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【書籍化進行中】うちの猫、めっちゃ強いんですけど~愛猫たちと異世界満喫生活~  作者: 実川えむ
アルタン帝国に行ってみよう ー帝都の外れで生活をしてみるー

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第76話 帝都散策 ーアクセサリー屋ー

 私が自分で作ったアクセサリーを売りたいと言ったら、ランドルフさんは固まってしまった。

 まさか、ここでは職人さんが作った物しか、買い取りとかしてもらえないんだろうか。


「ランドルフさん?」

「はっ、いや、あの、ミヤビ様は、装飾品をお作りになるので?」

「え、まぁ。簡単な物ですけどね。でも、宝石とかじゃないから、あの店は違うかなぁ」


 チラリと『マカーリオ宝飾店』へ目を向ける。

 ちょうどドアが開いて、綺麗なドレス姿から、見るからに貴族の奥様とそのお付きの侍女と従者みたいな人たちが出てきたところだ。大きな馬車が店の少し先に停まっているので、それに向かっているようだ。


 ――ちょーっと、高級過ぎかなぁ。


 私としては、もうちょっとカジュアルな感じで女の子とかが着けるような物だと思っているので、貴族が出入りするようなところでは、商品としても扱ってもらえない気がする。


「ねぇ、マーコ、そもそもさ、貴族とかがいるお店って、面倒なことになりそうじゃない?」


 なんとなく不安になって、こっそりとマーコに言う。

 

「そうだなぁ……(うん? なんか、店の中に悪意がある者がポチポチいるな)」

「いえいえ、愛し……いや、ミヤビ様がお作りになる物でしたら、『マカーリオ宝飾店』でも十分扱えるかと!」


 なぜかランドルフさんが、目を輝かせて言ってくる。


「いやいや、ランドルフさん、無理無理」

「で、でしたら、まずは神殿でご相談いただければ」

「あ、それは、また別に行くつもりなんで」

「え」


 私の言葉にランドルフさんが固まる。


「マーコ、もっと庶民的なところに行こうよ」

「そうだなぁ。(店の中には厄介そうなのがいるしねぇ)……ねぇ、ルーカス」

「は、はいっ!?」


 マーコがルーカスさんに声をかけると、自分に振られると思ってなかったのか、ビクリと肩を揺らすルーカスさん。


「あんた、庶民がよく行くようなアクセサリー屋さん、知らない?」

「え?」

「ほら、彼女とかにプレゼントするような感じのさ」

「いや、マーコ様! ぼ、僕には彼女など、おりません!」

「え、そうなの?」


 ルーカスさんの返事に、思わず私は聞いてしまう。

 聖騎士様ってだけでも十分モテそうだけど、ルーカスさんはなかなかのイケメンでもあるのだ。もしかして聖騎士は、恋愛禁止だったりするんだろうか。


「えーっと、でしたら、あそこの十字路のところを左手に曲がって……」

「お、おい、そっちは」


 ランドルフさんが慌てて止める。


「え、何か問題でも?」

「いや、あちらは平民街になりまして」

「ん? それが?」

「……(愛し子様が行かれるようなところでは)」


 ヒソヒソとランドルフさんが声を抑えて言ってくる。もしかして、ランドルフさんは貴族出身だったのだろうか。ルーカスさんも先輩に言われて、あっ、という顔になっている。

 私だって元から平民だから、ランドルフさんが気にすることではないと思う。


「別に物騒な場所というわけではないだろう?」

「マ、マーコ様」

「まぁ、どんなとこでも、僕もマーコもいるんだから、大丈夫だけどねー」

「ニーコ様まで……」


 困った、という表情で、片手で顔を隠すランドルフさん。

 

「とりあえず、ルーカスさんのお勧めのお店に連れてってくださいよ」


 私の言葉に、ルーカスさんは一瞬、ランドルフさんに目を向けたけれど、ランドルフさんが諦めた表情で頷いた。


「じゃあ、行きますか」


 ルーカスさんはニッと笑うと私たちの前に来て、道を案内し始めたのであった。

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