へと押し出す力へと変わる。


アナクロ、アナクロニズム(時代錯誤)の技術も彼等にとっては最新最先鋭、何よりも大事なのは、実現可能である事。

戦場で鉛を溶かし兵士が型に流し込み生産可能なミニエー弾。


「天才だろ!ミニエーさん!」

暫く絶句した三人、叫んだタン。


「でさ、此処で、もう一工夫。」

“は?”( ゜д゜ ( ゜д゜ ( ゜д゜ ( ゜д゜ ) 


紙に落書く螺旋。

「玉、鉛玉に横回転加えるのよ。そ〜すると、」

( ゜д゜ ( ゜д゜ ( ゜д゜ ( ゜д゜ ;) ゴクリ

「真っ直ぐに、速く飛ぶ。」


“はああああああああああああああああああああ”


狭い室内、絶叫する狼四人。


「じゃ、玉を回転させる為の筒内部に螺旋ライフリング刻む道具の動画視るか。」


魔法のパソコンの動画にはしゃぐタンと無言で恐れ慄いた職人三人であった。


「これで有効射程三百歩、最大射程千歩だな。」

「「「「え!?」」」」


未だ密集陣形にて戦う世界である。

撃てば当たる。有効射程は伸びるであろう。


「でよ? お前等さ、火薬、玉込め時間かかりすぎとか問題に思わなかったか? 次、早合、紙包薬莢の説明な、こっちは細々した附属道具作りだな。」


「さーせんした、精進します」(._.)

問題発見能力に難ありと認め反省のタンであった。


「え〜次回は、防具。陣笠、鉢金、胴丸生産について協議したいと思います。まあ作ってる暇なしだけどな〜。」


      “押忍!”(* ゜Д゜)




暫くし、ロレ交易所に十年物、厠の土買取りをロレ国民から打診される。



(´・ω・`) ふ〜綱渡り過ぎるぜ。余裕茄子



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