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勇者パーティーから追放された異常な【賢者】のイカれた行動と【勇者】の善行  作者: 金銅才狸


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1/21

あ、1章、1追放


 俺は魔王討伐寸前の勇者パーティーに所属している【賢者】。

 俺達はついに【魔王】を倒せる勇者パーティーにまで成長した。

 そんな俺達だが俺に……【勇者】が……



「パーティーを抜けてくれないかな?」



 え?

 勇者から、そんな事を言われた。

 勇者はとても申し訳無さそうな顔色。

 しかし、言ってる言葉は酷い。


 な、なぜだ!

 なぜそんな酷い事を言えるんだ【勇者】?


「お、お前。【魔王】を倒すのに必要だからと、俺を『召喚』して、散々弄んでボロ雑巾の様にこき使い。飽きたらポイ、か?」


 【勇者】から戦力外通告を受けた俺。

 とっさにとんでも無い言葉が口から出た。


「人聞きの悪い事をいうね」

「キサマさてはエネミーか? それともフレネミーだったのか?」 

「……」


 俺の言葉の迫力に【勇者】が沈黙する。


「魔王討伐目前で俺を追放? 俺をそんな酷い目にあわせて満足か?」

「えぇ〜。そんな私が悪者みたいな言い方。あとエネミー? それとフレネミーって何?」

「エネミーは敵の事だ。フレネミーは味方のフリをした敵の事だ」

「へぇ」


 俺の説明に、【勇者】は勉強になったと目を輝かせた。

 俺はどうやら遥か遠くの『星』から召喚されたらしく、文化がかなり違う。

 俺の故郷の文化が珍しいらしく、勇者は俺の故郷の話をひどく好んだ。


「さてはキサマ。勇者パーティーから『賢者』である俺を追放しようと画策する【魔王の使い】だな?」

「【魔王の使い】? 私が? 聞き捨てならないねぇ。私はパーティーリーダーの【勇者】ですけど、なにか?」


 俺に追放を言い渡した勇者は、胸に手をあてて悪びれもせずに堂々と名乗った。

 そんな勇者に俺は……


「『賢者』の俺を散々弄んでおいて、追放する勇者が何処にいる? なんて勇者だ!」

「さらに人ぎきの悪い事を……そもそも弄ぶも何もワタシ、今は女が好きなんだが」


 ぐ………

 なんて事だ!

 俺のキレ気味の抗議に勇者は怯みもしない


 イカン。

 このまま言い負かされてしまえば、本気で勇者パーティーを追放されてしまう。

 【賢者】の俺は策をねる。

 よし。

 押して駄目ならひいてみろだ。

 北風と太陽作戦だ。


「俺から勇者にお願いがあります。す〜て〜な〜いで〜。お願い。俺の休日を週休3日に減らしてもいいから」

「今まで、どれだけ休日とってたんだい?」


 勇者との漫才のようなやり取り。

 冗談めかしながらも、勇者は本気で俺をパーティーから追放したい模様。

 目がマジだ。


 俺は必死で勇者に食い下がった。

 ここで『勇者パーティー』から追い出されると、俺は……ドエライ事になる。


 この世界へ呼び出されて……勇者パーティーに合流した『賢者』が俺。

 ここは異世界かと思ったが、俺を召喚した勇者によるとソレは違うらしい。


 ここが何処だか説明を受けたが、俺にはよくわからなかった。

 どうでも良かった。


 それよりも、この世界の状況、そして自分が『賢者』になった事。

 俺が召喚された過程ことで、俺自身に次元のズレ的な何かがおこり、『召喚』能力スキルが使える様になった事にトキメイタ


 それからトキメイタ俺は少し……

 調子に乗ってやりすぎた。


 『勇者パーティ』にスカウトされた俺。

 勇者の威光を傘に来て、イロイロやった。

 なので……

 ここで勇者パーティーから抜けるのは、不味い。凄く不味い。

 今まで甘い汁を吸ってたから特に!

 理屈だと分が悪い。

 【勇者】の情に訴えてやる。



「俺達低レベルからの付き合いじゃないか」

「そうだね」

「俺だって、役に立ったろ?」

「たしかに……はじめて君を『召喚』した時は震えたよ」


 はじめて……か。

 懐かしいな。


「ふっ」

 昔を思い出した。

 俺はかっこうをつけてみる。


「君はレベル1にもかかわらず。いきなり凄い『召喚』を使ってみせた。あれには本気で驚いたよ『一万勇者ポイント』」

「まぁな。『勇者ポイント』って何だ?」


 聞いたことの無い『勇者ポイント』と言う言葉に頭をひねる。


「君が低レベルにもかかわらず。魔王軍幹部を、汚い策略と大禁術『月召喚』と召喚『サブマシンガン』で倒した時には、正直震えたよ。 アレには『一万勇者ポイント』」


 俺の質問は無視された。


 勇者ポイントの事はわからなかった。

 が懐かしい昔話を想い出す。


 『月召喚』が大禁呪とは知らずに使った。

 『擬似月』が空から降ってきた時には、俺も震えた。

 死ぬかと思った。

 月が空から降って来るんだ。

 『月召喚』で呼び出した偽物の月だと、あの時は知らなかったから……

 ビビるよな。


 俺のレベルが低かったから、『月召喚』の威力も低くて、かろうじて死なずに済んだ。


 もう少し俺のレベルが高ければ魔王軍幹部と心中する事になっていただろう。

 本気でヤバかったので、今は封印してる。


 それと、『勇者ポイント』って何だろ?

 知らないぞ、そんなポイント。

 でも、褒められて悪い気はしない。


「て、照れるな〜」

「あの時は、コレ【勇者】のワタシいらないよね? 君が魔王を倒すんだ。とか思ったよ」


 勇者が無茶を言う。


「勇者以外が魔王を倒すと、殺した奴が次の『魔王化』しちまうから魔王は無理だわ」

「そう?」

「しかも【魔王】は鬼強いし。でも言いたい事はわかる」


 あの時の俺は輝いていた。

 活躍した。

 ここに召喚されて心が煌いてたし。



「だけども、それが今はどうだい?」

 勇者の今の俺を見る目が悲しそう。


「どうだい? と言われても……」

「きみ『今のレベル』はいくつになった?」

「…………35」


 小さな声で答える。

 俺はレベルが1つ上がる毎に、新しい召喚術を覚えていく。

 今や35の召喚術が使える。

 しかし、そんな俺に勇者は……


「マイナス百万勇者ポイント」

「謎のポイント、一気に減ったなオイ!」

「魔王討伐に必要と言われてる一般的なパーティーの平均レベルはいくつ?」


 ん? 

 勇者の声のトーンが変わったぞ。



「魔王討伐に必要平均レベル?」

「そう」

「4人パーティーで平均レベル60くらい?」

「そうだね。『合計レベル約250』が魔王討伐の目安だね」

「俺。あと、たった25レベルじゃないか。それくらい俺が育つのを待っててくれよ」


 全く勇者は、せっかちな奴だ。

 魔王討伐の旅は、ゆっくりジックリ慎重に行かなきゃ。

 俺らが負けたら世界滅ぶんだぞ。


「待ったさ。その結果どうなった?」

「どうって? 俺らまだ生きてるじゃん。これからじゃん」

「ワタシの他の勇者達は全員、先に『魔王』に挑んだのに」

「う……」

「ワタシ達だけが取り残された」


 そう。

 勇者は複数いた。

 しかし他の勇者パーティーは……全滅した

 ぶっちゃけ人類は、かなりマズイ。



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