第34話 交差路 交差する人生
女は今晩の宿、二階の部屋をでる。
夕食は近くの食堂兼酒場で摂りたいと考えていたから。
女の名はパプス・ルブール。
歳は三十一歳、未婚、子供無し。職業は軍人。
レキ国西方砦マキウスで副官を務めている。
その日、彼女は王宮へ月に一度の定期報告に来ていた。
が、女王の代理である王女殿下は報告は書類にて後で目を通すの言葉のみ。
また臣下に丸投げるのだろうとパプス溜息を吐く。
パプスは平民出身の為、頼れる実家も無く、今以上の出世は望めない。
本人も理解している為、気にも留めていない。
ただ、三年前、砦一帯を治める貴族の子女が砦の将軍職に就いた。
賄賂を得る事にしか興味のない、お飾りの将軍であった為、実務に優れたパプスが副官に就けられた。
日々、賄賂を得たい将軍と、おこぼれに与りたい部下の間で苦労していた。
馬鹿二世のお守りから今日だけは開放され、美味いもので食べて英気を養なおう。
陸海亭のシチューを食べに行くか。
下の階から聴こえる話し声。
「この近くの食堂のクリームシチューが絶品なんや。さらに安いときたもんや。今日はわっちに奢らせてもらうでぇ。」
ああ、やっぱり、あの店のシチューは人気だなと思い階段を降りていく。
先程の声の主はおらず、通りに出ると先には声の主らしき集団。
その中でも目を引いたのは整列して歩く統一された服装の獣人兵。
高身長に筋肉質の身体。
背負うのは大弓。
砦の服を着崩し、だらしのない兵士達と比べ思わず嘆息が漏れる。
柄にもなく思ってしまった。
もしも、私が、あの様な屈強な獣人兵を多数率いて戦場を駆けたなら、、、と。
「いらっしゃい。もう相席しかないけどいいですかい?」
給仕に尋ねられ問題ないとこたえ案内された席。
丸テーブルには先程の一団。
二つの丸テーブルを女性四人と獣人六人が使用する。
「セイン、ハク達の分じゃんじゃん注文したり、接待やで、、、うん、経費で処理しよ。」
給仕が女性達に相席を願い、パプスは座る。
「失礼する。」
「あ〜どもども、せや、お姉ちゃん、この人に麦酒とシチュー、一つ。奢らせてもらうで、ここで会ったも何かの縁やで。ラミス、ほら、大皿料理取り分けたげな。」
一声掛けたパプス、応じたローレライに押し切られるままに奢られる事になってしまう。
「ええやん、ええやん。今日も大きい商談まとまってン。あ?水の様に薄めたワインの方がよかった?」
「若様、、、地味にせこいです。」
「何言うてん。ちょっと前なら野宿が当然。外から何度ルーアン眺めた?」
王女の熱弁、隣りに座るサンディはワインを水で薄めうんうんと何度も頷きながらちびりちびりと飲んでいた。
隣テーブルにはハク達の為に湯気を上げるお替りのシチューが運ばれてゆく。
「商人、察するに交易をなさっておられる?」
尋ねられ、はいと答えるラミス、パプスはつい深く話し込んでしまう。
「良いですね。私の母も交易商人でした。幼き頃から連れられて一緒に各地を回ったものです。」
「へえ、そうなんですか。やっぱり行き先はタリアですか?」
「確かに、タリアは色々な物が集まる。ですが値が高い。巨大な消費市場でもある為、売るには良く、買い付けにはですね。やはり安く仕入れ高く売る。一番遠くは西方、ラハン帝国属領迄行きました。」
ラハン帝国、その属領と言えど、遙か西方。
ロレ国ローレライ商隊の女四人はパプスの語りにおおと感嘆の声を挙げる。
初対面、アルコール度数の低い酒と美味い飯、
そして交易と旅、共通の話題でテーブルは話に華が咲き盛り上がる。
何時しか酔っ払いできあがるローレライが。
「いぁあ〜、聞いてくらはいよ〜パプスは〜ん。」
「若様、、、水の様に薄いワインで酔えるなんて、何処迄貧乏体質なんですか。」
主君を憐れむ家臣メイ、隣ではハク等が山海の幸にかぶり付き人界での食を堪能する。
サンディは好々婆然とした笑みを浮かべ孫と王女を眺め、薄いワインをちびりと口づける。
「最近、れすよ、さいき、、、あーもう去年の事になるんか〜。去年末ですわぁ〜幸運ろ女神を〜捕まえたんれすお〜。」
「商売の女神様ですか?私の母もロマリアテン様の木像を胸に忍ばせ交易してましたね。懐かしい。」
「ロマリアテン様は商売人には定番人気の神様ですね。」
「そう!この女王都の外れれつかまえらんれすわあ〜。」
「成る程、女王都ルーアンで良い商談に恵まれたのですね。そうですか、まだルーアンに、コレだと呼べる良品がありましたか。」
呂律怪しいローレライの話しに幾度も頷き、塩茹で豆をつまみ麦酒で胃に流し込むパプス。
酔った思考でローレライはふと思い出したように
「あ、、、あれ、女神やのうて、男神やった。掴んだのも前髪やないし。」
「若、しっかり握ってましたな。」
