第二十七章 永誓
実は最近、過去の何話かで「**」という記号が消えずに残ってしまっていることに気づきました。元々は文章を強調するために使っていたのですが、なろう側ではそれが装飾として反映されず、そのまま記号として表示されてしまっていたようです。
読みづらかった方、本当にすみません!
該当する箇所は全て直しました。これからは気をつけます。
それでは、本編をどうぞ。
宇安のあの「一人も戦える者がいない」が落ちた後、三十四人の精靈の生徒のうち、何人かがピクッと反応した。
だが誰も反論しなかった。反論する立場の者は一人もいなかった。
宇安はそのまま歩き続け、アイレアとナナの立つ位置まで来た。
「俺の実力を五十年巻き戻しても、この結果だ」彼は少し大きな声で付け加えた。明らかに、あの三十四人に向けた声だった。「昔の俺の騎士団の新兵より弱い」
この台詞はアイレアが事前に指示したものだった。
艾蕾拉はアイレアの横に立っていて、この言葉を聞いた時に口角が引き攣った。彼女はこれが意図的なものだと知っていた。アイレアが、宇安にこういう言葉を言わせて、あの生徒たちを刺激するためだと。自分たちがいかに小さいかを自覚させ、鍛錬を続ける動機を与えるために。それでも、聞くと少し酷いと思った。
アイレアが三十四人の前まで歩いた。
「上には上がいる」彼女は言った。感情を乗せない、事実を述べる平淡な声だった。「戻って、鍛え直しなさい。解散」
三十四人が支え合い、引き合い、ゆっくりと地面から起き上がった。壁にもたれる者、同伴の肩を借りる者、地面に手をついて立ち上がろうとして脚が震えて危うく倒れ込みそうになる者。
彼らは一歩ずつ、引きずるように遠ざかっていった。誰もが宇安の横を通る時に顔を上げられず、叱られたばかりの子供が大人に向ける、あの種類の畏れが目に滲んでいた。口を開く勇気もなく、走る勇気もなく、ただ顔を伏せて足を速める。気づかれたくないという顔で。
艾蕾拉はまだその場に立ち、この群れが去っていくのを見ていた。
表情が、最初の頃の単純な同情ではなくなっていた。
最初は同情だった。彼女自身、つい先ほど打たれたばかりで、あの痛みを知っている。
それから、少しずつ安堵に変わった。彼女の十分間の戦いは確かに苦しかったが、この三十四人の七分間の惨状は、明らかに彼女のそれより重い。
さらにその後、後怖に変わった。もし自分が先ほど、指導としてではなく、この人たちのように蹂躙の対象として扱われていたら。今、地面に倒れているのは自分だったかもしれない。
彼女はこの思いを口にはしなかった。
ただ、無意識に宇安を一瞥し、すぐに視線を地面に戻しただけだった。
◆
三十四人が遠ざかってしまうと、空気がようやく少し緩んだ。
夕陽はもう巨木の樹冠に近づいていた。学院の発光苔が少しずつ光り始めていて、学院全体が淡い青色の光に包まれていく。
艾蕾拉が何かを思い出した。ナナを見て、それから宇安の腰の佩剣を見て、声を低くして、少し気まずそうに言った。
「あの……申し訳ありません、お二方のお名前をまだ知らなくて。宇安先生のお名前は師匠から伺っていたのですが……そちらの方と……この剣は……」
彼女はナナを見た。
「ナナ」ナナが言った。「ナナでも柒七でも、好きな方でいいわよ」
艾蕾拉が首を傾けた。「ナナ……さん? どうお呼びすればいいですか」
ナナが笑った。
「ナナでいいわよ」
艾蕾拉は頷き、それから宇安の腰の佩剣に視線を移した。
戦闘前、その剣が宇安の手から飛んで、ナナのところへ流れていった画面を思い出した。
「あの……この剣にも、名前はあるんですか?」
佩剣の剣身が一度震えた。今回はすぐには声を発しなかった。ただ、微かに震えていた。何かを待つように。
宇安が腰の剣を見下ろした。
すぐには口を開かず、数秒、考えた。
それから、声に出した。
「永誓」
二文字。とても軽く、だがはっきりと発音された。
一瞬、空気の中に何かが固定された。
