あ、1章、2勇者達は全滅した
俺らを除いて、『他の勇者達』は【魔王】に挑んで全滅した。
「それは俺のせいじゃ無い。先走ったアイツら『他の勇者』が悪い」
「私達が真っ先に【魔王】に挑んでいれば、勝てた。彼等は死なずに済んだ」
【勇者】は顔を歪めていた。
罪悪感を感じているのか?
だが【勇者】は無茶を言ってる。
勝てるとは限らないじゃ無いか。
俺らも【魔王】に挑んで死んでた可能性があるのに。
「落ち着け。俺らが魔王に勝てるかなんて、誰にもわからないんだ」
「それでも、ワタシ達のせいだ」
「レベル40〜50台で挑んだ他の勇者が悪い」
他の勇者パーティーは、無謀だった。
魔王討伐。
その為に『必要レベルは最低60』だと言われている。
なのに……
他の【勇者達】全員は焦っていた。
だから先を争うように焦って競った。
次々と『平均レベル60以下』なのに【魔王】に挑んで負けた。
俺らの【勇者】以外は『全滅』だ!
「それは無理ないさ。彼等だって、『魔王討伐成功の英雄』になりたかったんだ」
「だからって無茶するのが悪い。俺のせいじゃない」
「誰のせいじゃないって? あんまなめんな!」
【勇者】が怖い目で俺を問い詰める。
『あんまなめんな!』 と
そう言う【勇者】の視線が痛い!
あぁ、コレはバレてたか?
俺の悪事。
俺はこの世界に『召喚』された。
そして俺は『賢者』となり活躍する。
それから、やりたいほうだいやった。
悪い事もした。
そんな俺は……
この世界の、とある国の『皇女との恋』に落ちる。
その皇女は、この国でトップクラスに頭がよく。
この世界屈指に性格が凄かった。
皇女の願いに乗る形で、俺達は『世界制覇』を誓った。
性格のアレな皇女とのアレコレは、正直楽しかったのは認める。
性格のアレな女との恋は麻薬に似てる。
初恋の効果もあったのだろう。
強烈な刺激と副作用があった。
俺は皇女に夢中で、皇女は俺を利用する気満々だった。
それでも俺達は幸せだった。
ただ1つだけ。
そんな恋する俺達に、問題が生じる。
俺の停滞。
俺のレベルの伸び悩み。
世界一を狙える才能の持ち主だと言われてた『賢者』俺。
俺の成長は、ある時を境に凄く鈍化した。
勇者を凌ぐとさえ期待された俺。
超新星だった俺。
この『勇者パーティー』に入った俺。
が……
ある日、成長速度が凄く鈍化した。
俺はレベルが上がるたびに、新しい『召喚術』を1つ覚える。
しかしある時、何故か『成長力10分の1』を追加で獲得してしまった。
その『スキル』が発動して『俺の価値』は暴落する。
仮に【レベルアップ100】相当の経験値を得ても【レベルが10】しか上がらない『体質』になってしまった。
つまりレベルアップ速度が、他人の『10分の1』になってしまった。
それは事実上の、次期トップ戦力候補からの脱落を意味する。
俺は焦り。
その事を知った皇女。
俺を利用して魔王を倒して、さらなる高みへ登ろうとしてた『恋人の皇女』は絶望した。
それでも、お互いに愛してはいたらしい。
なんだかんだと二人で対策を練った。
焦った俺は知恵を絞り込み、数多くいた他の勇者パーティー、つまりはライバルの足を引っ張る。
皇女には内緒で他の勇者、ライバルを排除したかった。
俺『魔王討伐の名誉』が欲しかったから。
その名誉は世界制覇に必要だったから。
俺の他勇者への策謀と、その結果。
現状、他の勇者は俺の計画通り全滅した。
今や俺の所属する勇者パーティーしか、魔王には勝てない。
そのはずだ。
新たな勇者を1から育てても、もはや『俺の勇者』の驚異にはならない。
正直計画が上手く行き過ぎた。
俺の妨害工作で足を引っ張られた他の勇者達の成長速度は落ちた。
まだまだ魔王に挑まないだろうと思っていたが……俺の計算はハズレた。
無謀にも他の勇者達は次々と魔王に挑み……
『他の勇者パーティーは全滅した』
俺の妨害工作は、【ライバル勇者達】の成長足止め程度。
俺と同じ『10分の1』と迄はいかずとも、成長に多少デバフ環境を与えただけだった。
しかし実際には足止めどころか、予想外に上手く行ったわけだ。
うまく行き過ぎたせいで『他の勇者が全滅して』、それが皇女にもバレた。
俺もまさか……他の勇者が全滅するとは思わなかった。
俺同様に成長速度を止めたかっただけなのに……
俺達が魔王を倒す時間的猶予が欲しかっただけなのに……
ちょっとやりすぎてビビッたよ。
ある意味計画通りなのだが……
コレで最後に残った勇者【俺の勇者】まで【魔王】に負ければ……
【人類はたぶん滅亡する】
そうなったら俺のせいだ。




