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勇者パーティーから追放された異常な【賢者】のイカれた行動と【勇者】の善行  作者: 金銅才狸


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う3、マフィア2【人権を忘れてもらいたい】



 


「頭がハッピィーだと幸せだよなぁ」

「あ………うぅ」

「頭がハッピィーだと言う事は、幸せと言う事だよなぁ」


 目の前に焦げて転がった自称マフィア3人を蹴りつける。

 他愛もない。

 あっという間に戦闘不能。

 『スタングレネ〜ド』で一発だった。


 この世界

 民間人のレベルは10以下

 戦闘員でレベル10〜

 精鋭兵でレベル20〜

 将軍クラスでやっとレベル30〜だ。


 マフィアなど良くてレベル10くらい

 俺は激レアクラス賢者レベル35、しかも人類最高クラス装備。

 自称マフィアが俺にかなうはずもない。

 

 マフィアを『スタングレネ〜ド』で先頭不能に追い込んでしこたま蹴った。

 生きてはいる。

 チョロ過ぎて八つ当たりにもならなかった


 ふと周囲を見ると助けた女はいなくなってた。周囲の野次馬はドン引きしてる。

『やりすぎだよ。誰か止めろよ』

『嫌だよ。こえ〜よ』


 そんな声が聞こえて来るが……

 ………まだ、足りない。

 まだまだ足りない。

 もっともっと暴れたりない。

 マフィアかぁ〜

 マフィアはひとり見かけたら、50人いると思えって言うよなぁ。


「で、テメェ〜らのアジトは何処よ?」


 俺は戦闘でテンションが上がったまま

 ギラギラとした眼で、倒れてるマフィア三人に問いかけた



 俺の今の目的はなにか?

 俺は何をしたい?

 自分の心に問いかける。


 この世界の中心で世界を守る為に戦って追放された。

 もう………世界の中心にはもどれない。

 輝かしい黄金時代は去った。


 ならば………

 この世界の果ての片隅で八つ当たりするのも悪くない。

 荒谷手に入れた自由と平等を、この身と他の身で心ゆくまで楽しむ気である。


 派手な行動とは裏腹に………

 俺の心は静かに堕ちて狂って行く。


 俺はマフィアのアジトに向かう。



「ねぇ………何やってんの?」

「お、これはこれは、俺を追放した勇者様」


 ひと仕事終えた俺に、何処からか現れた勇者が声をかけてきた。


 しまったなぁ。

 もう一度【勇者】達に会う前に、この街を去るつもりだったのに………

 昨日のアリバイ工作がダイナシだ。

 俺の心配を他所に【勇者】が……


「何だよその嫌味な言い方」

「ふん。少しは追放された事を俺は根に持ってんだよ」

「そう。それで何やってんの?」

「マフィア潰し」

「ねぇ?………何で、そんな事してんの?」


 不思議そうに聞いてくる勇者。


「オマエから勇者パーティーを追放されたせいだ」

「え?」

「絶望した俺は、警察の前で下半身全裸になって、残りの人生を変質者として生きようかと思いつめてた。その時だ………」

「え? ちょっと待って、何言ってるの?」


 俺の大嘘に【勇者】が慌てる。

 下手に真実だけをしゃべると、俺の昨晩の悪事がバレかね無い。

 【勇者】は頭が良い。

 なので盛大に嘘と真実を混ぜて【勇者】を煙に巻く事にした。


「今日の飲み会の後、そんな自暴自棄状態で散歩してたらマフィアに煽られた」

「そう」

「だからアレから、ず〜と、この街中のマフィア達とやりあってたんだ……変質者になるよりはナンボか気が晴れる」

「………そう」


 勇者は淡々と相槌をうった。

 興味あんまないなら聞くなよ【勇者】。


「コイツ等が俺の事を、クソザコナメクジとか煽るから悪いんだ」

「そう。」


 ヤッパリ俺に興味なさそうな勇者。


「そうだろ、酷い連中だ」

「ねぇ、それよりも『青の魔法使い』を見なかった?」

「あん? 青の奴? 見てね〜よ。俺はコイツ等と、送別会の後から、今までず〜とやりあってたし」


 俺は更に堂々と嘘をつく。

 昨晩の『青の魔法使い』の部屋へ盗みに入った事は当然言えない。

 奴の大事なアイテムを根こそぎ奪った事を知られてはならない。

 嘘は堂々としてれば案外バレ無いし。


「そっか。『青の魔法使い』がね。急にいなくなって探してるんだ」

「ふ〜ん」


 勇者は困った様に呟く。

 ……あれ?

 てことは、もしかして青のやつ……

 やっぱり罠じゃなかったのかな?


 単純に俺に『魔法の小箱』ごと装備を取られて、あれから必至こいて探してるとか?


 だとしたら……

 ざま〜。

 ヨッシャア、

 ざま〜みろ『青の魔法使い』。


 でも、それなら俺が犯人だとはアイツわかってね〜のか?

 アイツ……酔って寝てたし。


 俺が犯人だと知ってりゃ。

 今頃は俺の所に来て、力ずくでも私物を取り返そうとしてるわな。

 

 俺は盗みを働いた後、逃げもせずに同じ街でマフィア連中と、もめてるし。

 怪我の功名と言えるかもだけども……

 しかし間抜けな事してんな~おれ。

 普通は泥棒は、そんな事しない。


 泥棒は仕事したあとは、すぐに姿を消す。

 間違ってもマフィアと喧嘩しない。

 ソレがかえって迷彩、アリバイになってるのかもな。


 そういや忘れてたけど、『青の魔法使い』の私物『魔法の小箱』の中から出てきた魔王の下着。

 アレは何だ?

 ……勇者に聞くわけにはいかんよなぁ。

 とか俺が考えてると……


「ねぇ。青を探すの手伝ってよ」

「お前……俺をクビにしといて……」


 勇者、図々しいにも程がある。

 クビにした相手に頼み事って………

 流石勇者、勇気のかたまりすぎる。


「……ホントに別々の道を、歩む事になっちゃったねぇ、僕ら」

「誰のせいで……」

「誰のせいかな?」


 勇者はキレイな眼で俺をみつめてくる。

 クソ、そんな目で見るな。


「……俺のせいだな」

「でしょ」


 勇者はたんたんと言う。

 くそう。

 反論出来ん。

 俺が悪い。

 クビにした勇者よりも、彼等についていけなくなった俺が悪い。


「ふん。せっかくマフィアをいじめて晴れた気分が、また悪くなった」

「ええ〜」

「もういっちょマフィア残党いじめるから、魔法使い探しは協力出来ん」

「そっか〜〜〜」


 そう言って勇者はトボトボ離れていった。

 ……

 ………………

 くそう。

 なんかイライラするな。

 認めたくないが俺は【勇者】にも、【勇者パーティー】にも未練がある。


 この怒りと悲しみを、マフィアにぶつけたる………

 だから!

 こ、の、さ、い、人権は忘れる事にした。

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