「ええ、ガッチリでした。」
「離さん言われて、ヨシツネさん涙目でした。」
「そ、そうや、、、あれは男神で、、、幸運の、黄金珠。」
自身の右掌を見つめるベレー帽少女に首を傾げるパプスは、まるで寓話の様な例えで。
「男神様が金の卵を授けてくれた?と。」
「若、、、手の、指の動きが卑猥ですぞ。」
「若様、下品です。」
「ローレライ様?今、想い出の反芻中ですね?変態です。」
あの日、あの時、あの瞬間を想いかえし、右手をニギニギする王女に呆れる家臣三人。
隣の猥談に我等関せずとばかりにセインとハク達は木製ジョッキにてヨーグルトドリンクをあおる。
寓話 “幸運の男神と黄金の珠”
朝、胸の当たり前を触れられた感触で目を覚ます。
自分の胸に顔を埋め愛おしそうに撫でる少女がそこにいた。
同時に男が思いだす女の顔は小国の王女のもの。
「ヨシツネ、私がお前の為に誂えた服を何故着ない。」
朝食と朝風呂後、メイドにゴテゴテとした貴石、貴金属で飾られた装飾過多な服をお仕着せられそうになり固辞した事が彼女は不満なようだ。
「あの様な服は、落ち着かない。」
素っ気無い拒否の言葉と共に王女の腰に手を回し抱き寄せ唇を塞ぐ。
黙らせるにはこれがいい。
男は安易な方法にながされる。
離す唇、手を添え触れる頬。
「お前は真紅のドレスがよく似合うな。」
真紅の婦人服、肘まで届く純白の手袋、頭、金色の髪の上には白銀のティアラ。
恥じらい顔を背ける少女に再度強引に口づける。
唇を重ね。
黙らせる。
少女を褒めて。
唇を重ねる。
繰り返し行われる行為。男は面倒事が嫌いだ。
ましてや色事。人の心は移ろいやすい。
少女もいつか飽きて終わりが来るだろう。
「ヨシツネ、今日はルーアン国立劇場へいこう。新しい演目舞台おこなわれている。」
仰せのままに、微笑と共に男は返す。
王宮東門を豪奢な馬車が抜けて行く。
門を抜け十分程で目的の場所に辿り着く。
重厚な石造りの建築物。周囲から一段飛び抜けた造り込みと風格。
ルーアン国立劇場。
馬車を降り、降りる王女に手を差し出しエスコートする男。
劇場玄関口、支配人他数十名が頭を下げ王女を待つ。
「今日は楽しませてもらうぞ。」
「殿下に足をお運び頂き光栄の極みにございます。」
案内されたのは二階貴賓室。
舞台を正面から望め、一階には身形良さそうな者達が座る。
客席両脇には僅かな立ち見席。
王都観光であろう平民の姿。
貴賓室、後方扉横には王女付き近衛が二人控える。
王女と愛人が観劇の為に座る柔らかく長大ソファー。
ソファー前のテーブルには果物と飲み物が用意され。
「本日の演目は、流星の寅太郎の新作だ、それも久し振りにレキ国が舞台なのだぞ。」
マレは、あ〜女に助けられる主人公?だっけ?こちらの風俗、文化を識るには良いが、つまらないだろうな、が本音である。
「副題は、レキ女王国よ 私は帰ってきた だそうだ。」
うぁ~(*´ω`*)駄作臭プンプンですやん
ソファーに深く腰を降ろすマレ。男に身体を寄せ、もたれ掛かるアルウル。
数十分後、身体を密着させたまま、食い入る様に観劇する王女アルウルと、対照に、あまりのつまらなさに微睡む男、マレ。
舞台、とある一幕。街中で幼女に暴力を振るう荒くれ女達五人組。
荒くれ者が幼女から、有り金を巻き上げる様を
ふ〜んという感じで見ていたマレは、次の瞬間にソファーから滑り落ちた。
「ど、どうした、大丈夫かヨシツネ。」
「あ、いや、すまん。あまりにも椅子が心地よくて寝てしまった。」
座り直すマレ。舞台上では、恵体な女性役者が熊毛皮の外套を羽織り男形姿にて荒くれ者達を相手に大立ち回りを演じている。
「なかなかに良いが、あの様にWILDな男は実在せんであろうな。」
幼女を役者が抱きあげ、もう離しはしないと宣言する様。
「う、うん。そやね。」
“いよ!千枚役者” 舞台、野次馬から声援が飛ぶ。
それは主人公、寅太郎であった。
寅太郎 野次馬かYoΣ( ° д ゜)
それも、この部分、
舞台本編に全く関係Neeeee ( ° д ゜)
万雷の拍手と共に幕が下りる。
マレの抱いた感想は、、、終始寅太郎がクズであった。
後に稀人述懐す
101 マレ 舞台化決定 祝!?
◯らすじ
寅太郎、レキ国に戻る。金を借りていた女から
更に金をせびる為。君との生活の為に商売を
始めたい。全額博打でする。
愛してるの置き手紙、そして遁走。
ちな野次馬時、地面に落ちた銀貨一枚くすねて
る。これ喜んで見る奴の気がしれん ( 'Д`;)
102 名無しさん
同族嫌悪 だな よう クズ男
103 名無しさん
基本 女尊男卑 で おk?
104 マレ
≫103 何かな? あんま実感ない
105 名無しさん
早く バークスさん攻略フラグ立て
作業に戻るんだ




