第88話 家へ帰ろう
お待たせしました。本日から、連載再開します。
また、ありがたいことに書籍化のお話をいただいております。
『山』とともに頑張りますので、また行き詰ったら、お休み頂くかもしれませんが、のんびりお付き合いいただければ幸いです<(_ _)>
今後はカクヨム掲載同様、3日ごとの連載になります。よろしくお願いします<(_ _)>
私たちが冒険者ギルドのドアを開けたとたんに、ルーカスさんたちが駆け寄ってこようとしたので、マーコとニーコがじろりと睨んだ。
とたんに、その場に釘付けになる二人。
トトトトと駆け寄ったのは私たちの方。
「お前たち、自分らの格好を忘れるな」
「あ、す、すみません」
マーコの厳しい声に、ルーカスさんは平謝り。
実際、周囲の視線は聖騎士の格好の彼らに向けられている。ギルドの前に聖騎士の格好した人たちが立っていれば、冒険者たちも不信に思うだろう。
また違った意味で、通りを歩く女性たちの視線も向けられている。
そこに女の子らしい格好の私がそばにいるだけでも、一層目が向くのは当然。
すでにルーカスさんたちに視線が向けられていたのだから、どっちが駆け寄っても同じことだと思う。
「マーコ、ここは目立つから」
私は声を押さえながらマーコに言う。
私たちは、その場からそそくさと離れることにする。
――本当は市場とかも見に行きたかったんだけど。
怪しい貴族の動きとかを考えたら、今日はもう家に帰ったほうがいいだろう。食事をしていきたかったけれど、仕方がない。
それをマーコたちに伝えると、うんうん、と頷かれた。
「今度は、もっと目立たない格好で参ります」
「ええ。私服で行けば、もう少しマシになるでしょう」
自信満々に言う二人だけれど。
――私服になっても、イケメンすぎて視線が集まりそうな気がする。
苦笑いを浮かべてしまった私である。
そして私たちは、帝都に入る時に抜けた門とは反対側の門へと向かった。
今朝まで家があったのが南側で、今私たちが歩いている街道は北へと向かう街道。このまま道なりに進むと、帝国から見て北西に位置する、隣国のホゴート王国へと繋がるそうだ。
馬車での移動であれば、二週間ほどの距離で行けるらしい。
なぜ北側の門へと向かったかといえば、前と同じ場所だと、門で貴族の使いが待ち構えている可能性があったから。
実際、私たちの後をつけている者がいるというのが、マーコたち。
聖騎士の二人がいるおかげで、スムーズに道を進んでいるけれど、同時に目印ともなって、貴族の使いも追いかけてきているようなのだ。
だったら、北に向かっても同じなんじゃ、と思ったのだけれど、ユーコがニヤッと笑ったので何か考えがあるのだと思って、そのまま北の門へと向かっている。
門を通り抜けるのもスムーズなのは助かった。
街道には、徒歩の旅人たちの他に、隣国へ向かう行商の馬車の列が続いている。その流れに乗った私たち。
街道を歩いて十分ほどして、人の流れが切れたところで道から外れた私たち。ちょうど開けた土地があったので、ユーコはそこに家を設置した。
突然、家が現れて驚いているルーカスさんたち。
『さっさと、そいつらも敷地の中へ入れなさい』
しかし、ユーコの厳しい顔つきからも、のんびりはしてられないようだ。
「わかった……ルーカスさんたちも、中へ」
「よろしいのですか」
「急いで」
「はっ」
聖騎士の二人は、少し緊張気味に家の敷地の中へと入った。
『よし。結界を張ったので、追跡者たちには見つかるまい』
ルーカスさんたちには見えてないけれど、ユーコはニィーッと悪そうな顔で嗤った。




