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うちの猫、めっちゃ強いんですけど~愛猫たちと異世界満喫生活~  作者: 実川えむ
異世界を旅してみる

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閑話:聖騎士一行とフォロンの森

 出陣式の後、すぐにフォロンの森へと向かった一行。

 聖騎士たちは馬で、聖女、冒険者は馬車で向かい、一日半でフォロンの森の入口までは到着した。


「ここから先は徒歩となる」


 副団長のアレクシスが一行に向かって言う。


「愛し子様の位置については、ヘルカ殿」

「はい」


 聖女候補のヘルカが腰に下げた小さなマジックバッグから、筒状に巻かれた紙を取り出した。


「こちらは聖女アイリス様からお預かりした地図でございます」


 広げられた地図は、フォロンの森だけが描かれたもので、森の北東に青い矢印が浮いている。


「この青いのが私たち、そして、この赤い点が愛し子様のいらっしゃる場所でございます」

「それは魔道具か!?」


 驚いたような声をあげたのは、Bランクパーティ『暁と夕闇』リーダーのホーク。


「魔道具、なのでしょうか。こちらは聖女アイリス様が、愛し子様を探すためにイダ様から授かったものです。聖女と聖女候補だけが使えるものとなります。これがあれば、最短でお迎えにあがれるはずです」

「そいつは助かる!」

「フォロンの森は巨大だからな」

「俺、いつ戻れるのか、心配だったんだ」


 ヘルカの言葉に、冒険者たちから次々に声があがる。


「しかし、随分と奥のほうにいらっしゃるのだな」


 Aランクパーティ『獅子の咆哮』リーダー、レックスの真剣な言葉に、全員の目が地図に向かう。

 小さな赤い球体が森の中央から少し下がった場所に浮いている。


「確かに……この辺りの魔物は、最低でもCランク相当だ。今回のメンバーであれば、なんとかクリアできるか」


 レックスは渋い顔で言う。


「その地に、愛し子様と二匹の神獣様だけがいらっしゃるのだ。できるだけ速く移動しよう」

「おおっ!」


 全員が声をあげ、森の中へと入って行く。





 森に入って三日目。

 聖女候補たちの足を気遣いながら移動する一行は、思うように森の中を進めていない。聖騎士たちよりも、冒険者たちのほうが少しだけ苛立ち始めていた。

 それぞれの集団で朝食を取り終わり、移動する方向を確認している時。


「なんだと!?」


 副団長のアレクシスが声を抑えながら、驚きの声をあげる。

 魔物除けの魔道具を使用はしているが、余計な物音で魔物が寄ってこないとも限らない。


「そうなんです。前に確認した時よりも少しだけ東に移動されているようです」


 不安そうな顔の聖女候補のヘルカ。


「ふむ。しかし、微々たる移動距離のようだし、もう少しペースがあがれば、むしろ途中で遭遇できるのではないか」

「そうですね……地図は出したまま参りましょうか」

「ヘルカ殿とカーリ殿には、少し頑張って頂かないとなりませんが……」

「わ、わかっております」

「……」


 ヘリカは顔を強張らせ、後ろにいたカーリの様子を窺う。カーリはむすっとした顔になっている。

 ヘリカは下位貴族出身で、領民たちとともに畑に出ていたこともあったので、そこそこ体力に自信はあるが、カーリは高位貴族出身。移動は馬車が普通だった彼女が、ここまで歩くようなことがなかっただけに、不機嫌になっている。


 ――お父様が望んでいたから参加したけれど、侍女もいないなんて最悪。


 カーリの父は宰相と繋がる派閥に属している侯爵家。その関係もあって、ゴリ押しで入れられた聖女候補だったのだ。

 

「では、少しペースをあげるぞ」


 アレクシスの声に、全員が声をあげずに頷く。

 



 そんな彼らが、途中で雅たちのスピードが一気に上がったことに気付いて驚きの声をあげるのは、半日後のことである。

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