第31話 第一、第二村人と遭遇
上空はピンク色の空に、オレンジ色に色付いた雲が流れていく。森を出た目の前には広い草原が広がっている。
人の集団に気付いた私たちは、マーコの背中に乗っての移動で、一日半ほどで森から抜け出ることが出来た。
その間、魔物に襲われることもなかったのは、先行していたニーコのおかげだと思う。
しばらくマーコの背に乗りながらゆっくりと進んでいると、少し先に未舗装の道が見えてきた。そして、その先には小さな村らしきものが見えてきた。
「やっと人の住んでそうな場所が見えてきたね」
『そうだな』
「にゃ~」
「みゃ!」
マーコの背から降りて、伸びをする。道には人影は見えない。涼しい風が、顔を撫でていく。
「よし、行くか」
気合を入れた私。そして、マーコとニーコは小さい猫の姿へと変わる。
移動中に、人の住む村に向かうにあたって、大きなマーコとニーコの姿では目立つんじゃないか、と話していた。
だったら人型でもと言ったら、袴姿がこちらではないというので、小さな猫の姿に変わり、今は私の両サイドを歩いている。
ユーコも同じではないか、と思ったのだけれど、ユーコいわく、座敷童の姿が見えるのは私だけなのだそう。
そのユーコは私の肩の上あたりに浮かんでいる。
私はリュックを背負いなおし、少し早足で村へと進む。
完全に日が落ちる前に、私たちは目的の村まで到着することができた。
村の周りは古びてはいるものの背の高い石壁で囲まれていて、開け放たれている門のところには、大きな槍を肩に背負ったおじいさんが……寝ていた。
――平和、なのかな?
よほど人の通りがないのかもしれない。不用心だなとは思いつつも、それでも門番らしき人を置くくらいには、気を付けないといけない場所なのかな、と思った。
「あ、あのぉ」
私は寝ているおじいさんに声をかける。
しかし、そのおじいさんはぴくりとも反応しない。スピースピーという鼻息が聞こえるので、生きてはいるはず。
このままスルーして入ってもいいのかな、と悩んでいると、村のほうから恰幅のいい中年女性がやってきた。近くまでくると、160センチある雅が見上げるような背の高さに驚く。
「(大きい。自分より背が高いのって新鮮)……あ、すみません」
「&%、▲$=?(あら、珍しい)」
「え」
「!@&#=~>(旅人かい)」
「うわ、全然わかんない」
「&、¥%&#●?*(え、どこの国の言葉だい!?)」
『え、雅、わからんのか』
「(え、ユーコ、わかるの?)」
『うむ』
まさか、言葉が全然通じないとか、想像もしてなかった。しかし、ユーコはわかるらしい。
ユーコとこっそり話している間に、中年女性は居眠りしているおじいさんの頭をパシリと叩いている。
「%&~*、#〇▲+(じいちゃん、起きなっ!)」
「@+*(いてぇなぁ)」
「@+*、&$▽◎!>(いてぇなぁ、じゃないわよ!)」
目の前の二人のやりとりを見つつ、どうしたものか、と悩んだのは言うまでもない。




