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転生したら病弱少女だったけど、看護師スキルで異世界の医療を改革します!3  作者: 櫻木サヱ
広がりはじめた救い

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19/21

はじめての王都

王都への道は、

想像より長かった。


馬車に揺られながら、

彼女は何度も外を見る。


広い畑。

大きな街道。

行き交う商人。


村とは規模が違う。


そして――


城壁が見えた。


高く、分厚く、

村を丸ごと囲めそうな大きさ。


「あれが王都ですよ」


使者が言う。


門をくぐると、

世界が変わった。


人、人、人。


石畳の道。

ずらりと並ぶ店。

香辛料の匂い。

焼きたてのパン。


活気が違う。


同時に、

咳き込む人の多さにも気づく。


顔色の悪い人。

腕を押さえる人。

足を引きずる人。


人が多い場所ほど、

病も多い。


自然と観察してしまうのは、

職業病だった。


やがて、

白い建物の前で馬車が止まる。


王都医療院。


大きい。

診療所の何十倍もある。


中に入ると、

薬草の匂いと消毒用の煙。


それだけで、

「医療の場」だと分かる。


だが――


廊下に患者が溢れている。


座り込む人。

順番待ちで疲れ切った人。


処理が追いついていない。


「医師不足なのです」


使者が小声で言う。


「貴族優先ですから」


なるほど、

そういう世界か。


彼女は唇を引き結ぶ。


命に優先順位。

現実ではある。


でも、

納得はできない。


奥の部屋に通される。


白衣のようなローブを着た

医師たちが並んでいた。


視線が集まる。


好奇心。

疑念。

値踏み。


歓迎一色ではないのが分かる。


「君が例の村の娘か」


年配の医師が言う。


「消毒や隔離を広めたと聞く」


言い方は丁寧だが、

試すような目。


「理屈は分かります」


続ける。


「だが現場は理想通りにいかない」


それも事実。


だから彼女は、

はっきり言う。


「だから、現場でやります」


言葉より結果。


それしかないと知っている。


医師たちの空気が

少し変わる。


ただの少女じゃない。

そう認識され始める。


彼女は思う。


ここは村じゃない。

甘くない。


でも――


助けられる命が多い場所でもある。


王都の医療。

ここから変えていく。


小さな診療所から始まった看護は、

いま王都に立っていた。

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