第10話 食料チェック
玄関で出迎えてくれたマーコとニーコは、相変わらず、私の後をついて歩いている。でも、ただの老猫にしか見えない。
「あんたたち、本当に猫又なの?」
二匹とも、声をかけた私に返事もせずに、私を追い越してリビングの方へと向かっていく。
若い頃は動きまくってたのに、年をとってからは、寝る時間が増えている二匹。リビングについたとたん、二匹とも古くなった二人掛けのソファの上に乗って、丸くなった。
ダイニングテーブルの上に置いていたスマホを、もう一度確認する。まだメッセージは送られてきていない。
――このまま連絡が来なかったらどうしよう。
不安に思いながら、私は冷蔵庫の中身をチェックする。
生きていくためにも、食料は大事だ。
平日は仕事から帰ってきて料理する気力がないので、いつも惣菜を買ってくることが多くて、週末に買い出しするパターン。
当然、今日買い出しに行くつもりだったから、生鮮食品で冷蔵庫に残っているものはほとんどない。
卵もあと2個しかないし、ソーセージは今朝使ってしまったので残っていない。ハムは4つでまとめ売りしていたのがあと1つ。他には海苔の佃煮やなめたけ、漬物が中途半端に残っているだけだ。
野菜室には、じゃがいもやにんじん、タマネギが残っている。先週末にカレーを作ったので多めに買ったからだと思う。
あとは冷凍庫。冷凍チャーハンに、冷凍のブロッコリー、ほうれん草もあった。ちょっと古くなっているひき肉が残っていた。これは今日にでも食べてしまおうか。
冷蔵庫のチェックから、次に台所の床下収納の扉を開けた。
ここには、先週買ったお米五キロが未開封の袋のまま入れてあったはず。
「あ、よかった。大丈夫だ」
家ごと転移したようだから大丈夫だとは思ったけれど、やっぱり心配ではあったのだ。
流しの下の収納には、買い溜めしてあった醤油やみりん、料理酒や、塩、砂糖、魚の缶詰、インスタントラーメンなどがあったので、しばらくはなんとかなるだろう。
あと肝心なのは水だ。
今のところ水道から出ているけれど、これがいつまで続くのか予想もつかない。
――防災用に保管してあるのが、私の部屋の押入れにしまってあったはず。
私は自分の部屋に戻り、押入れを開ける。
上の段は布団一式が入っているけれど、下段には防災用にと準備しておいたものが一式ある。
飲み水用にと用意しておいたのは、二リットルボトルが十二本。祖母が生きてた時に用意したもので、確か、一人あたり六本で三日分換算だったので、二人分で押入れにしまった記憶がある。
あとは防災用のリュック。取り出して見ると、食料以外のソーラーラジオや、懐中電灯、救急用品に簡易トイレも入っているから、量は多くはない。缶詰に入っているパンや、お水をいれれば食べられるアルファ米、フリーズドライのスープ類、レトルトのカレーなど。これで三日分ほどだったはず。
少しずつ消費すれば、二週間はなんとかなるだろうか。でも、そこから先はどうしたらいいんだろうか。
はぁ、と大きくため息をつく私であった。




