閑話:ルーカスとランドルフ
いつも『うちの猫』を読んでいただき、ありがとうございます。
大変申し訳ないのですが、1話分だけ飛んでいたことに気づきまして、割り込み投稿しました。
そのため、閲覧ページにずれが出ているかと思われます。
ご迷惑おかけして、すみません。
ちなみに追加したのは、87話目『閑話:アルタン皇帝』となります。
よろしくお願いします。<(_ _)>
『主神の愛し子』である雅と神獣のマーコとニーコの警護のために、帝都についてきたルーカスとランドルフ。
――まさか、お屋敷を消してしまわれるとは思わなかった。
ランドルフは、雅から、帝都に出かけるから、家をしまうと言われ、最初、何を言っているのか理解できなかった。
目の前で、一瞬で消えてしまったのを見て、しばらく固まったランドルフ。
ルーカスは、アルタン帝国の帝都まで行動を共にしてきていたので、雅の屋敷が消えることは知っていたけれど、ランドルフは帝都で初めて雅たちと出会ったので、知らなかった。
「ランドルフ先輩? 置いてかれちゃいますよ!」
ルーカスに声をかけられるまで、雅たちが帝都に向かって歩き始めてたのに気付いていなかった。
帝都に入り、ルーカスたちの前を子供の姿の神獣と雅は楽し気に歩いていた。
その途中、『マカーリオ宝飾店』を目前にしたところで、雅が爆弾発言をする。
「あ、いえ。私が作った物が売れないかなぁ、と思って」
ルーカスとランドルフは、その言葉の意味を理解するのに、少し間があった。
―― 『主神の愛し子』の手作りのアクセサリーを、売る。
雅がアクセサリーを手作りをするのを初めて知ったルーカスたち。
『主神の愛し子』の手作りのアクセサリーに、どんな効果があるかはわからない。そのアクセサリーを売りたいと言う。
自分たちでも手にすることができるのではないか、と思ったらワクワクした。
そして結局、ルーカスの知り合いの平民街のアクセサリー店に行くことになったのだが。
「おい、ルーカス」
「はい」
「ここの店主が精霊に好かれているってのを知ってたのか?」
雅とアクセサリー店の店主のメリーアンが、楽しげに話しているのを見つめつつ、ランドルフはルーカスに問いかける。
「……いいえ。初めて知りました」
「それに……ミヤビ様もザシキワラシ? とかいうのも」
「はい。初めてです。神獣様たちだけではなかったのですね」
「……さすが、 『主神の愛し子』だな」
ランドルフは内心、神殿に報告をしなければと思いつつも、店内の見えない精霊を探す。しかし、残念ながら見つけることはできない。
「ランドルフだっけ」
「は、はい」
いつのまにか、マーコがランドルフたちの足元にいた。
「雅のアクセサリーは、この店で売ることになる」
「は、はい」
屋敷精霊がいる店ならば、確実にそうなるだろう、とランドルフは思った。
「神殿にも雅のアクセサリーを持って行くが、この店、気にかけておけ」
「畏まりました」
「早速、外に面倒そうな輩が来ている」
ルーカスとランドルフは、ハッと店の窓の外へと目を向けるが、怪しい者の姿はない。
「そんな窓際にへばりつくような連中ではなかろう」
「そ、そうですね……まったく、いつのまに」
「この店には裏口はないのか」
「たぶん、あります」
「雅の話が終わったら、裏口から出て神殿に行く」
「アクセサリーの話ですか」
「ああ」
マーコは優しい眼差しを雅に向ける。
「雅には好きに作らせたいんだがな」
ルーカスたちはマーコの言葉で、 『主神の愛し子』が作るアクセサリーの厄介そうな気配を察してしまった。