佩剣。いや、永誓。が宇安の腰から静かに浮き上がり、彼の傍に静かに戻った。以前のあの歓喜に満ちた、目立って震えるような様子ではない。今度の静けさには重みがあった。正式に名前を与えられた後の、そういう重みだった。
彼の身体から半歩ほど離れた位置に止まり、動かなくなった。
艾蕾拉はこの一連の光景を見て、まばたきを一つした。
「……永誓」彼女はその名前を小さな声で一度繰り返した。「宇安先生が、お付けになった名前ですか」
「さっき付けた」宇安は言った。「それまでは自分で適当な名前を名乗っていた。ちょっと中二の奴だった」
永誓が明らかに震えた。反駁しようとするように。
だが今回、反駁はしなかった。
ただ震えて、そのまま静かになった。
ナナがこの場面を見て、不意に大笑いした。
「あははは――」尻尾まで揺れるほど笑った。「さっきまで自分を『宇安の剣』って名乗ってたくせに、本当の名前を付けてもらった途端に黙るの?」
永誓がまた震えた。今回は少し歓びを帯びた震えだった。「あの名前も本当の名前だ」とでも主張するような。だが、やはり声は発しなかった。
「これからは永誓って呼ぶからね~」ナナが剣に向かって言った。「返事しないと、了承したことにするよ」
永誓がまた震えた。
今回の震えにはわずかな不服があった。だが声を出しての抗議はしなかった。たぶん、「永誓」という名前そのものに押さえつけられていた。自分自身でも感じ取れたのだろう。この名前は「宇安の剣」と同じ次元のものではない。
艾蕾拉は消化しきれなかった。宇安を見て、ナナを見て、それからあの剣を見た。
「この剣は……喋るんですか」彼女は結局、一番根本的な質問に戻った。
「喋りたい時だけな」宇安は言った。
一拍置いて、声を落として付け加えた。視線がナナの方へ、呆れたように流れる。
「そもそも、お前の師匠が持ってるあの枝も、喋るんだけどな」
艾蕾拉が固まった。
彼女はゆっくりと、アイレアの手の中の世界樹の枝に視線を移した。
アイレアは話に乗らず、手の中の枝を軽く一度回しただけだった。表情は普段通り平静。
艾蕾拉の目がさらに大きく見開かれた。
ナナはこの時になって初めて、艾蕾拉の視線を辿って、宇安が先ほど送ってきたあの視線に気づいた。
「何?」彼女は宇安を見た。耳がわずかに伏せる。「なんでそんな目で見てんのよ、ん?」
宇安は何も言わなかった。
ナナは彼を一瞥し、それからアイレアの手の枝を見て、ふん、と鼻を鳴らし、顔を反対側へ向けた。
艾蕾拉はこの一連を見て、視線が宇安、ナナ、そしてアイレアの手の枝の間を一周した。だいたい何が起きているのかは察した。
彼女は頷いたが、その表情はまだ消化しきれていないと言っていた。
彼女はアイレアを見た。
アイレアの表情は変わらなかった。ただ、小さく息をついて、平淡に言った。
「世界は広いです。こういうことはこれから、色々と遭うでしょう」
◆
「今日はここまでにしましょう」アイレアが言った。「宇安さんがお休みになりたいのなら、学院に客室があります」
「いいわ」ナナが即座に引き取った。「私たち、家に帰って寝る」
宇安が彼女を一瞥し、低く呟いた。「『家』にベッドがあるみたいな言い方だな……毎回ソファで寝てんだろ、俺たち」
ナナがバツの悪そうな顔をした。「いや……今までそういう必要がなかっただけじゃない……ソファだってなかなか悪くないでしょ!」
宇安が笑って頭を振り、それ以上は何も言わなかった。
アイレアが二人を見ていた。口角がほとんど気づかれない程度に、わずかに動いた。
「では、またご都合の良い時にお越しください」彼女が続けて言った。「具体的な講義の日程は、改めてご連絡します」
四人が揃って学院の出口へと歩き出した。艾蕾拉は歩みが遅く、一歩一歩に慎重さがあった。だが疲れたとは言わなかったし、誰かに待ってくれとも言わなかった。自分のペースで歩いていた。
霧門の近くに着いた時、莉涅がそこに立って待っていた。
四人が歩いてくるのを見て、礼をした。
「今日はお疲れ様でした」
アイレアが莉涅に向き直った。
