第80話 帝都散策 ーアクセサリー屋ー(5)
メリーアンさんのところには、マーコとユーコと相談しながら選んだブレスレットを十本ほど卸すことにした。値段は一本、300ノル。モブル王国のレザマで買った古着が二着で110ノルだったのを考えると、ちょっと高くない?と思ってしまう。
店頭に並ぶ時は500ノルにするらしい。ちなみに、メリーアンさんのお店の商品の中でもお高めの設定だそうだ。
元々が若い女の子をターゲットにしているお店だけど、500ノルはかなり贅沢。
値段設定を聞いて、在庫はまだまだあるけど、売れるかどうか様子を見ようと十本だけにしたのだ。
「ん~、でも、この値段でも売れると思うわよ?」
「そうですかね?」
「ええ! こんなキラキラしたビーズは『マカーリオ宝飾店』にでも行かないと見ることができないと思うわ」
最初に立ち寄ろうかと話していた店の名前が出てきて、そういう店に行かないと見られないレベルなのか、と、ちょっとだけドキッとする。
「フフフ、大丈夫。うちでも高めの商品を展示しておくケースがあるから」
そう言ってカウンターの脇のガラスケースをトントンと叩いた。
確かに、そこに飾られているネックレスとブローチの値段は、私のブレスレットの倍以上の値段の値札が飾られている。
ガラスケースの上には、屋敷精霊が胸をはって座っている。彼女がいるなら、安全なのかも、と思う。私のブレスレットに余計なことをしなければ。
「それで、材料はこれでいいかしら」
「こ、こんなに!?」
私は今回の収入3000ノルから1000ノルを出して、こちらでアクセサリーでよく使われる素材を分けてもらうことにしたのだ。
うちの在庫はユーコのおかげで、自動で補充される。ただし、色々力のある素材なのを考えると、こちらで使われる物で作ったほうがいいかな、と思って、メリーアンさんに頼んでみたのだ。
メリーアンさんがカウンターに載せたのは、レジ袋でいえば、Lサイズくらいありそうな麻袋。それが三つほど。
「1000ノルだったら、これくらいになるわよ」
袋の中を覗くと、あまり透明感のない様々な色の石のビーズが、それぞれ大中小と分けて入っている。
「そ、そうなんだ」
麻袋を手にしてみると、けっこうずっしりとした重さに、一瞬ギョッとなる。
「雅、預かる」
「マーコ、ありがとう」
重いよ、と声をかけて渡すけれど、マーコは余裕の表情で受け取って、すぐに自分の『収納』にしまっていく。
マジックバッグ? いいわねぇ、とメリーアンさんに羨ましがられながら、マーコが全てしまってくれた。
――マジックバッグじゃないんですけどね。
色々チートなマーコたちの説明するのも面倒なので、ニコリと笑って誤魔化す。
「他にもアクセサリー素材が必要だったら、この裏の通りに知り合いの店があるわ。私の名前を出してくれれば大丈夫だから」
「ありがとうございます!」
ホクホク気分で店を出ようとしたのだけれど。
「すみません、出るのは裏口からでお願いします」
ランドルフさんが厳しい顔で言ってきた。




