Honesty is policy #2
木々を避け、山を登る。
最大限の警戒をしながら、足音を殺し、音を感じ取る。
銀太「山を登ったという割には…足跡が無い。この辺から登ったわけでは無いのか…」
山の中に入ってすでに1時間以上経過している。
山を螺旋状に登っているのに足跡が見当たらない。
思考を巡らすが…
銀太「ダメだ…全然わからない…」
これではまるで地に足をつけてないような…。
この山にすら入ってないような…。
最悪の事態を考えたがそれは裏切られた。
背後で何かが落ちる音が聞こえる。
銀太「そもそもずっと裏を取られていたのか」
体から力が抜ける。
背後を振り返ると明らかに大きい熊が居た。
爪にはべっとりと血塗られている。
銀太「お前か…」
鉞を地に立て、ふらつく体を支える。
怪しいところは一つもない。
あえてあげるとするのであれば、異様に血生臭い。
銀太「くそっ…」
背中が熱く感じる。
銀太「直撃は避けたはずなんだがな…」
足元の枯葉が赤く染まり始める。
銀太「村に戻るのはダメだ…頂上に行った方が早い…あそこに行けば可能性も…」
熊を見ながら、後退りする。
熊は様子を見ながら追ってくる。
銀太「早くしないと俺の体が持たないかもしれないな…」
熊は落ちている血を舐めながらこちらへ向かってくる。
銀太「人の味を知った獣ほどめんどくさいものだな…」
鉞を担ぐ力も無くなってくる。
銀太「くそが…こんなところで…」
頂上に着いた。
そこには綺麗な池があった。
しかしこの池にはとある伝説があった。
人喰いの池だと。
誰かは言った…。“池から何者かが現れた”と。




