Honesty is policy #3
銀太は池の前で倒れた。
熊は爪を舐める。
舐めた爪を振り下ろす。
「守護結界」
爪が銀太に命中することはなかった。
銀太「誰だ…」
顔を上げると池の上に女人が立っていた。
「なんとお労しい」
銀太「天女様か…」
「あら…死ぬ寸前でも甘美な言葉をかけてくださるのね」
銀太「頼む…この熊を倒してくれ…じゃないと…村が壊滅する…」
「そうですか…ですがそれは私に関係のないことです。いくら人が死のうが、生きようが全く関係のないこ
となのです」
銀太「へっ…天女様と思いきや…悪魔だったってことかい…」
「それを決めるのはあなたたち人間。私は天女にも悪魔にもなる」
銀太「そうか…なら悪魔でもいい…熊を倒してくれ…」
「いえ、私がこの世界に直接手を下すことはできません」
銀太「それなら何故…ここは守られている…」
「契約の邪魔をされても困りますので」
銀太「契約…?」
「私の問いに答えていただければ問題ありません」
銀太「もう意識が保てそうにない…早くして…くれ…」
「そうですか、それでは一つ。あなたが落としたのはこの銀の鉞ですか?」
銀太「違う…」手に持っていた鉞がいつの間にか無くなっていることに気がつく。
「それでは、あなたが落としたのはこの金の斧ですか?」
銀太「俺が落としたのは…父様から頂いた鉞です…」
「なるほど…あなたは正直者なんですね。それではこの二つの鉞もつけましょう」
銀太「いらない…そんなものより…熊を…熊を…」
「そうですか…それならどっちを守りますか?」
銀太「どっち…?」
「弟の命か村の人の命かどっちを選ぶ?」
銀太「なん…だと…」
「これからあの熊が死ぬまで選んだ方に守護結界を貼りましょう。ここに貼っているものと同じものです」
銀太「だったら…」
「だったら?」




