第18話 マーコとニーコの初めての冒険(2)
グリーンヴァイパーを『収納』した後、マーコとニーコは再び移動し始めた。
――あまり家から遠くに離れると雅に叱られる。
怒らせたら怖いのを知っているマーコとニーコは、家を中心にグルグルと見て回っている。残念ながら、グリーンヴァイパーのような魔物とは遭遇していない。
「ねぇねぇ」
「なーに、ニーコ」
「『マッピング』ってのを見てみないか?」
「『マッピング』?」
「そう、自分たちのいる場所を確認することができるんだよね」
「そうだったっけ?」
「そうだよ」
マーコたちは立ち止まり、ニーコが「『マッピング』」と呟くと、フォンという透明な画面が目の前に現れた。
「うぉっ!?」
「な、なにこれっ!」
大きさは家にあるテレビ(65インチサイズ)ほどの画面が現れたことに、驚きの声をあげる。
「これが、『マッピング』?」
「ほら、見て見て。これ、うちじゃない?」
大きな画面の真ん中に、赤い家の形のアイコンがある。その周りをドーナツのように円で囲まれているのがわかる。
マーコとニーコ、それぞれに猫のアイコンが茶色と灰色の二つが描かれている。
「私のも同じかな……『マッピング』」
フォンという音とともに同じような画面が現れた。表示している内容も同じだ。
画面は正面に表示されているので、今は二人の画面が一部重なって見えている。ニーコは見づらくなったので、少し右にずれてみると、画面もいっしょについてくる。画面はずっとニーコの前に現れるようだ。
「へー。これって、私たちが移動したところがわかるってことよね」
「うん」
「だったらさぁ、別々に移動したらどうなるんだろうね?」
「どうなるんだろう?」
二人は顔を見合わせニッと笑う。
「じゃあ、ニーコはあっち。私はこっちね」
地図上でいうところの北のほうをニーコ、南をマーコが向かうことになった。『マッピング』の画面を出したまま、走り出す二人。
画面は走り出したと同時に、前が見えるように少し上へとあがった。そのせいもあってか、二人は興奮してスピードがあがる。
「わー、ニーコが動いてるっ!」
「え、マーコ早いぞっ」
どんどん離れていく二人。お互いの声は聞こえないが、見えない相手に話しかけながらひたすら『マッピング』の画面に表示される場所を広げていく。
途中、ウサギやネズミの魔物とも遭遇しては討伐し、『収納』を繰り返す。時々ピロロンという音が聞こえるけれど、マッピングの範囲を広げるのが楽しくて、気にするどころではなかった。
「あれ?」
マーコが討伐したウサギの魔物を『収納』しているところで、画面の地図上に少し大きな赤い点が現れているのに気が付いた。
場所はニーコがいるほうで、まさにニーコの後を追いかけているように見える。
「赤いのは、魔物っぽかったんだよね」
マーコが進む先に現れる赤い点が魔物なのは、討伐すると消えることで確認済み。それと比べても、表示されている赤い点が大きい気がする。
「よしっ」
マーコは気合を入れると、ニーコのいるほうへと走り出した。