「今日はありがとう。学分は記録しておきました」
莉涅の耳の先が一気に赤くなった。「あ、ありがとうございます、女王陛下」
それから莉涅は宇安とナナに向き直り、認真に礼をした。
「お気を付けて」
ナナは笑って手を振った。
「また会いましょう、莉涅」
莉涅の耳の先がさらに赤くなった。
宇安が頷いた。
「今日は案内してくれて、ありがとう」
「い、いえ……」莉涅が俯いた。声がとても小さい。「たいしたことでは……私は、学院が指示したことをしただけですから……」
彼女の口角がわずかに動いた。
◆
霧門を出たあと、学院の景色が背後の巨木群に遮られて見えなくなっていった。
ナナが手を伸ばすと、空気の中に裂け目が現れた。複雑な動作は何もない。ただ手を伸ばすだけで、裂け目が現れた。
「帰ろう」
宇安が彼女に続いて裂け目に入った。
◆
二人が居間に現れた。
ナナの家。宇安にはもう馴染みの場所だった。最初の日に落ちてきたあのソファ、止まらない時計の飾り、壁際に立てかけられた最初の日の彼の深色の輕鎧、全てが元の位置にある。
宇安がソファの脇まで歩いて、そのまま崩れ落ちた。
身体を後ろに預けて、頭をソファの背に乗せ、目を閉じた。
一日の中で、いろいろなことが次々と起きた。翠葉簿、盆栽、あの花、酸っぱい果実、艾蕾拉、三十四対一。本当に戦った時間は合わせても二十分にもならないのに、空はもう暗くなっていた。疲れた。
永誓が腰から浮き上がり、剣架まで飛んで、自分で掛かった。
ナナが厨房に入り、数分後、湯気の立つお茶を持って出てきて、宇安の手元の低い机に置いた。それから机を回り込んで、宇安の隣に腰を下ろした。
宇安が目を開け、お茶を一瞥してから、持ち上げて一口飲んだ。
熱い。普通のお茶だった。
何も言わず、ただ飲んだ。
ナナが膝を抱えて彼の傍に丸まり、尻尾がソファの縁から垂れて、小さく揺れていた。
「いい苗だって~」彼女は言った。宇安の口調を真似て。
宇安が彼女を睨んだ。
ナナが笑った。
「一人も戦える者がいないって~」もう一つ真似た。
宇安は今度は睨む気力もなく、目を閉じた。
◆
窓の外の光がゆっくりと変わっていった。
空が少しずつ暗くなっていく。橙色から深い青へ。遠くのどこかで最初の一灯が点り、それから二灯、三灯と続いた。居間に明かりはつけていないが、夕陽の最後の余光がまだ残っていて、ソファ、低い机、あのお茶の湯気を、柔らかな暗金色に染めていた。
剣架の上の永誓は静かだった。動かず、話さない。
ナナの尻尾はまだ小さく揺れていた。彼女はいつの間にか、宇安の膝に頭を乗せていた。過去のいくつもの夜と同じように。
「疲れてるのは分かってるんだけどね~」彼女があくびをした。「残念ながら、今からがあんたの本当の仕事時間なのよね……」
宇安はまた一口、お茶を飲んだ。それから空いた手をナナの首筋に置き、軽く揉み始めた。
ナナの喉から、猫科生物に似たゴロゴロという音が漏れた。
宇安の手は止まらなかった。
ナナの目がゆっくりと閉じていった。尻尾は「小さく揺れる」から「時々動く」に変わり、やがて「完全に止まった」に変わった。
ゴロゴロが、だんだん穏やかになっていく。
数分後、彼女の呼吸が安定した。
宇安が彼女を見下ろした。
寝ていた。
彼はお茶を置き、空いた手を上げて、傍らから一つの浮遊ウィンドウを手前に引き寄せた。ナナのタスクリストだった。この管理人は午後を模擬戦闘場で潰してしまったから、まだ処理していない案件がたくさん残っている。
ウィンドウの光が彼の顔に映る。淡い青白色。
しばらく見て、口角が動いた。
ナナの首筋を揉む手は止まらなかった。
「明日も忙しい一日になりそうだな……」彼は小声で言った。寝ているナナに話しかけるような、独り言のような声だった。「俺は相変わらず暇だけどな」
もう一口、お茶を飲んだ。
「引き続き頑張ってくれ、管理人さん」
ナナは深く眠っていて、何も返さなかった。
ただ尻尾が、宇安の手元のソファのクッションの上で、わずかに一度震え、そしてまた静まった。




