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第38話 交差路 交差する人生(5)

 

    「アッー」(*´ω`*)


息を荒くするゴリマッチョな狼男五人。全裸で。

部屋全体を熱気が包む。


「だ、駄目ぇぇぇ。」ホウが限界。

「ま、まだだ。まだまだ。うっ!」ハクが痩せ我慢。


マレは、こんな体験は初めてかとハハハと笑った。

セインは馴れたもので限界と引き際を熟知し。

「マレ先に失礼する。ハク達も水を被るといい、スッキリするぞ。」

男同士、裸の付き合い。蒸し風呂を出る直前のセインは皆に口端を吊り上げ笑う。

蒸気に薫る香草。ロレ王家のもてなしをマレは粋だなと呟き。


  (*´ω`*)風呂欲しいな


古代ローマ、江戸時代の銭湯に思い馳せ、自宅の狭い風呂では味わえない広い湯船に浸かりたいと染み染み想う。

自分は日本人だなと異世界に来て実感した。





 早朝、朝食の席にて本日の予定を話す。

日中は買い物に夕方からはロレ家、ロレ国との交渉、話し合いの場を設けてもらう。

結果、ロレ城にてさらなる宿泊を願い出た。

女王ラインの快諾、マレ、狼人族とロレ王家の非公式、秘密裏ではあるが両者、良好な関係構築に前向きな姿勢を実感する。





 「マレ、此処の鍛冶屋やで。チヨちゃん、毎度。お、ジュンちゃん、久し振りやん!」

 二十代だろう男女二人は王女ローレライ来店を諸手を挙げ歓迎してくれた。


「姫さん、いらっしゃい。どうぞ、どうぞ。」

「チヨとジュンわな、()()、夫婦二人やな。でも、この近所の子供は、だいたいジュンちゃんの子やで。マレといい勝負しとるで。」

「いや!?俺、実子一人もいないからね。」


細身なジュンは、ハハと爽やかに笑った。


   熱い風評被害 ( 'Д`;)


「二人で昼は鍛冶屋営んでて、えらいジュンちゃん働き者やで。男云うたら、たま〜に夜働くだけで、普段はぐ〜たらしとるもんや。」

「鍛冶仕事好きなんで。天職なんですよ。チヨの手伝いにもなりますし。」

「マレ聞いたか!昼は仕事頑張って、夜は夜で男のお勤め果たすんやで!ロレ国壱の種馬やで!!」

「いや、、、言い方。」


ローレライを嗜めるが、ローレライにとって、否、この世界の女性にとって種馬は最上級の褒め言葉なのだろう。

改めてマレは夫妻に自己紹介と共に頭を下げる。


「大釜鋳造して頂き有難う御座いました。大変に助かっております。」

「いえいえ〜。うちも良い仕事、良い商売させてもろうて感謝してます。」

「実はですね。また、色々作って(オーダーメイド)もらいたく相談に来ました。」


マレは事前に用意していた設計図を鍛冶屋夫妻に見せる。

 細長いパイプ、パイプの途中で太さが変化するもの。金属製のビーカー、フラスコ等など。


「又、この細筒を曲げる道具ですね。こんな感じの物ですが造れますかね。」


手動配管曲げ道具、ベンダーの図面を興味深く覗き込む夫妻。

チヨは何度もふんふんと頷き自身の中で道具の完成品を想像し納得する。

 男の提案する道具は自分達の鍛冶道具としても利用できることを理解し笑顔にて。


「はい、お任せください。やらせてもらいます」

「有難う御座います。あとー銑鉄買えますかね」


この日、チヨとジュンの鍛冶屋にて加工処理済の様々な金属、農具工具を買い付けていく。





「ローレ、硝子工房あるか?」

「はぁ?お前は 阿・呆・か」( ゜ д ゜)

「あー無い?やっぱガラス製造技術は特別か?」

「そやな別格や。タリアのそれも帝都にしか職人がおらへん。当然、高級品やし、こんな田舎じゃお目にかかることすら無いわ。」

「因みにさ、無色、透明な硝子見た事、又は聞いた事あるか?」

問われ即答で無いと答えるローレライ、期待した返事が聞けてマレは満足する。


「じゃあさ今度タリアに行ったら、この図面通りの硝子製品作ってもらえるか?極力中身が見える色合いで。」


ビーカーとフラスコの図面を受け取るローレライは装飾の無い器具である為、値段、作製期間も、それ程かからんやろ、と答える。

そして半眼で男を見あげ。


「何に使うんや?」

「錬金術。」


半眼がグワッと見開かれた瞬間。


「マレ、わっちと、お主の仲よな。秘密にしたいのは、よ〜わかっちょる。な、な、な、二人だけでジックリ、コトコト、金策について話し煮詰めよか。」(*゜∀゜)

