表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【書籍化進行中】うちの猫、めっちゃ強いんですけど~愛猫たちと異世界満喫生活~  作者: 実川えむ
アルタン帝国に行ってみよう ー帝都に入るー

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

81/107

第69話 こんにちは、イダ様

 ギーッと扉が開く重い音が響く。

 中は外からの日差しのみで、若干薄暗い神殿の内部。正面には巨大な石像。モブル王国で見た教会の石像(二メートルくらい)と同じ物で、あれよりも少し大きい。

 聖女様はするすると前へ進んで行くので、私もマーコたちも大人しくついていく。

 教会の中には信者らしき人々がチラホラ見えるけれど、皆、聖女様の姿に気付いて、跪いて両手を握りしめている。お祈りのポーズなんだろうか。


 ――うわ、私も、そうしたほうがよかったのかな。


 内心、失敗したかなと焦ったけれど、後の祭りである。

 石像の前まで進んだ聖女様が跪いてお祈りのポーズになったので、私も慌てて彼女の後ろで真似をする。


【イダ神様、無事に愛し子様が、我らが神殿にいらしてくださいました。感謝いたします】

『フンッ、無事に着いたのはニーコとマーコがいたからよ』

「(ちょっと、ユーコ)」


 何やらユーコが不満げに言っているので、窘める。


『ああ、確かに、私の力ではないな』


 聞き覚えのない、男性の優しげな声が聞こえてきて、バッと顔をあげる。


「へっ!?」


 目の前の石像が濃い緑色の肩ぐらいまでの長いストレートの髪に、金色の目をした……大きなイケメンに変わっていた。

 そう、大きい。まさに石像と同じサイズ。


『どうした。愛し子よ』

「え、あ、せ、聖女様!?」


 声が裏返りながら前にいる聖女様に声をかけても、聖女様はピクリとも動かない。周りを見回しても同様で、誰も、この巨大なイケメンに気付いていないようだ。


『フフフ、この場で動けるのは私と、愛し子たちだけだよ』


 まさかの時間が止まってる。


「おおお……ファンタジー……」

「あんたね。この前、教会で私たちに話しかけてきたのは」


 私が引いていると、マーコが強気な発言で前に出てきた。相手があまりに大きいから、マーコが見上げ続けていたら、コロンと後ろに転げそうだ。


『ああ、そうだよ。ちゃんと連れてきてくれたね。ありがとう』


 ニコニコ笑う大きなイケメン。


『私は春の神、イダという』


 思わずポカーンとしてしまったのは、許して欲しい。


「フン、まったく。色々と面倒そうな国なのに大人しく来てやったんだ。ちゃんと雅のこと、守ってくれるんだろうね?」

「そうだよ。なんなんだ、あいつら。雅のことを馬鹿にして」

「え、誰が」


 ニーコの爆弾発言にギョッとする。


「ん? あの聖騎士の中でもキラキラした偉そうな奴についてるやつらさ」

「雅が言葉がわからないからって、コソコソと悪口言ってたんだぜ」

「あいつら殺さなかっただけ、偉いと思わない?」


 マーコとニーコの物騒な発言に、アワアワしてしまう私。


『……フフフ、彼らが手を出したら、神罰が下るから任せておきなさい』


 イダ様は美しい笑顔を浮かべているはずなのに、真っ黒な笑顔に見えるのはなぜだろう。


「とにかく、聖女様にはご挨拶できたんだし、こっからは私たち、自由にしていいよね?」

「え、いいの?」


 マーコの言葉に、思わず声をあげる。

 そんなマーコに、困ったような顔をしたイダ様だったけれど、真面目な顔で私のほうを見た。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