「あーうん。無理。」

「てめコノ、ぶっころしてでも聞き出す!」

「あーうん、だから、無理だって。」


第一王女の黄金の右。

マレはひらりと躱した。


「だーかーら〜きんは作る事が出来ないのが錬金術で証明された理由わけ。」

「紛らわしいんじゃ!ボケぇぇぇ!!!」


王女渾身の張りてを繰り出す。


「当然、出来た物はかねに換えるけど。」


男の頬を打つ直前にて掌は止まった。


「あ、マレさん?お肩にゴミがついてらっしゃいますわよ。おほほほほ。」


マレの肩に触れ、ポフポフとはたくローレライ。





場所移そうかと提案するマレ。国営交易所兼市場の隅にて白湯を飲みながら雑談する。

 錬金術とは化学の実験である事。理論では識っているが実地にて学ぶ必要がある事。

物が出来上がれば商機も増える。

「兎に角、時間がかかる。」

「ツマラン。」

しょぼくれ顔で白湯を啜るロレ国、第一王女、ロレ・ローレライとマレを遠目にガン観する、おばちゃん達。 


   ヒソヒソ ネ- イイ ジャナイ 


 この後、交易所と市場にて大量の品を買い付けて回る。初めての大商いに沸く市場。

おばちゃん達も恋バナに沸く。

後日、おばちゃんネットワークにて王女ローレライ、市場で買物デートの巻が詳細に報告されるのだった。







「もうロレで大麦、燕麦は買えへんで。まだ必要ならレキで購入やな。」

「その方向で頼む。」

「家畜は明日の朝で手配してある。次あたりで荷馬車三台編制でいけそうやで。バンバン売って廻ったるで陶器用意しといてや。」

「ハァ、頼むわ~。もう俺オケラ、というかロレの職人さんに払う金で赤字だわ。交易の売上頼みローレライ商隊様々ですわ。」

男の言葉に少女はニマっと両頬を緩めた。





 夕食後、マレ、ハク等、ローレ国側の主だった者と文官二名にて客間で話し合いが行われた。

「では、大工、石工、街道整備に人を多目に割くということで。」

場を主導するサウス・リンゼは母譲りの灰髪をかき揚げマレに確認する。後ろに控える文官が聴き取り、木簡にて仮文を作成する。

 ライン王女は誰もが思う疑問を口にする。そう半信半疑。


「指導とはいえ、職人一人、半年金貨五枚は高額ではないか?ロレ国の相場の倍だが。」


高額提示に対する不安、裏があるのだろ?に対するマレの返答はあっさりしていた。


「狼人族の村と称してますが、何も無い処です。まず、職人さんの宿泊施設が無い。」


 職人は当面野営になる。

食料は用意するが自炊も必要。職人の最初の作業は自分達の宿泊施設建設から始まる。


「職人さんには不便をおかけしますので、心付けと考えて頂きたい。」


ロレ側への納得と了承を得て、マレは持参した大判和紙を床に広げた。


「こちら都市計画の概要となります。」


それは世帯数、現行三百、将来設計、壱千超の碁盤目状の街設計図。


「この正方形の範囲を九つに区切り一マスに家と畑で一世帯。中央の一マスを公用地とし、これ一つを番地とします。番地を九つの集合体を丁とします。」


地区、丁、番地。そして町へ。

住所と戸籍、そして共同体の管理運営。

男の壮大な計画の最初の一歩、一番地。


「この街造りを自分達(狼人)で出来るように、職人の皆さんに教えを請いたいのです。」


 ハク、ホウは表情に?を浮かべ。

マク、タンは好奇心に鼻の穴をひろげ、センは一人難しい顔で考え込む。

 ロレ国の面々は納得や驚き、中には難しい案件だと一考するなど様々で。


「何これ?神話の都け?」

「そんなに、大したものでも無いと思うんだが。」

ローレライの感心、マレの想い、リンゼは同意と

「充分に、凄い事ですよ。」

「考えるだけなら誰でも。成してこそだと思います。」


 女王ラインは瞑目し一考、瞼を開き告げる。


「ローレン、貴方も十四、高貴なる者の務めとして、ロレ国の職人五十名を率いて、この事業に参加しなさい。」


母にして女王の言葉に若すぎる第二王女は戸惑いを数瞬見せるも次には決意を固める。


「ロレ女王国、第二王女ロレ・ローレン、この責、全力にて当たらせて頂きます。」


 この経験が貴方の良い糧となるでしょう。

ラインは女王として母として娘に微笑する。




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